成分名 |
エノシタビン |
適応症状 |
・慢性白血病の急性転化を含む急性白血病 |
簡易説明 |
エノシタビンは、急性白血病に使用されている抗がん剤です。シタラビンの構造を変化させた薬剤で、体内に投与されるとゆっくりシタラビンに変化していきます。体内ではがん細胞の増殖を抑えます。作用の持続時間が長いことが特徴の1つで、急性白血病の場合は、1日1~2回の投与で治療が継続できます。肺や心臓や肝臓など体内のあらゆる場所に高濃度のまま分布する特徴も認められています。旭化成ファーマが開発し、販売しています。 |
処方可能な診療科目 |
血液内科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:150mg約2458円/200mg約2720円/250mg約4104円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2009年9月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
サンラビン点滴静注用150mg/200mg/250mg【製薬メーカー:旭化成ファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
エノシタビンは、抗がん剤です。シタラビンにベヘノイル基を結合させることでできており、組織の中に高濃度、かつ長時間分布するという特徴を持っています。この作用から、急性白血病への優れた有効性が期待されており実際にも優れた臨床効果を持っています。
試験としては、全国19施設において急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性単球性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化などを対象として実施しています。
本剤1kgあたり2.0~8.0mgを6~35日間単独投与した結果、未治療の症例50名中、完全寛解したのは17例で割合として、34.0%でした。完全寛解までは至らなくとも部分寛解をした方は13名、26.0%でした。また、既に治療が行われていた症例27名中、完全寛解したのは4名で割合として14.8%、部分寛解は7名、割合として25.9%でした。
多剤併用療法としては、BH-AC・DMP療法、BH-AC・AMP療法、BHAC・DVP療法などが行われています。この中で、BH-AC・DMP療法の臨床成績は未治療の症例141名中、完全寛解が103名、割合として73.0%で部分寛解は8名、5.7%でした。
また、動物(マウス)を対象に行われた動物実験においても、L1210及びヒトリンパ性白血病細胞などの担癌マウスに対して延命効果を示すことが認められています。 |
使用方法 |
1日、体重1kgあたりり3.5~6.0mgを 5 %ブドウ糖注射液、5%果糖注射液、5%キシリット注射液、生理食塩液、リンゲル液もしくは糖電解質注射液と混合します。静脈内に2~4時間かけて1日1回もしくは2回に分けて点滴注射します。10~14日間毎日連続で投与を行うか、もしくは6~10日間連続して投与後、休薬期間をおいて同じ投与をくり返します。
用量や投与期間については患者の末梢血や骨髄の状態にあわせて増減が可能です。
本剤の調整方法としては、エノシタビン10mgに対し、日局注射用水を 1 mLの割合で加えてください。バイアルを溶解ラックに入れて、事前に沸騰させていた水の中でおよそ10分ほど過熱してください。その間で、3回ほど水から取り出して強く振ってください。 |
副作用 |
主な副作用
使用成績調査3007名を対象としたところ1893名、割合として63%に副作用が確認されています。主に、食欲不振や悪心嘔吐、ASTALTの上昇や発熱などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
消化器・・食欲不振/悪心・嘔吐(10%以上)、下痢/腹痛/腹部膨満感/口内炎(1~10%未満)
精神神経系・・倦怠感/頭痛(1~10%未満)、腰痛/眩暈/しびれ感(1%未満)
肝臓・・ビリルビン/AST(GOT)/ALT(GPT)/Al-Pの上昇(10%以上)
泌尿器・・BUN/クレアチニンの上昇(1~10%未満)、蛋白尿/頻尿(1%未満)
皮膚・・脱毛(1~10%未満)、紅斑/瘙痒(1%未満)
その他・・発熱(10%以上)、浮腫/心悸亢進(1%未満)
重大な副作用
<ショック>
0.4%の割合で確認されています。異常があらわれた場合には投与を中止して医療機関を受診してください。
<重篤な過敏症>
0.1%の割合で確認されています。 胸部圧迫感、発疹、皮膚の潮紅等の重篤な過敏症状が起こる可能性があるので、症状があらわれた際にはすぐに投与を中止してください。
<血液障害>
汎血球減少、白血球減少、血小板減少、貧血などがあらわれることがあります。定期的に血液検査を行い、わずかな変化があれば患者の状態を確認してください。また、必要に応じて減量や休薬を行ってください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■エノシタビンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼サンラビン点滴静注の有効成分
エノシタビン
▼代表薬の添加物
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、デヒドロコール酸、 サリチル酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム水和物、 ブドウ糖、pH調節剤
・以前、エノシタビンを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
使用に注意が必要な方 ・骨髄抑制のある方は症状を悪化させる恐れがあるため使用には注意をしてください。
・完成症を合併している方は、症状を悪化させる恐れがあるため使用には注意をしてください。
・本人もしくは両親や兄弟など気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を持つ方
・以前、薬物を投与して過敏症となったことのある方
・肝障害のある方は症状を悪化させる恐れがあるため使用には注意をしてください。
・小児に投与する場合は性腺への影響を考慮したうえで慎重に投与してください。
・高齢者では一般的に生理機能が低下しているため、用量や投与間隔を調整しながら慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、エノシタビンを使用する事が出来ない可能性があります。 エノシタビンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <他の抗悪性腫瘍剤>
お互いに作用を増強しあうことで、骨髄機能抑制などの副作用が強まってしまう可能性があります。
上記を使用している方は、エノシタビンを使用する事が出来ない可能性があります。 エノシタビンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
エノシタビンに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
サンラビン点滴静注 添付文書 |
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