成分名 |
エリスロマイシン |
適応症状 |
ブドウ球菌属、肺炎球菌、淋菌、レンサ球菌属、髄膜炎菌、赤痢菌、軟性下疳菌、百日咳菌、ジフテリア菌、破傷風菌、ガス壊疽菌群、トラコーマクラミジア(クラミジア、トラコマティス)、梅毒トレポネーマ、マイコプラズマ属、赤痢アメーバなど |
簡易説明 |
エリスロマイシンはマクロライド系を代表する抗生物質になります。レンサ球菌や肺炎球菌を始めとするグラム陽性菌、百日咳菌等、一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマ、そしてクラミジア等に効果を発揮します。
この系統の最も大きな特徴は、一般的な抗生物質が効かない非定型菌のマイコプラズマ、そしてクラミジアに効果が有る事です。小児のマイコプラズマ肺炎に対しては、だいたいこの系統が処方される事が多いです。 |
処方可能な診療科目 |
呼吸器科/耳鼻咽喉科/皮膚科など
|
健康保険の適応 |
あり |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約2,500円~10,000円
エリスロマイシン錠200mg【サワイ】8.8円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1981年9月に販売開始
|
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
アイロタイシン錠【シオノギ】※販売中止
|
関連製品(ジェネリック) |
エリスロマイシン錠200mg【サワイ】
|
効果・作用 |
エロスロマイシンは、マクロライド系の抗生物質になり、細菌等の蛋白合成阻害によって、感染原因細菌に抗菌作用を発揮します。
通常では、耳鼻科領域感染症、呼吸器感染症、皮膚感染症等、広範囲の感染症治療に使用されています。
エリスロマイシンはその作用面から蛋白合成阻害薬にカテゴライズされます。
それは、細菌内に取り込まれたのち、蛋白合成開始複合体(70Sリボゾーム)の構成物質(50S)に結合して、その機能を妨げます。
蛋白鎖の伸長を阻害する事によって細菌の発育を阻止します。
この系統は一般的に、静菌的に作用するのですが、高濃度では殺菌的作用を発揮する事になります。
抗菌スペクトラムはグラム陽性を中心として陰性菌の一部や嫌気性菌、他にも非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、レジオネラ等に抗菌活性を発揮します。
また抗菌作用とは異なる作用も発見されており、炎症に関わるT細胞、好中球の働きを抑制し、組織の障害を防ぐ効果や、過剰な粘液分泌を抑える効果があるとされています。
これらの作用から、びまん性汎細気管支炎、滲出性中耳炎、慢性副鼻腔炎等の慢性炎症性疾患に応用して使用される事があります。 |
使用方法 |
成人に対して1日800~1200mgを4~6回に分割、経口投与します。
小児に対しては1日体重1kg辺り25~50mgを4~6回に分割、経口投与する。
なお年齢・症状により適宜増減します。小児用量は成人量を上限とします。 |
副作用 |
主な副作用
副作用は比較的少ないとされており、吐き気、胃痛や下痢等の胃腸症状が副作用となります。
他に、重い副作用では大腸炎、皮膚障害、肝障害等の報告も出ています。
極稀と言われる副作用ではありますが、特に高齢の方や、長期服用時等は注意が必要になります。
【重度の副作用】
めったにないと言われていますが、念のため初期症状等にご注意ください。
大腸炎・・頻繁な下痢、強い腹痛、発熱、下血、血液便。
重度の皮膚粘膜障害・・発疹、水膨れ、発赤、膿、皮が剥ける、皮膚の熱感、皮膚の痛み、痒み、唇や口内の爛れ、喉の痛み、目の充血、発熱、全身倦怠感。
急性腎不全・・少尿・尿が出ない、浮腫み、尿のにごり、血尿、樽さ、吐き気、頭痛、喉が渇く、痙攣、血圧上昇。
肝臓の重度症状・・樽さ、吐き気、食欲不振、発熱、発疹、痒み、皮膚・白目が黄色化、尿が茶褐色化。
【その他】
胃痛、腹痛、吐き気、発疹、じん麻疹、軟便、下痢
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用に注意が必要な方
▼下記症状に当てはまる方は慎重に投与が必要です
・他のマクロライド系薬剤に対して過敏症の既往歴のある方
・肝機能障害がある方
・腎機能障害がある方
・高齢者の方
・妊婦、授乳中の方
上記にあてはまる方は、エリスロマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。
エリスロマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
|
併用禁忌薬 |
併用注意薬
ジソピラミド、キニジン硫酸塩水和物、テオフィリン、アミノフィリン水和物、シクロスポリン、タクロリムス水和物、ワルファリンカリウム、イリノテカン塩酸塩水和物、ビンブラスチン硫酸塩、バルプロ酸ナトリウム、フェロジピン、ベラパミル塩酸塩、ミダゾラム、トリアゾラム、カルバマゼピン、コルヒチン、シンバスタチン、アトルバスタチンカルシウム水和物、ピタバスタチンカルシウム、ブロモクリプチンメシル酸塩、ドセタキセル水和物、パクリタキセル、セレギリン塩酸塩、シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル、シロスタゾール、ブロナンセリン、エプレレノン、エレトリプタン臭化水素酸塩、エベロリムス、サキナビルメシル酸塩、副腎皮質ホルモン剤、メチルプレドニゾロン等、エバスチン、エドキサバントシル酸塩水和物、ジゴキシン、ザフィルルカスト、シメチジン、リトナビルなど
上記を使用している方は、エリスロマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。
エリスロマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬
エルゴタミン(エルゴタミン酒石酸塩、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩)含有製剤
(クリアミン、ジヒデルゴット等)、ピモジド(オーラップ)、アスナプレビル(スンベプラ)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。
|
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |