クリンダマイシン

成分名

クリンダマイシン

適応症状

敗血症/咽頭・喉頭炎/扁桃炎/急性気管支炎/肺炎/慢性呼吸器病変の二次感染/中耳炎/副鼻腔炎/顎骨周辺の蜂巣炎/顎炎/ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの) など

簡易説明

「クリンダマイシン」はリンコマイシン系の抗生物質です。
細菌は生命維持や増殖に必要なタンパク質合成をリボソームという器官で行い、リボソームは30Sと50Sというサブユニットに分かれています。
「クリンダマイシン」は細菌のリボソーム50Sサブユニットに作用することで、ペプチド転移酵素反応の阻害作用によってタンパク質の合成を阻害することで殺菌的に作用します。
日本では、武田テバファーマがクリンダマイシンの商品名で販売し、また、ファイザーがダラシンの商品名で販売しています。
「クリンダマイシン」は細菌感染症の治療に用いられ、グラム陽性菌、嫌気性菌、マイコプラズマに抗菌活性を持ちますが、グラム陰性菌には効果がありません。

処方可能な診療科目

内科/外科/皮膚科/呼吸器科/消化器科/循環器科/耳鼻咽喉科/泌尿器科/口腔外科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
クリンダマイシンリン酸エステル注射液300mg「サワイ」272円/管(薬価)
クリンダマイシンリン酸エステル注射液600mg「サワイ」387円/管(薬価)
*病院によって差が有り。初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1994年7月認可

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

クリンダマイシンリン酸エステル注射液300mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】
クリンダマイシンリン酸エステル注射液600mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】

関連製品(ジェネリック)

クリンダマイシン注300mgシリンジ「タイヨー」【製薬メーカー:武田テバファーマ】
クリンダマイシン注600mgシリンジ「タイヨー」【製薬メーカー:武田テバファーマ】
クリンダマイシンゲル1%「クラシエ」【製薬メーカー:シオノケミカル】

効果・作用

「クリンダマイシン」はリンコマイシン系の抗生物質で、細菌のタンパク質合成を阻害して、細菌の増殖を抑えることで抗菌作用をあらわします。
細菌は生命維持や増殖に必要なタンパク質合成が必要で、タンパク質合成をリボソームという器官で行うのですが、そのリボソームは30Sと50Sというサブユニットに分かれています。
「クリンダマイシン」はリボソーム50Sサブユニットに作用することで、タンパク質合成を阻害することで細菌の増殖を抑えて殺菌的に作用します。
「クリンダマイシン」は細菌の種類の中でも、グラム陽性球菌群(黄色ブドウ球菌〔MRSA以外〕、A群溶血性連鎖球菌、肺炎球菌)、嫌気性菌群(バクテロイデス、プレボテラなど)などに抗菌活性を持ちますが、嫌気性菌であっても、クロストリジウム・ディフィシルには活性を示さないことや、近年では、バクテロイデス・フラジリスへの耐性がみられます。
「クリンダマイシン」は嫌気性菌への抗菌活性のため誤嚥性肺炎や、他の抗菌薬の併用剤として用いられることが多いですが、中枢神経系への移行は極めて悪いことから、嫌気性菌による脳膿瘍・髄膜炎などには用いられません。
使用にあたっては、「厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き」を参照して、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、「クリンダマイシン」の投与が適切と判断される場合に投与します。
「クリンダマイシン」の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために、原則として感受性を確認して疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが推奨されています。

使用方法

▼点滴静脈内注射での用法用量
・成人には1日600~1,200mg(力価)を2回から4回に分けて点滴静注します。
・小児には1日15mgから25mg(力価)/kgを3回から4回に分けて点滴静注します。

なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、成人で1日2,400mg(力価)まで薬の量を増やし、2~4回で投与します。
小児は1日40mg(力価)/kgまで薬の量を増やし、3~4回で投与します。
点滴静注に際しては、本剤300mgから600mg(力価)あたり100mLから250mLの日局5%ブドウ糖注射液、日局生理食塩液又はアミノ酸製剤等の補液に溶解し、30分から1時間かけて投与します。

▼筋肉内注射での用法用量
・成人には、症状により適宜増減しますが、1日600mgから1,200mg(力価)を2~4回に分けて筋肉内注射します。

副作用

重大な副作用
・ショック、アナフィラキシー
・偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎
・中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎
・薬剤性過敏症症候群
・間質性肺炎、PIE症候群
・心停止
・汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少
・肝機能障害、黄疸
・急性腎不全

その他の副作用
・下痢、悪心・嘔吐、食欲不振、腹痛、舌炎
・発疹、そう痒、紅斑、浮腫
・好酸球増多、白血球減少、顆粒球減少
・BUNの上昇、クレアチニンの上昇、窒素血症、乏尿、蛋白尿
・耳鳴、めまい
・口内炎、カンジダ症
・筋肉内投与による疼痛・硬結・壊死・無菌膿瘍、静脈内投与による血栓性静脈炎
・苦味、顔面のほてり、発熱、頭痛、倦怠感、膣炎、小水疱性皮膚炎、多発性関節炎

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分又はリンコマイシン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分又はリンコマイシン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■高齢者及び衰弱患者、大腸炎等の既往歴のある患者
高齢者及び衰弱患者、大腸炎等の既往歴のある患者には偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれるおそれがあります。慎重に投与してください。

■肝障害のある患者
肝障害のある患者には胆汁排泄のため、消失半減期が延長するおそれがあります。慎重に投与してください。

■腎障害のある患者
腎障害のある患者には慎重に投与してください。腎排泄は本剤の主排泄経路ではないが、消失半減期が延長するおそれがあります。

■アトピー性体質の患者
アトピー性体質の患者には重症の即時型アレルギー反応があらわれるおそれがあります。慎重に投与してください。

■重症筋無力症の患者
重症筋無力症の患者に対して本剤は筋への直接作用により収縮を抑制するので、症状が悪化するおそれがあります。慎重に投与してください。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましいです。妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。

■授乳婦
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいですが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けてください。

■小児等への投与
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していません。特に必要とする場合には慎重に投与してください。

上記にあてはまる方は、クリンダマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。
クリンダマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
よくある質問
「クリンダマイシン」はどのような系統の抗生物質ですが?

リンコマイシン系の抗生物質になります。

医師に相談する際に伝えることはありますか?

持病やアレルギーがある場合や、服用中の薬は医師に伝えてください。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。