成分名 |
イミペネム |
適応症状 |
外傷の二次感染/角膜炎/角膜潰瘍/関節炎/感染性心内膜炎/肝膿瘍/急性気管支炎/眼内炎/子宮内感染/骨髄炎/子宮付属器炎/子宮旁結合織炎/手術創の二次感染/腎盂腎炎/全眼球炎/胆管炎/胆嚢炎/熱傷の二次感染/膿胸/肺炎/敗血症/肺膿瘍/バルトリン腺炎/腹膜炎/膀胱炎/慢性呼吸器病変の二次感染/前立腺炎<急性症>/前立腺炎<慢性症>など |
簡易説明 |
細菌の細胞壁の合成を阻害して殺菌作用を示し、細菌による感染症を治療するカルバペネム系抗生物質です。
通常、呼吸器感染症、尿路感染症や婦人科領域感染症など広い範囲の感染症の治療に使用されています。
このカルバペネム系抗生物質イミペネムに、Ⅰ阻害剤であるシラスタチンを 1:1 の割合で配合した注射用抗生物質製剤です。 |
処方可能な診療科目 |
内科、呼吸器内科、婦人科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約1000円~3000円程度
【薬価】
新薬1瓶あたりの目安:チエペネム点滴静注用0.25g/856円 チエペネム点滴静注用0.5g/1,091円(薬価)
後発薬1瓶あたりの目安:チエペネム点滴静注用0.25g/722円 チエペネム点滴静注用0.5g/892円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2005年10月発売※チエペネム点滴静注用の場合 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
チエペネム点滴静注用0.25g チエペネム点滴静注用0.5g(MSD) |
関連製品(ジェネリック) |
日医工、サンド、武田テバフォーマ、シオノケミカル |
効果・作用 |
チエペネム点滴静注用は、イミペネムとシラスタチンナトリウムと合わせた点滴静注用の薬品となります。
感性のブドウ球菌属、緑膿菌、シトロバクター属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、大腸菌、インフルエンザ菌クレブシエラ属、セラチア属、アシネトバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、シュードモナス属、バークホルデリア・セパシア、ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属、エンテロバクター属、バクテロイデス属など、さまざまな多剤耐性菌に対して優れており、細菌の細胞壁合成を阻害し抗菌作用をあらわす薬です。
イミペネムと同配分で配合されるシラスタチンナトリウムは、イミペネムの代謝・不活化を抑制するのみならず、動物実験ではイミペネムの腎毒性をも抑制したという研究結果があります。
なお、シラスタチンナトリウムには抗菌活性が認められておらず、イミペネムの抗菌活性にも影響を与えません。
また、チエナム点滴静注用投与後のイミペネムの体液・臓器内への移行は良好で、尿中に高濃度に排泄されます。
こうした本剤の効果・作用によりチエペネム点滴静注用は、内科、呼吸器内科以外に、病院科目の幅広い分野で使用されています。 |
使用方法 |
通常成人にはイミペネムとして、1日0.5~1.0g(力価)を2~3回に分割し、30分以上かけて点滴静脈内注射する。
小児には1日30~80mg/kgを3~4回に分割し、30分以上かけて点滴静脈内注射する。
なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、成人で1日2gまで、
小児で1日100mg/kgまで増量することができる。 |
副作用 |
■イミペネムの主な副作用
イミペネムには、副作用が起こる可能性があります。
イミペネムを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
■イミペネムの副作用(重度)
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
痙攣、呼吸停止、意識障害、意識喪失、呼吸抑制、錯乱、不穏、ショック、アナフィラキシー様症状
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群))
重篤な肝障害:劇症肝炎、肝炎、肝不全、黄疸
【主な副作用】
代謝異常、過敏症、発疹、嘔気 、嘔吐、食欲不振高尿酸血症、低クロル性アルカローシス、高コレステロール血症、高血糖症、高トリグリセリド血症
【その他の副作用】
胃部不快感、口渇、下痢、腹痛、眩暈、頻尿、耳鳴、頭痛、脱力感、倦怠感、筋痙攣、関節痛、膵炎、血清アミラーゼ値上昇、血小板減少、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、BUN上昇、ビリルビン値上昇、クレアチニン上昇
◇◇
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
■重要な注意点
本剤はショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、措置の準備が必要とされています。
①事前に既往歴等について十分な問診を行う。抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認します。
②ショック等に対する救急処置のとれる準備をしておきます。
③投与開始直後は注意深く観察を行い、投与終了後まで、十分な観察を行います。
④耐性菌の発現などを防ぐため原則、感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめます。
⑤重篤な肝障害、血液障害、腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行います。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■使用出来ない方
・妊婦または妊娠の可能性がある人または産婦
・無尿の患者(アゾセミドの効果が期待できない)
・肝性昏睡の方(低カリウム血症によるアルカローシスの増悪により肝性昏睡が悪化するおそれがある)
・本剤の成分に対するアレルギーの前歴
使用に注意が必要な方 【使用に注意が必要な方】
「慎重投与が必要な疾患」
・嘔吐
・肝機能障害
(肝障害が悪化するおそれがあります)
・下痢
・減塩療法時
・重篤な冠硬化症
・重篤な腎障害、てんかんの既往歴がある方
(症状により減量を考慮します。呼吸停止、呼吸抑制等、痙攣、意識障害、の中枢神経症状が起こりやすくなります。
・手術前
・進行した肝硬変症
・痛風
・糖尿病
・重篤な脳動脈硬化症
・カルバペネム系、ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある方
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する方
・経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い方
・肝機能障害患者
(肝障害が悪化するおそれがあります)
・妊婦
(妊婦または妊娠の方は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与されます)
・授乳婦
(母乳へ本剤成分が移行する場合があるため、母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続または中止を検討します)
・高齢者
(生理機能が低下している高齢者では副作用があらわれやすいため経過観察を行いながら慎重投与が求められます)
・小児等
「慎重投与が必要な年齢」
・乳児(0日~364日)
・低出生体重児(0日~27日)
・小児(0歳~14歳)
・高齢者(65歳~)
上記にあてはまる方は、イミペネムを使用する事が出来ない可能性があります。 イミペネムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 【併用注意薬】
ガンシクロビル
(痙攣の発現された報告があります)
ファロペネムナトリウム
(ファロペネムナトリウムの血中濃度が上昇するおそれがあります)
上記を使用している方は、イミペネムを使用する事が出来ない可能性があります。 イミペネムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 【併用禁忌薬】
バルプロ酸ナトリウム:デパケン
(併用により、バルプロ酸の血中濃度が低下、てんかんの発作が再発する場合があります)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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