セフジニル

成分名

セフジニル

適応症状

表在性皮膚感染症/深在性皮膚感染症/リンパ管・リンパ節炎/外傷・熱傷及び手術創等の二次感染/咽頭・喉頭炎/扁桃炎/急性気管支炎/肺炎/膀胱炎/中耳炎 など

簡易説明

セフジニルは第三世代セファロスポリンに属する抗生物質です。
日本では第三世代セフェムと呼ばれることが多いです。
広い抗菌スペクトルをもっています。
1997年2月に米国で、1991年11月に日本で発売されました。
ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、インフルエンザ菌など幅広い細菌に対して効果があります。
一般名はセフジニル、先発医薬品の販売名はセフジニル50mgカプセル、セフジニル100mgカプセルです。
セフゾンという名前で発売されている薬もあります。

処方可能な診療科目

内科/整形外科/耳鼻咽喉科/小児科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料平均(内科)5,800円+薬局での費用約2,000円=7,800円(10割負担額)

厚生労働省による認可、または発売年月日

2008年11月発売開始

国内のジェネリック認可

あり(顆粒小児用のみ)2008年11月発売

関連製品(先発薬)

・東和薬品
 セフジニルカプセル100mg「トーワ」
 セフジニルカプセル50mg「トーワ」
・日医工
 セフジニルカプセル100mg「日医工」
 セフジニルカプセル50mg「日医工」
・長生堂製薬・日本ジェネリック
 セフジニルカプセル100mg「JG」
 セフジニルカプセル50mg「JG」
・武田テバ薬品
 セフジニルカプセル100mg「TYK」
 セフジニルカプセル50mg「TYK」
・陽進堂
 セフジニルカプセル100mg「YD」
 セフジニルカプセル50mg「YD」
・沢井製薬
 セフジニル錠100mg「サワイ」
 セフジニル錠50mg「サワイ」
・LTLファーマ
 セフゾンカプセル100mg
 セフゾンカプセル50mg
 セフゾン顆粒小児用10%

関連製品(ジェネリック)

セフゾン小児用顆粒はセフジニル顆粒小児用として後発医薬品(ジェネリック)になっています。セフゾンカプセルはセフジニルカプセルとして他の製薬会社からも発売されていますが、先発医薬品扱いになっています。

後発医薬品(ジェネリック)
・沢井製薬
 セフジニル顆粒小児用10%「サワイ」
・東和薬品
 セフジニル顆粒小児用10%「トーワ」
・長生堂製薬・日本ジェネリック
 セフジニル顆粒小児用10%「JG」
・陽進堂
 セフジニル顆粒小児用10%「YD」
・日医工
 セフジニル顆粒10%小児用「日医工」
・武田テバ薬品
 セフジニル顆粒10%小児用「TYK」

効果・作用

〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、アクネ菌
〈適応症〉
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎.

作用機序(薬が効く仕組み)
この薬は病気の原因となっている細菌を体の外に排出する抗生物質です。
細菌には細胞壁があり、この細胞壁の生成を止めなければ無限に増殖してしまいます。
細胞壁はペプチドグリカンと呼ばれる、N-アセチルグルコサミン・N-アセチルムラミン酸による糖鎖同士をアラニンやグルタミン酸によって結合されたもので出来ています。セフジニルは細胞壁の成分であるペプチドグリカンの合成に必要なペプチドグリカン合成酵素(PBP:ペニシリン結合タンパク質)の作用を阻害します。セフジニルがPBPと直接結合することで、細胞壁の合成がとまり、抗菌作用を示します。

1993年の研究で、口腔外科領域感染症に対する有効率が1日あたり300mg投与で90.4%、1日あたり600mg投与で92.1%。抗菌力に関しても、当時の経口セフェム剤の中で最も優れています。

しかし、近年、セフジニルを含む経口第3世代セフェム系抗菌薬は「DU(だいたいうんこ)」と呼ばれてしまい、経口第3世代セフェムの不要論が広がっています。大阪大学医学部附属病院感染制御部教授の朝野和典氏によれば、小児急性中耳炎の原因となる菌の過半数を占めるインフルエンザ菌に対しては抗菌作用を持っています。そして、第3世代セフェム系抗菌剤が有効とされる疾患は、インフルエンザ菌による中耳炎、副鼻腔炎の中程度以上、小児の溶連菌喉頭炎、インフルエンザ菌による小児の軽症肺炎、慢性気道感染症患者の急性増悪症例とされています。ただし前述した中耳炎、副鼻腔炎、喉頭炎以外は経口第3世代セフェム系抗菌薬の出番はほとんどありません。しかし日本国内では、急性上気道炎感染症(鼻咽頭炎、副鼻腔炎、咽頭炎、扁桃腺炎、喉頭炎、気管支炎)に対して、処方された薬の調査では、42.9%がセフェム系であり、その中で97.3%第3世代セフェム系抗菌薬です。よって適応症の範囲が限定的であるにもかかわらず、日本では不適切に多用されているといえます。
ここまでの話をまとめると、セフジニルを含む第3世代セフェム系抗菌薬は、有効な疾患が少ないのに、日本では多くの感染症に対して不適切に処方されているため、不要なのではとの論争が広がっています。

使用方法

・セフジニル錠、セフジニルカプセル、セフゾンカプセル
成人に対して1回100mgを1日3回経口投与する。

・セフジニル細粒小児用10%
1日量9〜18mg/kgを3回に分割して経口投与する。

年齢、症状により適宜増減しますので、医師、薬剤師の指示に従って服用してください。

副作用

副作用の項目に関してはいずれも頻度不明です(日医工調べ)
製薬会社調べでは副作用は頻度不明となっていますが、1993年発表の論文には4%ほどの割合で副作用が発生するとのデータがありました。
ただし日本での承認以前のデータなので現在は改善されている可能性があります。

重大な副作用
・ショック
・アナフィラキシー
・皮膚障害
・血液障害
・大腸炎
・間質性肺炎
・腎障害
・劇症肝炎、肝機能障害

その他の副作用
・過敏症(発疹・発熱など)
・血液(好酸球増多・顆粒球減少)
・腎臓(BUN:尿素窒素上昇)
・消化器(下痢・腹痛・嘔吐・食欲不振など)
・菌交代症(口内炎・カンジダ症など)
・ビタミン欠乏症(ビタミンK・B群欠乏症状)
・その他(めまい・頭痛など)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

報告はありません。

上記にあてはまる方は、セフジニルを使用する事が出来ない可能性があります。
セフジニルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・鉄剤・・・セフジニルの吸収が10分の1まで減少します
・ワルファリンカリウム(ワーファリン錠など)・・・ワルファリンカリウムの作用を増大するおそれがあります。
・アルミニウム・マグネシウム配合の制酸剤(マグミット錠・酸化マグネシウム錠・乾燥水酸化アルミニウムゲルなど)・・・セフジニルの吸収が低下し、効果が弱まるおそれがあります。

上記を使用している方は、セフジニルを使用する事が出来ない可能性があります。
セフジニルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
保存はどうすればいいですか?

湿気を避けて室温で保存してください。

セフジニルのジェネリック(後発医薬品)はありますか?

成人用に関してはありませんが多くの製薬会社から発売されています。1錠40〜50円前後です。小児用の顆粒についてはと調剤報酬上の後発医薬品が存在します。価格は先発医薬品のセフゾン顆粒小児用10%から30円ほど安い1包47.70円です。

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