アベルマブ(遺伝子組換え)

成分名

アベルマブ(遺伝子組換え)

適応症状

・根治切除不能なメルケル細胞癌
・根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
・根治切除不能な尿路上皮癌における化学療法後の維持療法

簡易説明

バベンチオ点滴静注は、ヒトPD-L1に対するモノクローナル抗体で、日本で初めて承認されたPD-L1モノクローナル抗体です。PD-L1とその受容体であるPD-1の相互作用を阻害します。これにより、結合が妨げられ、T細胞の抑制が解除され、抗腫瘍免疫応答が増強します。主にCD8+細胞傷害性T細胞の免疫応答を強化し、腫瘍の増殖を抑制します。

処方可能な診療科目

泌尿器科/皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:200mg約195761円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2017年11月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

バベンチオ点滴静注200mg【製薬メーカー:メルクバイオファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

アメリカやヨーロッパなどで販売されております。

効果・作用

バベンチオ点滴静注は、ヒトPD-L1に対するモノクローナル抗体で、根治切除が難しい尿路上皮癌やメルケル細胞がん、腎細胞がんなどに適応を取得しています。腫瘍細胞ではPD-L1の発現が多いとされておりますが、このPD-L1が受容体のPD-1に結合することを阻害し、T細胞の抑制を解除し、抗腫瘍効果を発揮すると考えられています。

希少な疾患であるメルケル細胞がんに対する国際共同第3相試験を実施しています。遠隔転移のある根治切除ができないメルケル細胞癌患者のうち、パートAでは化学療法歴のある患者88名、パートBでは化学療法歴のない患者29名を対象としました。本剤1kgあたり10mgを2週間の間隔で点滴静注しました。
パートAの主要評価項目として設定した奏効率は31.8%でした。また、事前に設定した閾値奏効率は20%でした。パートBの副次評価項目である奏効率の中間解析は62.5%でした。

また、化学療法歴のない、根治切除ができないもしくは転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者886名を対象に、国際共同第3相試験を実施しています。
本剤を1kgあたり10mg2週間間隔で静脈内投与したうえでアキシチニブを1回5mg1日2回併用で投与したときの有効性と安全性をスニチニブ50mg1日1回を4週間経口投与し、2週間休薬した時と比較しました。
主要評価項目はPD-L1陽性患者における無増悪生存期間と全生存期間でした。結果、本剤とアキシチニブの併用投与はPD-L1陽性患者におけるPFS及びPD-L1の発現を問わない全患者におけるPFSのいずれについてもスニチニブに対して統計学的に有意な延長を示しました。

使用方法

●根治切除不能なメルケル細胞癌、根治切除不能な尿路上皮癌における化学療法後の維持療法に使用する場合、1回10mg/kgを2週間間隔で、1時間以上かけ、点滴静注してください。
●根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に使用する場合、アキシチニブとの併用では、1回10mg/kgを2週間間隔で1時間以上かけ、点滴静注してください。

副作用

主な副作用
高血圧、下痢や悪心、疲労や食欲減退、手掌・足底発赤知覚不全症候群などがあげられます。

重大な副作用
<間質性肺疾患>
2.1%の割合で発現することが報告されております。

<膵炎>
0.6%の割合で認められております。

<肝不全(頻度不明)、肝機能障害(12.7%)、肝炎(0.4%)>
肝不全、AST、ALT、γ-GTP、ビリルビンなどの上昇を伴う肝機能障害や肝炎のリスクがあります。

<大腸炎、重度の下痢>
大腸炎は1.7%、重度の下痢は2.5%報告されております。持続する下痢や腹痛、血便などの症状があらわれた際には、休薬や中止を検討してください。

<甲状腺機能障害>
甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、甲状腺炎などの甲状腺機能障害があらわれることがありますので注意をしてください。

<副腎機能障害>
1.5%の割合で副腎機能不全などの副腎機能障害があらわれることがあります。

<下垂体機能障害>
下垂体炎、下垂体機能低下症などの下垂体機能障害があらわれることがあります。

<1型糖尿病>
糖尿病性ケトアシドーシスに至る可能性があります。1型糖尿病が疑われた場合には、本剤の投与を中止し、インスリン製剤を投与するなどの処置を行ってください。

<心筋炎>

<神経障害>
末梢性ニューロパチー、ギラン・バレー症候群などの神経障害があらわれることがあります。

<腎障害>
急性腎障害、尿細管間質性腎炎などの腎障害があらわれることがあります。

<筋炎、横紋筋融解症>


アナフィラキシー、発熱、悪寒、呼吸困難などがあらわれることがあります。インフュージョンリアクションが認められた場合には、本剤の投与を中止してください。

<重症筋無力症>
重症筋無力症によるクリーゼのため急速に呼吸不全が進行することがあるので、呼吸状態の悪化に十分注意してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■アベルマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼バベンチオの有効成分
アベルマブ(遺伝子組換え)

▼代表薬の添加物
D-マンニトール、ポリソルベート20氷酢酸、水酸化ナトリウム

・以前、アベルマブ(遺伝子組換え)を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・ 自己免疫疾患の合併もしくは慢性的もしくは再発性の自己免疫疾患に以前かかったことのある方は、免疫関連の副作用が発現もしくは増悪する可能性があります。
・間質性肺疾患のある患者もしくは以前かかったことのある方は、間質性肺疾患が発現もしくは増悪する恐れがあるので注意をしてください。
・妊婦には投与するメリットが上回るとされる場合にのみ検討してください。
・小児に対しては臨床試験を実施しておりませんので注意をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、慎重に投与をしてください。

上記にあてはまる方は、アベルマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
アベルマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

アベルマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
薬剤を投与する際に注意することはありますか?

本剤は他の薬剤と混ぜることはせず、0.2 μm のインラインフィルターを通して投与してください。

薬剤投与時の注意

【上記引用元:バベンチオ点滴静注200mg 医薬品インタビューフォーム】

薬剤を調整する際の注意はありますか?

本剤を希釈する際は日局生理食塩液を使用してください。また、混ぜる際は静かに混和し、激しく振らないでください。

薬剤調製時の注意

【上記引用元:バベンチオ点滴静注200mg 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

バベンチオ点滴静注200mg 添付文書

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。