セフィキシム

成分名

セフィキシム

適応症状

急性気管支炎/肺炎/慢性呼吸器病変の二次感染/膀胱炎/腎盂腎炎/尿道炎/胆嚢炎/胆管炎/中耳炎/副鼻腔炎/猩紅熱 など

簡易説明

「セフィキシム」はセフェム系に属する抗菌薬で、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、胆嚢炎、胆管炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱などの治療に用いられます。
日本では、長生堂製薬がセフスパンの商品名で販売し、また、武田テバファーマがセフィキシムの商品名で販売しています。
「セフィキシム」は、本剤に感性のレンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌に対して強い抗菌活性を持ちます。

処方可能な診療科目

内科/呼吸器科/消化器科/耳鼻咽喉科/泌尿器科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
セフスパン細粒50mg 53円/g(薬価)
セフスパンカプセル50mg 62.4円/カプセル(薬価)
セフスパンカプセル100mg 69.6円/カプセル(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1987年9月認可

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

セフスパン細粒50mg 【製薬メーカー:長生堂製薬】
セフスパンカプセル50mg 【製薬メーカー:長生堂製薬】
セフスパンカプセル100mg 【製薬メーカー:長生堂製薬】

関連製品(ジェネリック)

セフィーナ細粒100(セフィキシム100mg細粒) 【製薬メーカー:長生堂製薬】
セフィキシム細粒小児用10%「武田テバ」 【製薬メーカー:武田テバファーマ】

効果・作用

「セフィキシム」はセフェム系の抗生物質の一つで、細菌の細胞壁合成を阻害する作用を持ち、細菌の成長・分裂・増殖を妨げる効果を持ちます。
細菌は細胞壁とよばれる防御壁をもちますが、細菌の細胞壁の合成に深く関わるタンパク質にペニシリン結合タンパク質(PBP)というものがあります。
「セフィキシム」はペニシリン結合タンパク質(PBP)に作用して、細菌の細胞壁合成を阻害して細菌を殺すことにより殺菌的に作用します。
「セフィキシム」は、本剤に感性のレンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌に対して強い抗菌活性を持ち、白色~淡黄色の結晶性の粉末で、メタノール又はジメチルスルホキシドに溶けやすく、エタノールにやや溶けにくく、水にほとんど溶けない特徴を持ちます。
使用にあたっては、「厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き」を参照して、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、「セフィキシム」の投与が適切と判断される場合に投与します。
「セフィキシム」の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために、原則として感受性を確認して疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが推奨されています。

使用方法

▼用法用量
[セフスパン細粒50mg]
・小児に対しては、セフィキシムとして1回1.5~3mg(力価)/kgを1日2回経口投与します。
なお、症状に応じて適宜増減しますが、重症又は効果不十分と思われる症例には、セフィキシムとして1回6mg(力価)/kgを1日2回経口投与します。

[セフスパンカプセル50mg]
・成人及び体重30kg以上の小児に対しては、セフィキシムとして1回50~100mg(力価)を1日2回経口投与します。なお、年齢、体重、症状に応じて適宜増減しますが、重症又は効果不十分と思われる症例には、セフィキシムとして1回200mg(力価)を1日2回経口投与します。

[セフスパンカプセル100mg]
・成人及び体重30kg以上の小児に対しては、セフィキシムとして1回50~100mg(力価)を1日2回経口投与します。なお、年齢、体重、症状に応じて適宜増減しますが、重症又は効果不十分と思われる症例には、セフィキシムとして1回200mg(力価)を1日2回経口投与します。

▼関連する使用上の注意
・本剤の使用にあたっては耐性菌の発現等を防ぐために、原則として感受性を確認して疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。
・高度の腎障害のある患者では血中濃度が持続します。腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用してください。

副作用

副作用発現状況の概要として、総症例12,879例中294例(2.28%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められました。副作用症状は、下痢等の消化器症状112例(0.87%)、発疹等の皮膚症状29例(0.23%)、また、臨床検査値異常は、ALT(GPT)上昇78例(0.61%)、AST(GOT)上昇58例(0.45%)、好酸球増多26例(0.20%)等でした。(再審査結果通知:1996年12月)

重大な副作用
▼ショック
ショック(0.1%未満)を起こすことがあります。観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

▼アナフィラキシー
アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)(0.1%未満)があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

▼皮膚障害
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN、0.1%未満)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群、0.1%未満)があらわれることがあります。観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節痛、皮膚や粘膜の紅斑・水疱、皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

▼血液障害
無顆粒球症(0.1%未満、初期症状:発熱、咽頭痛、頭痛、倦怠感等)、溶血性貧血(0.1%未満、初期症状:発熱、ヘモグロビン尿、貧血症状等)、血小板減少(0.1%未満、初期症状:点状出血、紫斑等)があらわれることがあります。また、他のセフェム系抗生物質で汎血球減少があらわれることが報告されているので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

▼腎障害
急性腎障害等の重篤な腎障害(0.1%未満)があらわれることがあります。定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

▼大腸炎
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)があらわれることがあります。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止して、適切な処置を行ってください。

▼間質性肺炎、PIE症候群
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群(各0.1%未満)等があらわれることがあります。このような症状があらわれた場合には投与を中止して、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行ってください。

▼肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(0.1%未満)があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・発疹、蕁麻疹、紅斑
・そう痒、発熱、浮腫
・好酸球増多
・顆粒球減少
・AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇
・BUN上昇
・下痢、胃部不快感
・悪心、嘔吐、腹痛、胸やけ、食欲不振、腹部膨満感、便秘
・口内炎、カンジダ症
・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
・頭痛、めまい

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者は投与しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に投与してください。
 
■ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者には観察を十分に行い、慎重に投与してください。

■本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者には観察を十分に行い、慎重に投与してください。

■高度の腎障害のある患者
高度の腎障害のある患者は血中濃度の上昇が認められます。腎障害の程度に応じて用量並びに投与間隔を適宜調節するなど、慎重に投与してください。

■経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者はビタミンK欠乏症状があらわれることがあります。観察を十分に行い、慎重に投与してください。

■高齢者
高齢者は一般に生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいことや、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある為、用量並びに投与間隔に留意するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。

■小児等
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していません。

上記にあてはまる方は、セフィキシムを使用する事が出来ない可能性があります。
セフィキシムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・ワルファリンカリウム

上記を使用している方は、セフィキシムを使用する事が出来ない可能性があります。
セフィキシムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

よくある質問
「セフィキシム」はどのように殺菌効果をあらわすのですか?

セフィキシムは細菌の細胞壁合成を阻害して抗菌作用をあらわします。

「セフィキシム」にジェネリックはありますか?

武田テバファーマや長生堂製薬からジェネリックが販売されています。

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