成分名 |
プルリフロキサシン |
適応症状 |
かぜ、各種感染症など |
簡易説明 |
スオード錠100(以下、本剤)は日本新薬株式会社で開発されたプロドラッグ(*)型のキノロン系の合成抗菌薬です。本剤は、グラム陽性菌、グラム陰性菌(緑膿菌を含む)に対する幅広い抗菌スペクトルが確認されています。
国内の各種臨床試験で、呼吸器感染症、尿路感染症、感染性腸炎、胆嚢炎、胆管炎などの感染症に対して有効性が確認されています。
(*)プロドラッグとは体内で代謝された後の化合物が活性を持つ薬。本剤では、プルリフロキサシンが体内でulifloxacinnに代謝され活性本体になります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/皮膚科/呼吸器内科/耳鼻科/泌尿器科/産婦人科など |
健康保険の適応 |
(適応菌種)
本剤の活性本体(ulifloxacin)に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ属(チフス菌、パラチフス菌を除く)、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、コレラ菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、ペプトストレプトコッカス属
(適応症)
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿腫、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、コレラ、子宮内感染、子宮付属器炎、麦粒腫、中耳炎、副鼻腔炎 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:2,060円(1日4錠×7日分)
※抗菌薬は必要最低限の期間期間となるため、7日分が処方されない場合もあります。
薬代1錠あたりの目安:73.50円
薬代後発品1錠の目安:後発品なし
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2002年12月6日 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
スオード錠100【製薬メーカー:Meiji Seikaファルマ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
2022年3月現在、タイで販売されています。
(製品名:DARFLOX、製薬メーカー:Thai Meiji) |
効果・作用 |
本剤は細菌のDNAの複製に関わる酵素を阻害することで細菌の増殖を抑え殺菌作用を示します。その殺菌力はグラム陽性菌、グラム陰性菌に幅広く示されていて、特に、緑膿菌、セラチア・マルセッセンス、エンテロバクター属等のグラム陰性菌に対して強い抗菌力を示すことが確認されています。試験管内で確認されたこれらの抗菌力は動物実験(マウス)で生体内でも生菌数が有意に減少することが確認されました。
この抗菌スペクトルによる各種感染症への治療効果は各種臨床試験で確認されています(有効率)。
・皮膚科領域感染症(表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症):95.2%(220/231)
・外科領域感染症(校門周囲膿瘍、外傷・熱傷・手術創等の二次感染):86.4%(70/81)
・呼吸器感染症(急性上気道感染症群、慢性呼吸器病変の二次感染、肺炎):89.1%(807/906)
・尿路感染症(腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎):81.1%(606/747)
・胆道感染症(胆嚢炎、胆管炎):90.0%(27/30)
・感染性腸炎(感染性腸炎、細菌性赤痢、サルモネラ症、コレラ):98.1%(53/54)
・産婦人科領域感染症(内性器感染症):96.4%(80/83)
・眼科領域感染症(麦粒腫):93.3%(28/30)
・耳鼻科領域感染症(中耳炎、副鼻腔炎):79.4%(112/141)
合計:87.0%(2,003/2,303) |
使用方法 |
1回2錠を1日2回飲みます。症状により使用量は増減しますが、1日最大用量は3錠です。
※肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染には1回3錠を1日2回飲みます。 |
副作用 |
主な副作用
副作用発現率:1.01%(35件/3,076例)※試用成績調査
主な副作用:下痢、悪心、発疹等
重大な副作用
・ショック:冷汗が出る、めまい、顔面蒼白、手足が冷たくなる、意識の消失
・アナフィラキシー:全身のかゆみ、蕁麻疹、喉のかゆみ、ふらつき、動悸、息苦しい
・中毒性表皮壊死融解症:皮膚が広い範囲で赤くなり破れやすい水ぶくれが多発、発熱、粘膜のただれ
・皮膚粘膜眼症候群:発熱、目の充血やただれ、唇や口内のただれ、円形の斑の辺縁部にむくみによる環状の隆起を伴ったものが多発する
・多型紅斑:円形の斑の周縁部にむくみによる環状の隆起を伴ったものが多発する、発熱、関節や喉の痛み
・横紋筋融解症:手足のこわばり・しびれ、脱力感、筋肉の痛み、尿が赤褐色になる
・間質性肺炎:咳、息切れ、息苦しい、発熱
・低血糖:お腹がすく、冷汗が出る、血の気が引く、疲れやすい、手足のふるえ、けいれん、意識の低下
・大動脈瘤:声がれ、食べ物や水が上手く飲み込めずむせる、息苦しい、食べ物が飲み込みにくい、胸の痛み、背中の痛み、腹痛
・大動脈解離:激しい胸や背中の痛み、激しい腹痛
・アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害:アキレス腱の痛み・はれ、歩行障害
・せん妄、記憶障害等の精神症状:軽度の意識混濁、興奮状態、幻覚、妄想、新たなことを覚えられない、物忘れをする
・汎血球減少:めまい、鼻血、耳鳴り、歯ぐきの出血、息切れ、動悸、青あざができる、出血しやすい、発熱、寒気、喉の痛み
・無顆粒球症:突然の高熱、寒気、喉の痛み
・溶血性貧血:体がだるい、めまい、息切れ、白目や皮膚が黄色くなる、尿の色が濃くなる
・血小板減少:出血、歯ぐきの出血、青あざができる、出血が止まりにくい
・急性腎障害等の重篤な腎障害:尿量が減る、むくみ、体がだるい、高血圧
・肝機能障害;疲れやすい、体がだるい、力が入らない、吐き気、食欲不振
・黄疸:白目や皮膚が黄色くなる、尿の色が濃くなる、体がかゆくなる
・心室頻脈:めまい、動悸、胸の不快感、気を失う
・QT延長:めまい、動悸、気を失う
・偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎:腹痛、血の混ざったゆるい便がでる、緩い便がでる、発熱、頭痛、吐き気、冷汗がでる、顔面蒼白、手足が冷たくなる、お腹が張る、激しい腹痛、下痢、嘔吐、便に血が混じる(鮮紅色~暗赤色)
・痙攣:顔や手足の筋肉がぴくつく、一時的にボーっとする、意識の低下、手足の筋肉が硬直してガクガクと震える
・血管炎:発熱、手足のしびれ、皮下出血によるあざ、皮膚の潰瘍
・重症筋無力症:まぶたが重い、まぶたが下がる、物が二重に見える、筋肉の疲労感、食べ物が飲み込めない
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■妊婦または妊娠している可能性のある女性、小児
安全性が確立していない為、服用できません。
■フェンブフェン、フルルビプロフェン アキセチル、フルルビプロフェンを飲んでいる方
本剤による痙攣誘発の可能性を高めることが知られています。
■本剤及びプルリフロキサシンを配合した医薬品の添加物にアレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、スオードはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼スオードの有効成分
プルリフロキサシン
▼スオードの添加物
乳糖水和物、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、ヒプロメロース、プロピレングリコール、酸化チタン、タルク、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ、香料、バニリン
※耐性菌発現を防ぐため、本剤は治療上必要な最小限に期間の投与にとどめられます。
使用に注意が必要な方 ・痙攣性疾患(てんかん等)の方(過去に罹患した方を含む):けいれんをおこすおそれがあります。
・重症筋無力症の方:症状を悪化させることがあります。
・大動脈瘤・大動脈解離の方(過去にした方、家族が罹患した方、リスク因子:マルファン症候群等のある方を含む):海外で大動脈瘤、大動脈解離が増加したとの報告があります。
・高度の腎機能障害のある方:本剤の高い血中濃度が持続するおそれがあります。
・授乳婦:動物実験で乳汁への移行が報告されています。
・小児:動物実験で関節異常が認められています。
・高齢者:腱障害があらわれやすいとの報告があります。また、動物実験の結果から、高い血中濃度が維持するおそれがあります。
上記にあてはまる方は、プルリフロキサシンを使用する事が出来ない可能性があります。 プルリフロキサシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・テオフィリン、アミノフィリン水和物等:テオフィリンの血中濃度を増加させ、その作用を増強させることがあります。
・フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤:痙攣をおこすおそれがあります(※フェンブフェンは併用禁忌薬)。
・アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸剤、鉄剤、カルシウム含有製剤:本剤の効果が減弱するおそれがあるため、これらの薬は本剤投与後2時間以上間隔を空けます。
・H2受容体拮抗剤、プロトンポンプ阻害剤:本剤の効果が減弱するおそれがあります。
・副腎皮質ホルモン剤:腱障害のリスクが増大するとの報告があります。
上記を使用している方は、プルリフロキサシンを使用する事が出来ない可能性があります。 プルリフロキサシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 フェンブフェン、フルルビプロフェン アキセチル、フルルビプロフェン:【使用出来ない方】の項参照
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
プルリフロキサシンに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
プルリフロキサシン(スオード 添付文書、インタビューフォーム) 【PMDA 医療用医薬品 情報検索】
スオード錠100 【PMDA 患者向医薬品ガイド】 |
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