グリチルレチン酸

成分名

グリチルレチン酸

適応症状

湿疹、皮膚そう痒症、神経皮膚炎

簡易説明

植物に由来する非ステロイド性の軟膏です。
おだやかな抗炎症作用があり、皮膚の赤みやかゆみを緩和します。ステロイド外用薬のような劇的な効果は期待できませんが、副作用はほとんどありません。
通常、湿疹、皮膚そう痒症、神経皮膚炎の治療に用いられます。
グリチルレチン酸は、皮膚の炎症やかゆみを抑える医薬品外用剤をはじめ、医薬部外品の薬用スキンケア、育毛剤などの有効成分として広く活用されております。

処方可能な診療科目

皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

健康保険適応
【病院で処方してもらう時の費用目安】
診察料などの目安:約1,000円~3,000円
新薬軟膏1% 1gあたりの目安:11.4円(薬価)
新薬クリーム1% 1gあたりの目安:11.4円(薬価)
新薬クリーム2% 1gあたりの目安:13円(薬価)

病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1967年7月【発売開始年月日】

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

デルマクリンA軟膏1%【製薬メーカー:摩耶堂=ミヤリサン=ミノファーゲン】
デルマクリンクリーム1% 【製薬メーカー:摩耶堂=ミヤリサン=ミノファーゲン】
ハイデルマートクリーム2%【製薬メーカー:摩耶堂=ミヤリサン=ミノファーゲン】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

抗炎症作用があり、肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑え、ホスホリパーゼA2の酵素活性を阻害し、皮膚の炎症を抑え、浮腫や紅斑、かゆみを鎮めます。
植物由来の非ステロイド性の軟膏です。
グリチルレチン酸は、白色から類白色の結晶性の粉末であり、甘草の根に含まれるグリチルリチン酸を加水分解することで得られます。グリチルリチン酸とその誘導体であるグリチルリチン酸2Kなどは、優れた抗炎症作用を有する成分として、広く汎用されてるが、その作用はアグリコンであるグリチルレチン酸によってもたらされます
特に育毛剤や頭皮用シャンプー(スカルプシャンプー)に配合されるケースもよくあり、βグリチルレチン酸は頭皮の肌あれ防止や頭皮環境の改善が期待できる成分です。

また、食品の甘味料や薬品の苦味を緩和するための調味料などの食品加工物などに利用されるケースもあり、その用途は非常に多様です。

グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸は、カンゾウ(甘草)の根に含まれている抗炎症成分です。
グリチルリチン酸の持っているステロイドに類似した基本構造から、抗炎症作用を示すと考えられています。

これらの成分や、カンゾウ(甘草)は、総合感冒薬、鎮咳去痰薬、口腔咽喉薬、含嗽薬、点鼻薬、痔疾患用外用薬、歯槽膿漏薬、口内炎薬など様々な製品に含まれています。
また、医薬品の他にも、医薬部外品や化粧品にも使用されております。または、「甘草エキス」と表示されることもある

なお「グリチルリチン酸二カリウム」については、グリチルリチン酸とカリウムが結合することで塩を形成し、グリチルリチン酸よりも水溶性を高めたものです。(点鼻薬、点眼薬、鼻炎用内服薬がある)

使用方法

通常、症状により適量を1日数回患部に塗布または塗擦する。
(適用上の注意)
使用部位:眼科用として使用しないこと。
(取扱い上の注意)
軟膏・クリームを空気中に長時間放置すると変色することがあります。

副作用

主な副作用
グリチルレチン酸には、副作用が起こる可能性があります。
グリチルレチン酸を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
■グリチルレチン酸の注意すべき副作用
皮膚刺激感/過敏症状(発疹、発赤、かゆみ)
■グリチルレチン酸の主な副作用
皮膚刺激感 /過敏症状(発疹、発赤、かゆみ)
■グリチルレチン酸の副作用(重度)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■グリチルレチン酸を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方グリチルレチン酸(デルマクリンクリーム1%の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼デルマクリンクリーム1%の有効成分
(1g中)グリチルレチン酸 10mg
▼デルマクリンクリーム1%の添加物
白色ワセリン/ステアリルアルコール/プロピレングリコール/ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60/モノステアリン酸グリセリン/パラオキシ安息香酸メチル/パラオキシ安息香酸プロピル

使用に注意が必要な方
妊娠または授乳中

上記にあてはまる方は、グリチルレチン酸を使用する事が出来ない可能性があります。
グリチルレチン酸を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
グリチルレチン酸は副作用で血圧が上がってしまうのですか?

どの薬にも副作用は付きものですが、甘草にはその症状の一つとして血圧が上がる「偽アルドステロン症」という副作用が起こるこ可能性があります。ただ、必ず起こるわけではなく、服用量が増えると発症する傾向が高くなります。
また、個人差が大きく、人によっては少量でも起こることもあります。そして、既往歴、併用薬など様々な要因が影響してきますので、量に関わらず何かいつもと違うなと感じたら早めに医師や薬剤師に相談してください。

虫刺されでつかいたいのですが、この軟膏はどういう風に塗ればいいのですか?効果的な塗り方などはありますか?

軟膏やクリームは塗り方によっても効果に差がでることがあります。軟膏やクリームの塗り方は優しく伸ばして塗るだけの『塗布』と、『塗擦』と呼ばれて擦り込む方法があります。
グリチルレチン酸の使用方法に関しまして、「塗布または塗擦する」と書いてますので特に決まりはないようです。患部に一日数回塗布または塗擦してください。
また虫刺されですと、使用される部位にもよりますが、ステロイド剤の方が効果があるかもしれません。

生後1ヵ月の赤ちゃんついて。
顔中に湿疹が出てまして、先生からデルマクリンクリームを処方されました。
この薬は非ステロイド剤のようです。ステロイドの方が早く治ると思うのですが、やはり生後1ヵ月の赤ちゃんにはきついのでしょうか?
赤ちゃんの顔が湿疹だらけでかわいそうで、早く治してあげたいと思ってるのですが。

ステロイドは治りが早いとは思いますが、よっぽどの状態でなければ赤ちゃんには使わないです。早く治してあげたいお気持ちはよくわかります。
しっかりと石鹸で洗浄してあげて非ステロイド剤のデルマクリンクリームを塗ってあげるのがいいですね。

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