成分名 |
メベンダゾール |
適応症状 |
鞭虫症 |
簡易説明 |
メベンダゾールは駆虫薬であり、体内に寄生した多種多様な寄生虫を根絶する効果を持ちます。
日本では「鞭虫症」の治療薬として承認されています。
メベンダゾールは寄生虫の細胞の中でも「微小管(びしょうかん)」と呼ばれる物質をつくる過程をブロックし、寄生虫にもともと存在していた微小管もブロックし破壊します。
その結果、寄生虫がグルコースなどの栄養を吸収する過程を妨害し、緩やかに寄生虫の動きを封じ込め、最終的に死滅させます。 |
処方可能な診療科目 |
内科、救急科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~1,500円
薬代1錠あたりの目安:100mg 366.4円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はメベンダゾール錠100の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1988年 7月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
メベンダゾール錠100【ヤンセンファーマ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
日本:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
海外:Mebex【Cipla Ltd.】/Lupimeb【Lupimeb】
※ともにインドの会社(個人輸入品) |
海外での使用実績 | メベンダゾールは通常、駆虫薬として使用されていますが、海外では強い抗がん作用を期待して服用するケースがあります。
パブリッシュされた2件の症例をご紹介します。
①副腎皮質がん
副腎皮質がんは珍しいがんで、進行してしまった後で患部を摘出できない場合、有効な治療方法がほぼありません。
本症例では、通常行われる多くの抗がん剤治療を実施しましたが効果が認められず、さらに進行してしまった症例です。
その他の有効な治療方法が存在しない状況で、メベンダゾールの投与を開始しました。
メベンダゾールを1回100mg1日2 回服用するという鞭虫治療における通常の用量を用いて治療を開始したところ、服用を始めてから19ヶ月間の病状安定が認められました。
その間、大きな副作用はほとんどなく、生活状況は副腎皮質がんの最初の手術前レベルまで改善したという報告があります。
この研究から、メベンダゾールは、転移性副腎皮質がんの進行を抑える可能性があり、副作用も少なかったと結論付けています。
②大腸がんの転移
転移した進行性の大腸がんにおいて、標準的な治療薬で効果が出なくなったステージにおいてメベンダゾールが使用されました。
メベンダゾール単独で服用を開始しましたし、6週間たった後CT検査を行った結果、リンパ節と肺の腫瘍が縮小し、肝臓の転移に関しても腫瘍の縮小が認められました。
しかし副作用が多く発生し、リンパ節への転移も増えてきたため、メベンダゾールの大腸がんへの効果は得られないという判断で治療は終了してしまいました。
その後同様の条件での治療において、5例がメベンダゾールで大腸がんの治療受け1例では腫瘍の部分的な縮小が認められました。 |
効果・作用 |
メベンダゾールは駆虫薬であり、体内に寄生した多種多様な寄生虫を根絶する効果を持ちます。
例えば、ジアルジア症、回虫症、メジナ虫症、蟯虫感染症、エキノコックス症、鉤虫感染症、などの寄生虫治療のために使用できると考えられています。
しかしながら、日本では「鞭虫症」の治療薬としてだけ承認されているため保険医療機関で治療を受ける際は注意が必要です。
メベンダゾールは寄生虫の細胞の中でも「微小管(びしょうかん)」と呼ばれる物質をつくる過程をブロックし、寄生虫にもともと存在していた微小管もブロックし破壊します。
その結果、寄生虫がグルコースなどの栄養を吸収する過程を妨害し、緩やかに寄生虫の動きを封じ込め、最終的に死滅させます。
メベンダゾールによって死滅した寄生虫の死骸は、数日間後に便とともに体外に排出されます。
またメベンダゾールは消化管(胃や腸)から吸収されづらいデメリットがあります。
したがって消化管の外に寄生してしまった寄生虫に対してはメベンダゾール以外の薬が用いられることが多いです。
またメベンダゾールは軽症~中程度の症状の寄生虫感染に使用され、効果があらわれるまでの時間が比較的長く、重症な寄生虫感染には向いていません。 |
使用方法 |
■成人、小児の場合
メベンダゾールとして1回100ミリグラムを1日2回、朝と夕に服用してください
※3日間連続で服用します
※体重20キログラム以下の小児に対しては半量にしたりするなど適宜増減して服用します |
副作用 |
重大な副作用
(頻度は明らかになっていません)
・ショック、アナフィラキシー:服用中に異常が認められた場合、投与を中止したり減量したりするなど医師の指示のもと適切な処置を行ってください
・中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):服用中に異常が認められた場合、投与を中止したり減量したりするなど医師の指示のもと適切な処置を行ってください
その他の副作用
(頻度5%未満)
・血液:好中球の減少
・皮膚:脱毛症
・消化器:悪心、腹痛、吐き気、嘔吐、胃痛、下痢
・過敏症:赤み、かゆみ、発疹、じんましん、血管のむくみ
・肝臓:肝臓の機能低下
・精神神経系:めまい、頭痛、けいれん
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・ 妊娠している方
※ラットでの動物実験において催奇が報告されています
使用に注意が必要な方 ・高齢者
※身体機能が低下しているので適切な血液検査を実施し減量するなど注意が必要です
・授乳中の方
※服用しないことが望ましいですがやむを得ず服用する場合には一時的に授乳を中止した状態でメベンダゾールを服用してください
※ウシの動物実験でメベンダゾールが乳汁中へ移行したというデータがあります
※ヒトにおいてもメベンダゾールが乳汁中へ微量ながらも移行したというデータがあります
・小児など
※小児などに対しての使用経験がそもそも少ない現状です
※メベンダゾールは体内にほとんど吸収されないので、小児にも成人と同じ量を服用する。しかし体重が20キログラム以下の場合、半分量にするなど医師の指示のもと適宜減量して服用してください
※小児が服用することでけいれん発作が認められたというデータがあります
上記にあてはまる方は、メベンダゾールを使用する事が出来ない可能性があります。 メベンダゾールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・シメチジン
シメチジンと一緒に長期間メベンダゾールを服用した際に、メベンダゾールが肝臓で分解されずに体内にとどまり血液中濃度が上昇したというデータがあります
▼シメチジンを含む薬
タガメット錠200mg/その他ジェネリック医薬品があるので注意してください
・メトロニダゾール
メトロニダゾールと一緒に服用した際、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれたというデータがあります。
▼メトロニダゾールを含む薬
フラジール内服錠250mg
上記を使用している方は、メベンダゾールを使用する事が出来ない可能性があります。 メベンダゾールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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