ラスクフロキサシン塩酸塩

成分名

ラスクフロキサシン塩酸塩

適応症状

【適応菌種】
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、プレボテラ属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)

【適応症】
<錠剤>
咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、
急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎
<点滴静注>
肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染

簡易説明

細菌の増殖に必要な酵素を阻害して殺菌的に作用するキノロン系の抗菌剤です。
通常、呼吸器感染症と耳鼻咽喉科感染症の治療に用いられます。
低い血中濃度ながらも、口腔レンサ球菌や嫌気性菌に対して良好な活性を示します。
海外では、本剤が承認されている国または地域はありません(2022年3月時点)
錠剤と点滴静注が存在します。

処方可能な診療科目

耳鼻咽喉科/呼吸器内科/内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約2000円~10000円程度
薬代1錠あたりの目安:
75mg1錠あたり 334.5円(薬価)
点滴静注150mg1キット(希釈液付) 3999円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2020年 1月【発売開始年月日】

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

ラスビック錠75mg【製薬メーカ:杏林製薬】
ラスビック点滴静注キット150mg【製薬メーカ:杏林製薬】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

ラスビックは、呼吸器・耳鼻咽喉科領域の感染症の新たな治療薬として、2019年9月杏林製薬㈱が創製した新らしいキノロン系合成抗菌薬です。
「咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎」に適応しています。肺・耳鼻咽喉科組織への移行性が高く、これら領域に限って適応を取得しています。

細菌のⅡ型トポイソメラーゼ(DNAジャイレース、およびトポイソメレースⅣ)を阻害することで、細菌のDNA複製が途中で停止し、殺菌的に作用します。

■キノロン系抗菌剤とは
4-キノロン骨格を持ち、DNAジャイレースを阻害することで細菌の増殖を妨げる抗菌薬の総称です。
第一世代をオールドキノロン、第二世代をニューキノロン(フルオロキノロン)と呼びます。
オールドキノロンは、主に尿路感染症にしか使用できませんでしたが、改良を重ねられたニューキノロン(フルオロキノロン)は、適応菌種や組織移行性を増やしていき、肺などの呼吸器感染症に対しても使用できるようになりました。
その結果、肺呼吸器系への移行性が高く、ペニシリン耐性肺炎球菌を含む主要な呼吸器感染症起炎菌に対する抗菌活性を強めた、レスピラトリーキノロン薬が開発されるようになりました。
ラスクフロキサシン(ラスビック錠)もレスピラトリーキノロンに分類されます。

■ラスビックは、2007年発売のジェニナック錠(ガレノキサシン)、2008年発売のグレースビット錠(シタフロキサシン)以来12年ぶりのニューキノロン系合成抗菌薬です。
2020年11月27日、同じ成分のニューキノロン系注射用抗菌剤「ラスビック点滴静注キット150mg」(一般名:ラスクフロキサシン塩酸塩)が承認されました。

■ニューキノロン系抗菌薬
ジェニナック
アベロックス
オゼックス
シプロキサン
クラビット

使用方法

<錠剤>
通常、成人に対して、ラスクフロキサシンとして1回75mgを1日1回経口投与する。
<点滴静注>
通常、成人にはラスクフロキサシンとして、
投与初日に300mg を、投与2日目以降は150mg を1日1回点滴静注する。

副作用

主な副作用
ラスクフロキサシン塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
ラスクフロキサシン塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
■ラスクフロキサシン塩酸塩の注意すべき副作用
白血球減少症/間質性肺炎/発熱/咳嗽/胸部X線異常/好酸球増多/下痢/悪心/好酸球数増加 /白血球数減少
■ラスクフロキサシン塩酸塩の主な副作用
下痢/悪心/好酸球数増加/白血球数減少/皮膚そう痒症/発疹/γ-GTP上昇/頭痛/血中インスリン増加/尿中蛋白陽性

重大な副作用
白血球減少症/間質性肺炎/発熱/咳嗽/胸部X線異常/好酸球増多/ショック/アナフィラキシー/呼吸困難/血圧低下/ 浮腫/発赤/ QT延長/心室頻拍/Torsades de pointes/低血糖/偽膜性大腸炎/血便/ 重篤な大腸炎/ 腹痛/ 頻回の下痢/アキレス腱炎/腱断裂/腱障害/腱周辺の痛み/肝機能障害/AST上昇/ALT上昇/横紋筋融解症/筋肉痛/脱力感/CK上昇/血中ミオグロビン上昇/尿中ミオグロビン上昇/急激な腎機能悪化/ 痙攣/錯乱/せん妄/精神症状/重症筋無力症悪化/大動脈瘤/大動脈解離
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
◇◇
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・過敏症
・妊婦・産婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児

使用に注意が必要な方
・虚血性心疾患
・痙攣性疾患
・重症筋無力症
・重篤な心疾患
・てんかん
・不整脈
・大動脈瘤
・中等度以上の肝機能障害
・大動脈解離
・マルファン症候群
・大動脈解離のリスク因子を有する
・大動脈瘤のリスク因子を有する
・授乳婦
【慎重投与】
・高齢者

上記にあてはまる方は、ラスクフロキサシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ラスクフロキサシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
チアジド系利尿剤
ループ系利尿剤
糖質副腎皮質ホルモン剤
ACTH
グリチルリチン製剤
フェニル酢酸系、プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤:
フルルビプロフェン等
リファンピシン/フェニトイン/カルバマゼピン
副腎皮質ホルモン剤(経口剤及び注射剤):
プレドニゾロン/ヒドロコルチゾン等
〈食べ物との併用注意〉
アルミニウムを含むもの
カルシウムを含むもの<干しえび、バジル、煮干し、牛乳、乳製品 など>
マグネシウムを含むもの<海苔、わかめ、バジル、昆布、ひじき など>
亜鉛を含むもの<かき、小麦、あわび、パプリカ、からすみ など>
鉄分を含むもの<バジル、海苔、あゆ、ひじき、あさり など>
ミネラル入りのビタミンを含むもの

上記を使用している方は、ラスクフロキサシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ラスクフロキサシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
クラスIA抗不整脈薬:
キニジン/プロカインアミド(アミサリン)等
クラスIII抗不整脈薬:
アミオダロン(アンカロン)/ソタロール(ソタコール)等

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
扁桃炎になり、ラスビックとテザレックスとトラネキサム酸を処方されました。
喘息持ちの為、現在、咳のしすぎで咳喘息になり掛けてます。
咳止めのブロンが家にあるのですが、併用して飲んでも大丈夫でしょうか?

ブロンには、リンコデや抗ヒスタミン薬が配合されています。
気管支喘息の発作時にはリンコデは禁忌となります。
また、抗ヒスタミン薬が重複しますので、ブロンは併用しない方が良いです。

既存のニューキノロン系抗菌剤との違いはなんですか?

ラスビックは、薬剤耐性(AMR)問題への対応に鑑み、肺炎などの治療に優れた効果を持ちつつ、副作用ならびに耐性菌発現リスクを低減することを目的に開発されております。そのため、少ない投与量でも感染組織における有効な薬剤濃度を維持し、高い治療効果を示すという特徴をもっています。また、適応が呼吸器感染症および耳鼻咽喉科領域感染症に限定されております。
作用機序はDNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣの阻害であって、既存のニューキノロン系抗菌剤と変わりないものの、両酵素を同程度阻害することから既存のニューキノロン系抗菌剤と比べて耐性菌を作りにくいことも期待されております。

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