成分名 |
トブラマイシン |
適応症状 |
敗血症/深在性皮膚感染症/慢性膿皮症/外傷・熱傷及び手術創等の二次感染/急性気管支炎/肺炎/慢性呼吸器病変の二次感染/膀胱炎/腎盂腎炎/腹膜炎 など |
簡易説明 |
「トブラマイシン」はアミノ糖を含む配糖体抗生物質の総称であるアミノグリコシド系の抗生物質の一つで、敗血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎などの治療に用いられます。
日本では、東和薬品がトブラシンの商品名で販売しています。
「トブラマイシン」は本剤に感性の大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌に対して強い抗菌活性を持ちます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/皮膚科/呼吸器科/消化器科/循環器科/泌尿器科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
トブラシン注60mg 403円/管(薬価)
トブラシン注90mg 586円/管(薬価)
トブラシン注小児用10mg 97円/管(薬価)
*病院によって差が有り。初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1977年3月認可 |
国内のジェネリック認可 |
- |
関連製品(先発薬) |
トブラシン注60mg 【製薬メーカー:東和薬品】
トブラシン注90mg 【製薬メーカー:東和薬品】
トブラシン注小児用10mg 【製薬メーカー:東和薬品】 |
関連製品(ジェネリック) |
- |
効果・作用 |
「トブラマイシン」はアミノ糖を含む配糖体抗生物質の総称であるアミノグリコシド系抗生物質で、細菌のタンパク合成を阻害して、成長、分裂、増殖を妨げる効果を持ちます。
細菌は生命維持や増殖に必要なタンパク質合成が必要で、タンパク質合成をリボソームという器官で行うのですが、そのリボソームは30Sと50Sというサブユニットに分かれています。
「トブラマイシン」はリボソーム30Sサブユニットに作用することで、タンパク質合成を阻害することで細菌の増殖を抑えて殺菌的に作用します。
「トブラマイシン」は本剤に感性の大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌に対して強いに抗菌活性を持ち、白色~微黄白色の吸湿性の粉末で、水に極めて溶けやすくてホルムアミドに溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノールに極めて溶けにくい特徴があります。
使用にあたっては、「厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き」を参照して、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、「トブラマイシン」の投与が適切と判断される場合に投与します。
「トブラマイシン」の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために、原則として感受性を確認して疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが推奨されています。 |
使用方法 |
▼用法用量
・成人はトブラマイシンとして、膀胱炎および腎盂腎炎には、1日120mg(力価)を2回、その他の感染症には1日180mg(力価)を2~3回、それぞれ分割して筋肉内注射または点滴静注します。点滴静注においては30分~2時間かけて注入して、1回90mg投与の場合には、1時間以上かけて注入することが望ましいです。なお、年齢や体重や症状により適宜増減します。
・小児はトブラマイシンとして、1日3mg(力価)/kgを2~3回に分割して、筋肉内注射または点滴静注します。点滴静注においては30分~2時間かけて注入します。なお、年齢や体重や症状により適宜増減します。
▼関連する使用上の注意
・本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために原則として感受性を確認して、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。
・腎障害のある患者には、投与量を減らすか、投与間隔をあけて使用してください |
副作用 |
副作用発現状況の概要について、承認時における安全性評価対象例983例中、臨床検査値の異常変動を含む75例(7.6%)の副作用が確認されています。承認後(1976年8月~1980年4月)における安全性評価対象例77619例中、臨床検査値の異常変動を含む1058例(1.36%)の副作用が確認されています
重大な副作用
▼ショック(0.1%未満)
ショックを起こすことがあります。観察を十分に行って症状があらわれた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。
▼急性腎障害(0.1%未満)
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあります。定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止して適切な処置を行ってください。
▼第8脳神経障害(0.1?5%未満)
眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与してください。
その他の副作用
・発疹,そう痒,紅斑,発熱等
・腎機能障害(BUN上昇,クレアチニン上昇)
・浮腫,蛋白尿,血尿,尿円柱,カリウム等電解質の異常
・肝障害,黄疸
・耳痛,耳閉塞感,口唇・四肢等のしびれ感
・頭痛,頭重,譫妄,見当識障害等
・貧血(赤血球減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット減少),白血球減少,血小板減少等
・下痢,悪心,嘔吐,食欲不振,口内炎等
・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症,出血傾向等),ビタミンB群欠乏症状(舌炎,口内炎,食欲不振,神経炎等)
・注射局所の疼痛又は硬結
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤の成分並びに他のアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分並びに他のアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質難聴者又はその他の難聴者
本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質難聴者又はその他の難聴者は、難聴が発現又は増悪するおそれがあります。投与しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に投与してください。
■腎障害のある患者
腎障害のある患者は高い血中濃度が持続して腎障害が悪化するおそれがあります。また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがあります。慎重に投与してください。
■肝障害のある患者
肝障害のある患者は肝障害を悪化させるおそれがあります。慎重に投与してください。
■重症筋無力症の患者
重症筋無力症の患者は神経筋遮断作用があります。慎重に投与してください。
■経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者や全身状態の悪い患者
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者や全身状態の悪い患者は、ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与してください。
■高齢者への投与
高齢者は腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあります。また、第8脳神経障害、腎障害等の副作用があらわれやすいので慎重に投与してください。
■妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがあります。
■小児等への投与
低出生体重児、新生児では腎が発達段階にあるため血中濃度の半減期が延長して高い血中濃度が長時間持続するおそれがあります。投与間隔を延長するなど慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、トブラマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。 トブラマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・腎障害を起こすおそれのある血液代用剤(デキストラン、ヒドロキシエチルデンプンなど)
・ループ利尿剤(エタクリン酸、フロセミド(特に静注)、アゾセミドなど)
・腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤(バンコマイシン、エンビオマイシン、白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)など)
・麻酔剤
・筋弛緩剤(ツボクラリン、パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物、トルペリゾン、A型ボツリヌス毒素など)
・神経筋遮断作用を有する薬剤(コリスチンメタンスルホン酸ナトリウムなど)
・腎毒性を有する薬剤(シクロスポリン、アムホテリシンBなど)
上記を使用している方は、トブラマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。 トブラマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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