ラルテグラビルカリウム

成分名

ラルテグラビルカリウム

適応症状

HIV感染症

簡易説明

・インテグラーゼという酵素を阻害し、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の宿主細胞への遺伝子組み込みをブロックすることでエイズウィルスの感染拡大を抑制します。また、免疫力が回復することで、エイズの発症や進行を遅らせます。
・エイズウイルスの遺伝子が人の遺伝子に組み込まれるのを阻止する作用があります。
・NRTI(核酸系逆転写酵素阻害薬)、NNRTI(非核酸系逆転写酵素阻害薬)、PI(プロテアーゼ阻害薬)、INSTI(インテグラーゼ阻害薬)などに分かれ、ラルテグラビルカリウムはINSTI(インテグラーゼ阻害薬)になります。

処方可能な診療科目

内科、消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~
薬代1錠あたりの目安:400mg1582.4円/錠・600mg1533.8円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 2008年7月

国内のジェネリック認可

ありません

関連製品(先発薬)

アイセントレス錠400mg/600mg

関連製品(ジェネリック)

国内、海外ありません

効果・作用

・エイズは、エイズウイルスの感染により起こる病気で、血液や精液を介して感染します。エイズウイルスが体内に入ると、免疫系の細胞(白血球の一種のCD4リンパ球)を破壊し、徐々に増殖します。すると体の免疫力がだんだんと低下し、数年から十数年後に発症いたします。重い感染症、リンパ腫などの悪性腫瘍に侵されやすくなり命にかかわることがあります。ラルテグラビルカリウムは、エイズウイルスの増殖をおさえる作用があります。ウイルスの遺伝子が人の遺伝子に組み込まれるのを阻止する働きがあり、ウイルスを減らすことで、免疫力が回復、病状が改善いたしますが。ただし、エイズウイルスを完全に死滅させることは困難となっており、生涯にわたり治療を続けなければなりません。
・作用増強と耐性回避のため、2種類のヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬との併用治療が標準的となっております。推奨される併用薬として、テノホビル(ビリアード)とエムトリシタビン(エムトリバ)またはその配合剤のツルバダ(TDF/FTC)、アバカビル(ザイアジェン)とラミブジン(エピビル)またはその配合剤のエプジコム(ABC/3TC)、あるいはジドブジン(レトロビル)とラミブジン(エピビル)またはその配合剤のコンビビル(AZT/3TC)などがございます。

〈ラルテグラビルカリウム作用機序〉
・HIVインテグラーゼは、HIV遺伝子にコードされたウイルス複製に必要な酵素となっております。ラルテグラビルは、HIVインテグラーゼの触媒活性を阻害いたします。
・HIVインテグラーゼの阻害することで、HIV感染初期では、HIVゲノムの宿主細胞ゲノムへの共有結合的挿入、または、組込みが阻害されます。
・組み込まれなかったHIVゲノムは、感染性ウイルス粒子を新たに産生することができず、ウイルスの感染拡大が阻止されます。
・ラルテグラビルは、DNAポリメラーゼα、β、γを含むヒトホスホリルトランスフェラーゼに対しては、顕著な阻害作用を示しません。

▼AIDSとHIV▼
AIDS(エイズ)の正式名称は「後天性免疫不全症候群(Acquired immune deficiency syndrome:AIDS)」といい、体内の免疫細胞が破壊されて後天的に免疫不全を引き起こす疾患となります。AIDSを引き起こす原因とされているウイルスが「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)」です。HIVに感染して数年の潜伏期間(無症状)を経た後にAIDSが発症するとなっております。AIDSを発症すると「全身倦怠感、体重の急激な減少、咳、発熱、発疹」といった風邪のような症状があり、その後、普通では感染しないような日和見感染症(例:ニューモシスチス肺炎、カポジ肉腫、サイトメガロウイルス感染症)を合併し、生命に危機を及ぼします。

▼他のインテグラーゼ阻害薬(抗HIV薬)▼
アイセントレス
テビケイ

使用方法

・成人にはラルテグラビルとして400mgを1日2回経口投与すること
※食事の有無にかかわらず投与できる
※投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用してください

副作用

主な副作用
ラルテグラビルカリウムには、副作用が起こる可能性があります。
ラルテグラビルカリウムを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

貧血、好中球減少症、リンパ節痛、リンパ節症、動悸、心室性期外収縮、洞性徐脈、回転性めまい、耳鳴、下痢、悪心


重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。

腎不全、重篤な肝炎、重篤な胃炎、重篤な陰部ヘルペス、皮膚粘膜眼症候群、StevensJohnson症候群、薬剤性過敏症症候群、過敏症、発疹、発熱、肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現、遅発性の重篤な過敏症状、ヒトヘルペスウイルス6再活性化、HHV6再活性化、ウイルス再活性化、横紋筋融解症、ミオパチー、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇、尿中ミオグロビン上昇、急性腎障害、重篤な腎障害、筋力低下、筋痛、著明なCK上昇

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
腹痛、嘔吐、腹部膨満、便秘、腹部不快感、消化不良、鼓腸、舌炎、胃食道逆流性疾患、口内乾燥、おくび、びらん性十二指腸炎、腹部圧痛、唾液欠乏、歯肉炎、脂肪肝、疲労、無力症、悪寒、熱感、顔面浮腫、末梢性浮腫、顎下腫瘤、疼痛、単純ヘルペス、帯状疱疹、胃腸炎、毛包炎、リンパ節膿瘍、鼻咽頭炎、上気道感染、体脂肪再分布、体脂肪蓄積、脂肪組織萎縮症、脂肪肥大症、顔やせ、中心性肥満、異脂肪血症、糖尿病、食欲亢進、食欲減退、過食、多飲症、関節痛、背部痛、筋骨格痛、筋萎縮症、骨粗鬆症、関節炎、頚部痛、多発性関節炎、側腹部痛、骨減少症、四肢痛、頭痛、浮動性めまい、ニューロパチー、錯感覚、傾眠、緊張性頭痛、振戦、記憶障害、認知障害、注意力障害、感覚鈍麻、睡眠の質低下、片頭痛、不眠症、異常な夢、うつ病、不安、錯乱状態、気分変化、パニック発作、睡眠障害、腎炎、間質性腎炎、腎結石症、頻尿、腎嚢胞、勃起不全、女性化乳房、多汗症、紅斑、寝汗、乾皮症、痒疹、ざ瘡、脱毛症、皮膚そう痒症、じん麻疹、AST上昇、ALT上昇、総ビリルビン上昇、視覚障害、鼻出血、体重減少、体重増加、血小板減少症、小脳性運動失調、自殺企図

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ラルテグラビルカリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、アイセントレスはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼アイセントレスの有効成分
ラルテグラビルカリウム
▼代表薬の添加物
・結晶セルロース、乳糖水和物、無水リン酸水素カルシウム、ヒプロメロース、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、マクロゴール4000、タルク、酸化チタン、三二酸化鉄、黒酸化鉄

・妊婦/産婦
・過敏症

使用に注意が必要な方
・高齢者
・授乳婦/新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児

上記にあてはまる方は、ラルテグラビルカリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
ラルテグラビルカリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
UGT1A1の強力な誘導剤/リファンピシン類/水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有制酸剤<服用>

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
副作用に自殺企図とありますが、これはなんですか??

自殺企図は「自殺既遂」と「自殺未遂」の両方を指す語です。

抗HIV薬と併用となってますが、なにがいいんですか?

推奨されてるものとして、テノホビル(ビリアード)とエムトリシタビン(エムトリバ)などがありますが、併用に際しての詳細は医師、薬剤師にご相談ください。

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