サラゾスルファピリジン

成分名

サラゾスルファピリジン

適応症状

〈腸溶錠(EN錠)〉
関節リウマチ
〈素錠〉
潰瘍性大腸炎/限局性腸炎/非特異性大腸炎

簡易説明

腸の炎症をしずめる医薬品です。通常、潰瘍性大腸炎やクローン病に用います。また、腸溶錠(EN錠)は関節リウマチに適応します。
サラゾスルファピリジン製剤には、素錠と腸溶錠(EN錠)があります。素錠は潰瘍性大腸炎治療薬として、腸溶錠は抗リウマチ薬として使用します。保険適応上では、素錠をリウマチに使用したり、腸溶錠を潰瘍性大腸炎に使用したりすることはできません。
サラゾスルファピリジンは、アザルフィジンという商品名で抗リウマチ薬として使用されてるものと、
サラゾピリンという商品名で潰瘍性大腸炎治療薬として使用されているものがあります。

処方可能な診療科目

内科/リウマチ科/胃腸科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~5000円程度
新薬1錠あたりの目安:250mg24.4円(薬価)【腸溶錠】
新薬1錠あたりの目安:500mg37.0円(薬価)【腸溶錠】
新薬1錠あたりの目安:500mg12.7円(薬価)【素錠】
後発薬1錠あたりの目安:250mg11.6円円(薬価)【腸溶錠】
後発薬1錠あたりの目安:500mg17.6円円(薬価)【腸溶錠】
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

アザルフィジンEN錠 2002年8月【発売開始】
サラゾピリン錠 2009年1月【発売開始】

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

アザルフィジンEN錠250mg 【製薬メーカー:あゆみ製薬】
アザルフィジンEN錠500mg 【製薬メーカー:あゆみ製薬】
サラゾピリン錠500mg【製薬メーカー:ファイザー】

関連製品(ジェネリック)

サラゾスルファピリジン腸溶錠250mg「CH」/サラゾスルファピリジン腸溶錠500mg「CH」/サラゾスルファピリジン腸溶錠250mg「SN」/サラゾスルファピリジン腸溶錠500mg「日医工」/サラゾスルファピリジン錠500mg「日医工」/サラゾスルファピリジン錠500mg「JG」/サラゾスルファピリジン錠500mg「タイヨー」/サラゾスルファピリジン腸溶錠500mg「テバ」/サラゾスルファピリジン腸溶錠500mg「武田テバ」/サラゾスルファピリジン腸溶錠500mg「SN」

効果・作用

サラゾスルファピリジンは、抗炎症作用をもつメサラジン(5-ASA)とサルファ剤(抗菌薬)のスルファピリジンがくっついた構造をしています。大腸内で腸内細菌により分解されるメサラジン(5-ASA)の抗炎症作用に基づき大腸炎に効果があります。一方、分解されずに体内に吸収される未変化体のサラゾスルファピリジンは、その免疫調節作用により抗リウマチ作用を発揮するものと考えられます。
炎症性腸疾患の寛解導入または維持療法薬として有用です。ただ、大腸に到達してからメサラジン(5-ASA)に分解されるので、小腸の病変には向いていません。クローン病の小腸病変の場合は、類似薬のメサラジン(ペンタサ)が有用です。

サラゾスルファピリジンは、リウマチ治療薬としては、疾患修飾性抗リウマチ薬のうちの免疫調節薬のひとつです。免疫調整薬は、正常な免疫能に影響することなく抗リウマチ作用を発揮します。すべての免疫機能を非特異的に抑制する免疫抑制薬とは異なり、感染症の心配はまずないと言えます。副作用も比較的少ないです。なので関節リウマチの初期治療薬として用いられることが多いです。

腸溶錠は異常な免疫反応を調整して、免疫グロブリンやサイトカイン(cytokine)などの物質の産生を抑えることで関節リウマチの進行を抑えたり症状を緩和する抗リウマチ作用をあらわします。発症早期からの投与が推奨されているが、投与開始から効果があらわれるまで日数を要し、薬剤によっては数週間〜数ヶ月かかる場合もあります。また、薬剤の効果に個人差が出たり長期投与によって効果の減弱が生じる場合もあります。
■有効成分であるサラゾスルファピリジンは、長い間、潰瘍性大腸炎やクローン病など炎症性腸疾患の治療に用いられてきましたが。その後、腸溶製剤が開発されてからは、関節リウマチにも適応が拡大されました。副産物の「スルファピリジン」による副作用がやや多いのが欠点ですが、双方の病状にかなりよく効果があります。
■抗リウマチ薬は、疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)とも呼ばれています。抗リウマチ薬は免疫調節薬、免疫抑制薬、生物学的製剤の3つに分類されます。
■サラゾスルファピリジンは、免疫調整薬のひとつです。
■疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)
DMARD(disease-modifying antirheumatic drug)は、病気の本態をコントロールするという意味で疾患修飾性抗リウマチ薬と呼ばれています。関節リウマチにおいて炎症を起こす原因と考えられている免疫異常などをコントロールすることが期待されます。

使用方法

〈一般〉
1日サラゾスルファピリジンとして2〜4gを4〜6回に分服する。
症状により初回毎日サラゾスルファピリジンとして8gを用いても差しつかえない。
この場合3週間を過ぎれば次第に減量し、1日サラゾスルファピリジンとして1.5〜2gを服用する。
ステロイド療法を長期間継続した症例については、サラゾスルファピリジンとして2gを併用しながら、徐々にステロイドを減量することが必要である。
〈腸溶錠〉
本剤は、消炎鎮痛剤などで十分な効果が得られない場合に使用する
サラゾスルファピリジンとして1日投与量1gを朝食及び夕食後の2回に分割経口投与する

副作用

主な副作用
サラゾスルファピリジンには、副作用が起こる可能性があります。
サラゾスルファピリジンを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
〈腸溶錠〉
発疹/悪心/嘔吐/腹痛/発熱/胃不快感/そう痒感/浮腫/口内炎/食欲不振/腫脹
〈素錠〉
過敏症/腫脹/AST上昇/GOT上昇/ALT上昇/GPT上昇/顆粒球減少/白血球減少/免疫グロブリン減少/尿路結石/浮腫

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
〈腸溶錠〉
血小板減少/貧血/無顆粒球症/溶血性貧血/巨赤芽球性貧血/葉酸欠乏/中毒性表皮壊死融解症/Toxic Epidermal Necrolysis/TEN/過敏症症候群/伝染性単核球症様症状/感冒様症状/リンパ節腫脹/肝機能障害/肝腫/白血球増加/好酸球増多/異型リンパ球出現/遅発性の重篤な過敏症状/PIE症候群/線維性肺胞炎/咳嗽/喀痰 /呼吸困難/呼吸器症状/急性腎障害/ネフローゼ症候群/間質性腎炎/消化性潰瘍/出血/穿孔/S状結腸穿孔/脳症/意識障害/痙攣/無菌性髄膜炎/無菌性髄膜脳炎/頚部硬直 /項部硬直/頭痛/意識混濁/心膜炎/胸膜炎/胸部痛/胸水/SLE様症状 /劇症肝炎/黄疸/肝不全/ショック/アナフィラキシー/血圧低下/再生不良性貧血/汎血球減少症/ 播種性血管内凝固症候群/DIC/皮膚粘膜眼症候群/Stevens−Johnson症候群/紅皮症型薬疹/間質性肺炎/薬剤性肺炎/肝炎/著しいAST上昇/著しいALT上昇
〈素錠〉
再生不良性貧血/貧血/汎血球減少症/無顆粒球症/血小板減少/溶血性貧血/巨赤芽球性貧血/葉酸欠乏/播種性血管内凝固症候群/DIC/中毒性表皮壊死融解症/Toxic Epidermal Necrolysis/TEN/皮膚粘膜眼症候群/Stevens−Johnson症候群/紅皮症型薬疹/過敏症症候群/伝染性単核球症様症状/発疹/発熱/感冒様症状/リンパ節腫脹/肝機能障害/肝腫/白血球増加/好酸球増多/異型リンパ球出現/遅発性の重篤な過敏症状/間質性肺炎/薬剤性肺炎/PIE症候群/線維性肺胞炎/咳嗽/喀痰/呼吸困難/呼吸器症状/急性腎障害/ネフローゼ症候群/間質性腎炎/消化性潰瘍/出血/穿孔/S状結腸穿孔/脳症/意識障害/痙攣/無菌性髄膜炎/無菌性髄膜脳炎/頚部硬直/項部硬直/頭痛 /悪心/嘔吐/意識混濁/心膜炎/胸膜炎/胸部痛/胸水/SLE様症状/劇症肝炎/肝炎/黄疸/著しいAST上昇/著しいALT上昇/肝不全/ショック/アナフィラキシー/血圧低下
◇◇
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
〈腸溶錠〉
AST上昇/GOT上昇/ALT上昇/GPT上昇/白血球減少/免疫グロブリン減少/顆粒球減少/蛋白尿/BUN上昇/血尿/糖尿/脱毛/便秘/腹部膨満感/下痢/口唇炎/胸やけ/舌炎/口渇/顔面潮紅/紅斑/蕁麻疹/末梢神経炎/眩暈/うとうと状態/ 耳鳴/倦怠/味覚異常/心悸亢進/筋肉痛/胸痛/関節痛/嗅覚異常/過敏症/尿路結石/膵炎/口腔咽頭痛/光線過敏症/血清病/抑うつ/精子数の可逆的な減少/精子運動性の可逆的な減少
〈素錠〉
糖尿/蛋白尿/BUN上昇/血尿/脱毛/食欲不振/腹部膨満感/口内炎/口唇炎/舌炎/腹痛/胃不快感/胸やけ/膵炎/口渇/便秘/下痢/口腔咽頭痛/そう痒感/光線過敏症/血清病 /紅斑/顔面潮紅/蕁麻疹/末梢神経炎/うとうと状態/眩暈/耳鳴/抑うつ/精子数の可逆的な減少/精子運動性の可逆的な減少/倦怠感/胸痛/筋肉痛/関節痛/心悸亢進/味覚異常 /嗅覚異常

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・過敏症
・新生児(低出生体重児を含む)
・妊婦・産婦
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
本剤成分又は含有成分で過敏症の既往歴のある方

使用に注意が必要な方
【慎重投与】
・肝障害
・気管支喘息
・急性間欠性ポルフィリン症
・グルコース−6−リン酸脱水素酵素<G−6−PD>欠乏
・血液障害
・腎障害
・薬物に対し過敏症
・妊婦・産婦
・授乳婦
・高齢者

上記にあてはまる方は、サラゾスルファピリジンを使用する事が出来ない可能性があります。
サラゾスルファピリジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・スルホニルアミド系経口糖尿病用剤
・スルホニルウレア系経口糖尿病用剤
・クマリン系抗凝血剤
・葉酸
・ジゴキシン
・アザチオプリン
・メルカプトプリン
【飲食物との併用注意】
・葉酸を含むもの<酵母/海苔/パセリ/レバー/緑茶など>

上記を使用している方は、サラゾスルファピリジンを使用する事が出来ない可能性があります。
サラゾスルファピリジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
たばこを吸ってても大丈夫ですか?

吸わないでいけるなら吸わない方がいいです。喫煙は末梢の血流も悪くします。 関節リウマチは原因はまだ究明されていませんが、ある研究結果では特殊な遺伝子をもつ人が喫煙をすることで関節リウマチが発症するということがわかってきました。

食べ物で気をつけるものはありますか?

葉酸を含むものが併用注意とされています。酵母、海苔、パセリ、レバー、緑茶などです。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。