成分名 |
セフチゾキシムナトリウム |
適応症状 |
急性気管支炎/肺炎/慢性呼吸器病変の二次感染/膀胱炎/腎盂腎炎 など |
簡易説明 |
本剤は細菌の細胞壁合成を阻害し、細菌を殺すことで抗菌作用をあらわすものです。
細胞壁という防御壁をもつ細菌は、これがないと生きることができません。
細菌の細胞壁合成に深く関わるペニシリン結合タンパク質(PBP)というものがあり、本剤は細菌のPBPに作用し、細胞壁合成を阻害することで細菌を殺す作用をあらわします。
※本剤はセフェム系の抗生物質で、当初は注射製剤として開発されましたが、現在では小児用の坐剤のみが製造されています。 |
処方可能な診療科目 |
耳鼻咽喉科/呼吸器内科/泌尿器科/内科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
薬価(1個あたり)
エポセリン坐剤250:314.1円
エポセリン坐剤125:233.1円 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1986年10月1日 |
国内のジェネリック認可 |
- |
関連製品(先発薬) |
エポセリン坐剤250【製薬会社:長生堂製薬】
エポセリン坐剤125【製薬会社:長生堂製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
- |
効果・作用 |
本剤は細菌の細胞壁合成を阻害し、細菌を殺すことで抗菌作用をあらわします。
1.抗菌作用
(1)抗菌スペクトルはグラム陽性菌、グラム陰性菌の広範囲にわたっており、特にグラム陽性球菌ではレンサ球菌属、肺炎球菌、グラム陰性桿菌では大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌等に対して強い抗菌力を示すほか、シトロバクター属、エンテロバクター属、セラチア属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属及びプレボテラ・メラニノジェニカを含む嫌気性菌に対しても優れた抗菌力を示します。作用形式は殺菌的です。
(2)各種細菌の産生するβ‐lactamaseに安定で、β‐lactamase産生菌にも優れた抗菌力を示します。
2.作用機序
作用機序は細菌細胞壁の合成阻害であり、ペニシリン結合蛋白(PBP)の1bに最も強い親和性を有し、次いで1a、3です。また、グラム陰性菌の外膜透過性は良好です。 |
使用方法 |
・通常、小児は1日主成分として体重kgあたり20~70mg(力価)を3~4回に分けて肛門内に挿入します。ただし、年齢・症状により適宜増減されます。
・【エポセリン坐薬250】は1個中に主成分250mg(力価)、【エポセリン坐薬125】は1個中に主成分125mg(力価)を含有します。必ず指示された使用方法に従ってください。
・本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめるようにします。
・高度腎障害のある患者では血中濃度が持続するので、腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用します。
・決して飲んではいけません。出来る限り排便後に使用してください。
・使い忘れた場合は、気付いた段階で、なるべく早く1回分を使ってください。ただし、次の通常使う時間が近い場合は1回飛ばして、次の通常の使用時間に1回分を使うようにします。決して2回分を一度に使用しないでください。
・誤って多く使った場合は、医師または薬剤師に相談してください。
・医師の指示なしに、自分の判断で使うのを止めないでください。 |
副作用 |
主な副作用
下痢 、腹痛 、 蕁麻疹 、 好酸球増多 、 紅斑 、 過敏症 、 発疹 、 そう痒 、 顆粒球減少 、 排便感 、 局所疼痛
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー、血液障害、肝障害、腎障害、大腸炎、間質性肺炎、PIE症候群
■重大な副作用の詳細及び対処■
・ショック:ショック(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
・アナフィラキシー:アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
・血液障害:汎血球減少(0.1%未満)、無顆粒球症 (0.1%未満、初期症状:発熱、咽頭痛、頭痛、倦怠感 等)、溶血性貧血(0.1%未満、初期症状:発熱、ヘモグロビン尿、貧血症状等)、血小板減少(0.1%未満、初期症状:点状出血、紫斑等)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、 異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置 を行うこと。
・肝障害:黄疸(0.1%未満)、AST(GOT)、ALT (GPT)、Al-Pの上昇(各0.1~5%未満)等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止 し、適切な処置を行うこと。
・腎障害:急性腎障害等の重篤な腎障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うな ど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
・大腸炎:偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎 (0.1%未満)があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
・間質性肺炎、PIE症候群:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群(各0.1%未満)等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止 し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う こと。
その他の副作用
貧血 、 リンパ腺腫脹 、 しびれ 、 悪心 、 嘔吐 、 菌交代症 、 口内炎 、 カンジダ症 、 ビタミンK欠乏症状 、 低プロトロンビン血症 、 出血傾向 、 ビタミンB群欠乏症状 、 舌炎 、 食欲不振 、 神経炎 、 局所糜爛
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 (1)使用してはいけない場合
本剤の成分に対するアレルギーの前歴
使用に注意が必要な方 (1)特に慎重に服用すべき場合(原則禁忌、処方医と連絡を絶やさないこと)
セフェム系抗生物質(セフェム系抗生物質)に対するアレルギーの前歴
(2)慎重に使用すべき場合
ペニシリン系抗生物質(グラム陽性菌用ペニシリン)(広域感性ペニシリン)に対するアレルギーの前歴/本人・両親・兄弟に気管支ぜんそく、発疹、じん麻疹などのアレルギー症状をおこしやすい体質を有する人/高度の腎機能障害/経口摂取の不良な人、非経口栄養の人、全身状態の悪い人
(3)その他
低出生体重児、新生児での安全性:未確立。
上記にあてはまる方は、セフチゾキシムナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 セフチゾキシムナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 【ワルファリンカリウム】
ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがあります。ただし、本剤に関する症例報告はありません。腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがあります。
【利尿剤(フロセミド等)】
腎障害が増強されるおそれがあります。機序は明らかではありませんが、他のセフェム系抗生物質、腎障害が増強されるとの報告があります。
〇上記以外
【血圧降下剤】エプレレノン/エサキセレノン/インダパミド/テルミサルタン 等
【ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む。)】トルバプタン 等
上記を使用している方は、セフチゾキシムナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 セフチゾキシムナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 報告はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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