成分名 |
スペクチノマイシン |
適応症状 |
<適応症>淋菌感染症
<適応菌種>スペクチノマイシン感性の淋菌 |
簡易説明 |
スペクチノマイシンは、アミノ糖を含む配糖体抗生物質の総称であるアミノグリコシド系の抗生物質の一つで、淋菌感染症などの治療に用いられます。日本では、ファイザーがトロビシンの商品名で販売しています。
スペクチノマイシンは、スペクチノマイシンに感性の淋菌に対して強い抗菌活性を持ちます。
通常、臀部筋肉内注射で用いられます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/皮膚科/泌尿器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約5,000円~
トロビシン筋注用2g 2452円/瓶(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2009年6月認可 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
トロビシン筋注用2g 【製薬メーカー:ファイザー】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 | スペクチノマイシンは米国では使用できず、使用できる地域でも、セフトリアキソンまたはセフィキシム+アジスロマイシンまたはドキシサイクリンの併用による治療が不可能な患者のみに適応が限定されています。
海外では、牛、豚、羊、山羊及び鶏の細菌性呼吸器感染症や腸管感染症に対する治療薬として使用されています。一方、日本国内では、動物用医薬品としての承認はありません。 |
効果・作用 |
「スペクチノマイシン」はアミノ糖を含む配糖体抗生物質の総称であるアミノグリコシド系抗生物質で、細菌のタンパク合成を阻害して、成長、分裂、増殖を妨げる効果を持ちます。
細菌は生命維持や増殖に必要なタンパク質合成が必要で、タンパク質合成をリボソームという器官で行うのですが、そのリボソームは30Sと50Sというサブユニットに分かれています。
「ストレプトマイシン」はリボソーム30Sサブユニットに作用することで、タンパク質合成を阻害することで細菌の増殖を抑えて殺菌的に作用します。
特にペニシリンにアレルギー反応を示す淋病患者に投与されます。
豚赤痢菌を選択的に培養するために血液寒天培地に添加されることがあります。
スペクチノマイシン耐性遺伝子は、分子クローニングの目的で細菌の選択マーカーとして利用することが可能です。加えて、スペクチノマイシンは選択マーカー遺伝子SPCRを含む形質転換された植物細胞の選択剤として利用されます。
スペクチノマイシンはアミノシクリトール系の抗生物質であり、アミノグリコシド系抗生物質と近縁関係にあります。スペクチノマイシンは自然界ではシアノバクテリアや種々の植物にも存在します。主に植物の自己防御に関連して分泌されます。 |
使用方法 |
▼用法用量
[筋注]
・スペクチノマイシンとして、通常成人は2g(力価)を1回臀部筋肉内に注射します。また、2g(力価)1回投与にて効果の不十分なときは、4g(力価)を1回追加投与します。4g(力価)投与は左右の臀筋の2箇所に分けてもよいです。なお、年齢や症状により適宜増減します。
※関連する使用上の注意
・スペクチノマイシンの使用にあたっては耐性菌の発現等を防ぐために、原則として感受性を確認して、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。
・スペクチノマイシンは1回投与後3日間から5日間は経過を観察して、効果判定を行ってください。なお、追加投与の必要のある場合は、用法や用量に準じてください。 |
副作用 |
主な副作用
副作用発現状況の概要について、調査症例数2,577例中、副作用発現症例は124例(4.81%)であり、副作用発現件数は延べ127件ででした。その主なものは、注射部位疼痛112件(4.35%)、皮疹3件(0.12%)、頭重感2件(0.08%)等でした。なお、調査症例2,577例中、1例にショック症状が報告されています。また、承認時までの調査及び市販後の使用成績調査の集計では、臨床検査値の異常は認められませんでした。
重要な基本的注意として、「スペクチノマイシン」によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないことから、次の措置をとってください。
・事前に既往歴等について十分な問診を行ってください。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認してください。
・投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておいてください。
・投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行ってください。特に、投与開始直後は注意深く観察してください。
・潜伏状態の梅毒の兆候を遮蔽したり遅延させる可能性があります。淋疾の治療の際には梅毒の血清学的検査をおこなってください。
・「スペクチノマイシン」を投与後に、ときに淋疾後尿道炎(postgonococcal urethritis)があらわれることがあります。適切な治療を行ってください。
重大な副作用
▼ショック(0.04%)
ショックを起こすことがあります。また、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴等のアナフィラキシーを伴うことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には血圧の維持、体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行ってください。
その他の副作用
その他の副作用
・疼痛の持続
・発赤、硬結
・皮疹
・蕁麻疹
・頭重感、しびれ感
・めまい、不眠
・悪心・嘔吐、胃痛、下腹部痛、下腹部膨満感
・乏尿、BUNの上昇、クレアチニン・クリアランスの低下
・倦怠感
・悪寒、発熱、ALT(GPT)、Al-P上昇、ヘマトクリット値、ヘモグロビン減少
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■アトピー性体質の患者
アトピー性体質の患者は重症の即時型アレルギー反応があらわれるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■高齢者
高齢者では、生理機能が低下していることが多いことから副作用があらわれやすいです。観察を十分に行い、副作用があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないでください。妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。
■授乳婦
本剤投与中は授乳を避けさせることが望ましいです。動物実験(ウシ、ヒツジ)で乳汁中に移行することが認められています。
■小児等
小児等に対する安全性は確立していません。特に必要とする場合には慎重に投与してください。また、低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意してください。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告があります。本剤は添加物としてベンジルアルコールを含有しています。
上記にあてはまる方は、スペクチノマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。 スペクチノマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 併用禁忌薬なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |