クロファラビン

成分名

クロファラビン

適応症状

・再発もしくは難治性の急性リンパ性白血病

簡易説明

クロファラビンは、再発もしくは治療を行っても難治の急性リンパ性白血病に使用される抗がん剤で、ヌクレオシドアナログ代謝拮抗剤に分類されています。本疾患は再発すると治療が難しいとされていましたが、本剤が開発されたことで新たな選択肢が増えました。本剤はDNAの合成を阻害することでがん細胞の増殖を抑えます。日本ではサノフィが販売しております。

処方可能な診療科目

血液内科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:20mg約146926円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2013年6月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

エボルトラ点滴静注20mg【製薬メーカー:サノフィ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

およそ50か国で販売されています。
アメリカでの適応は以下となっています。
・2回以上の治療を行っても無効であった再発/難治性小児急性リンパ性白血病(1~21歳)

効果・作用

クロファラビンは、再発もしくは治療を行っても難治の急性リンパ性白血病に使用される抗がん剤です。急性リンパ白血病は、若年期における悪性腫瘍であり、日本ではおよそ2800名の患者がいるとされています。本疾患は、医療の進歩により寛解に至る割合は95%を超えてきましたが、再発した場合においては薬剤に治療抵抗性を示し、再び寛解することが難しいとされていました。再発した時の治療薬が望まれている中で本剤は開発されました。本剤は、白血病細胞でDNA合成を阻害し、また、ミトコンドリアに対してアポトーシス誘導因子を発現させることによってがん細胞の増殖、細胞死効果を発揮します。

複数レジメンによる治療歴のある再発もしくは難治性の急性リンパ性白血病患者を対象に2種類の海外第2相臨床試験成績を実施しています。
1日用量52mg/m2を2時間以上かけて点滴静注し、2~6週ごとに、5日間毎日投与を1クールとして、最大12クールまで投与しました。
1~20歳の61名を対象としたアメリカ第2相試験の結果は、完全に寛解したCRの割合は11.5%で7名の方に認められました。寛解が持続していた期間は32週でありました。
0~21歳の71名を対象としたヨーロッパ第2相試験の結果は、完全に寛解したCRの割合は4.2%で3名の方に認められました。寛解が持続していた期間は27.1週でありました。

日本でも、7名の患者を対象に臨床試験を実施しています。対象は、複数レジメンによる治療歴のある再発もしくは難治性の急性リンパ性白血病患者で、年齢は3~16歳の方が含まれていました。
1日用量30もしくは52mg/m2をそれぞれ3名、4名に2時間以上かけて点滴静注しました。2~6週毎に、5日間毎日投与を1クールとして、最大2クールまで投与しました。
その結果、完全寛解のみならず、部分寛解に達した患者はいませんでした。

使用方法

体表面積あたり52mg/㎡(体表面積)を1日1回2時間以上かけて点滴静注します。
これを5日間毎日投与し、少なくとも9日間は休薬してください。
これを1クールとして繰り返します。患者の症状に合わせて減量が可能となっています。

副作用

主な副作用
国内の臨床試験では、7名中全員に副作用が認められております。主な副作用はAST上昇、ALT上昇が各5例でそれぞれ71.4%、貧血、悪心、嘔吐、食欲減退が各4例でそれぞれ57.1%でした。

重大な副作用
<骨髄抑制>
白血球減少、リンパ球減少、血小板減少、貧血、好中球減少などの血液障害や発熱性好中球減少症があらわれることが高頻度で確認されています。そのため頻繁に血液検査を行い、患者の状態に異常があらわれた場合には減量もしくは休薬、投与中止を検討してください。
<感染症>
3%で敗血症、2.3%で肺炎などの感染症が報告されています。
異常があらわれた場合には減量もしくは休薬、投与中止を検討してください。
<全身性炎症反応症候群/毛細血管漏出症候群>
0.8%で全身性炎症反応症候群、2.3%で毛細血管漏出症候群が報告されており、中には死亡に至った事例もあります。そのため、頻呼吸、頻脈、低血圧、肺水腫などの症状があらわれた場合にはすぐに投与を中止し、医療機関を受診してください。
<肝不全 /肝機能障害/黄疸/静脈閉塞性肝疾患>
肝不全、AST上昇、ALT上昇及びビリルビン上昇などを伴う肝機能障害、黄疸、静脈閉塞性肝疾患があらわれることがあり、死亡に至った事例も報告されています。定期的に肝機能検査を行い、患者の状態に異常があらわれた場合には減量もしくは休薬、投与中止を検討してください。
<腎不全>
2.3%の確率で腎不全などの腎機能障害があらわれることがあります。定期的に腎機能検査を行い、患者の状態に異常があらわれた場合には減量もしくは休薬、投与中止を検討してください。
<腫瘍崩壊症候群>
4.5%で腫瘍崩壊症候群があらわれることがあります。血清中電解質濃度や腎機能検査を行い、異常があらわれた場合には減量もしくは休薬、投与中止し、生理食塩液や高尿酸血症治療剤などの投与、透析などの処置を検討してください。
<中毒性表皮壊死融解症/スティーブンジョンソン症候群>
TENと呼ばれている中毒性表皮壊死融解症と皮膚粘膜眼症候群と呼ばれているスティーブンジョンソン症候群はどちらも頻度不明の確率と報告されています。以上があらわれた場合にはすぐに投与を中止し、医療機関を受診してください。
<心障害>
心嚢液貯留、左室機能不全、心不全、QT延長などの心障害があらわれることがあります。異常があらわれた場合には減量もしくは休薬、投与中止を検討してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■クロファラビンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼エボルトラ点滴静注の有効成分
クロファラビン
▼代表薬の添加物
等張化剤
・以前、クロファラビンを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・腎機能障害のある方は血中濃度が上昇することが報告されていますので、注意をしてください。減量なども症状に応じて考慮してください。
・肝機能障害のある方は血中濃度が上昇することが報告されていますので、注意をしてください。
・骨髄抑制のある方は、骨髄抑制が強まってしまう可能性がありますので注意をしてください。
・感染症を合併している方は、症状が悪化する可能性がありますので注意をしてください。
・妊婦もしくは妊娠している可能性のある婦人には、治療上のメリットが上回るとされる場合にのみ投与を検討してください。
・低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していません。

上記にあてはまる方は、クロファラビンを使用する事が出来ない可能性があります。
クロファラビンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

クロファラビンに関する
よくある質問
調整するときに注意をすることはありますか?

本剤は、孔径0.2μmのシリンジフィルターでろ過したうえで、5%ブドウ糖注射液もしくは生理食塩液で希釈して使用してください。最終的な濃度はに0.15~0.4mg/mLとなります。

適用上の注意

【上記引用元:エボルトラ点滴静注20mg 医薬品インタビューフォーム】

過量投与してしまった場合の報告はありますか?

海外の臨床試験で、承認用量よりも多い、1日当たり70mg/m2を5日間投与された2名の小児において、グレード4の高ビリルビン血症、グレード2及び3の嘔吐、及びグレード3の斑状丘疹状皮疹が認められました。過量投与となった場合には減量や休薬、投与中止の対応を行ってください。

安全性(使用上の注意等)に関する項目

【上記引用元:エボルトラ点滴静注20mg 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

エボルトラ点滴静注20mg添付文書

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。