成分名 |
カルムスチン |
適応症状 |
悪性神経膠腫 |
簡易説明 |
カルムスチンは悪性神経膠腫に対する成分です。悪性神経膠腫とは、脳の神経細胞やグリア細胞から発生するがんであり、悪性度の高い腫瘍の一種です。この悪性神経膠腫に対する具体的なカルムスチンの作用としてはDNAのアルキル化、核酸合成阻害、細胞周期の停止、アポトーシスの誘導によるがん細胞の増殖抑制といった作用があげられます。 |
処方可能な診療科目 |
腫瘍内科/脳内外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約5,000円~10,000円
薬代1枚あたりの目安:7.7mg約163,858円
薬代後発薬1枚の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2013年1月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません |
関連製品(先発薬) |
ギリアデル脳内留置用剤7.7mg(エーザイ) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません |
効果・作用 |
カルムスチンは悪性神経膠腫に対する成分です。悪性神経膠腫とは、脳の神経細胞やグリア細胞から発生するがんであり、悪性度の高い腫瘍の一種です。脳のいずれかの部位に発生し、頭痛、吐き気、嘔吐、失語症、けいれんなどの症状を引き起こすことがあります。
カルムスチンの1つ目の作用としては、がん細胞のDNAにアルキル基を添加することにより、がん細胞の増殖を抑制する作用があげられます。アルキル化されたDNAは正常な細胞と同様に複製されますが、DNA鎖の切断や損傷を引き起こすことがあります。これによりDNA合成が阻害され、DNA損傷応答が活性化されます。
2つ目の作用としては、がん細胞の細胞周期を停止させることがあげられます。細胞周期の停止は、がん細胞の増殖を阻害し、DNA損傷の修復を可能にすることができます。これにより、カルムスチンはがん細胞の成長を遅らせ、治療効果を高めることができます。
3つ目の作用としてはアポトーシスを引き起こすことがあげられます。アポトーシスは、がん細胞を自己崩壊させる細胞死のメカニズムであり、がん細胞を直接的に破壊することができます。カルムスチンはDNA損傷を介して、がん細胞のアポトーシスを誘導することが知られています。がん細胞がアポトーシスを起こすことで、カルムスチンの治療効果が高まると言えます。 |
使用方法 |
・成人(15歳以上):腫瘍切除におけるスペースの大きさや形状を鑑み、ギリアデル8枚(カルムスチンとして61.6mg)または適宜減量した枚数を、脳腫瘍切除術時の切除面をカバーするように留置します。
※ギリアデルは、腫瘍切除におけるスペースの大きさや形状によって、多少重ねて留置することが可能です。
※ギリアデルをカットして使用した際の有効性や安全性は確立されていません。
※ギリアデルを2回以上留置した場合の有効性や安全性は確立されていません。
※腫瘍を切除したあとに不要なスペースが認められる場合、カルムスチンの留置前にそのスペースをうめるなどの対応を行う必要があります。(カルムスチンが脳室系に移行して水頭症が引き起こされる可能性があります)
※カルムスチン留置によって、脳脊髄液の流出が認められる可能性があるので、手術時の硬膜閉鎖などの処理を確実に実施してください。
※カルムスチン留置後のCTおよびMRI検査において、腫瘍切除スペースの脳組織に造影増強が認められた場合には、カルムスチンの留置または腫瘍の増大が原因である可能性があることを踏まえ、適切な処置を検討してください。
※カルムスチン留置部位に気体がたまってしまうことがあり神経症状が引き起こされる可能性があります。 |
副作用 |
重大な副作用
・けいれん、大発作けいれん
※上記症状が引き起こされる可能性があるので、異常が認められた場合には、抗けいれん薬などの適切な処置を行ってください。
・創傷治癒不良
※創傷の治癒状況に影響が出る可能性が考えられます(創傷治癒の遅延など)。
・水頭症、脳浮腫、脳ヘルニア、頭蓋内圧上昇
※上記症状が引き起こされる可能性があるので、異常が認められた場合には、適切な処置を行ってください。
・出血
※脳出血、腫瘍出血、頭蓋内出血などの出血症状が引き起こされる可能性があります。
・感染症
※膿瘍、創傷感染、髄膜炎などの感染症が引き起こされる可能性があります。
・血栓塞栓症
※深部静脈血栓症、脳梗塞、肺塞栓症などの血栓塞栓症が引き起こされる可能性があります。
その他の副作用
・血液系:貧血、血小板数の減少、白血球数の増加、プロトロンビン量の減少、白血球数の減少、汎血球減少症、リンパ球数の減少、血液量減少症
・精神神経系:不眠症、単マヒ、部分的な発作、片マヒ、頭痛、失語症、記憶障害、感覚鈍麻、半盲、脳神経マヒ、構語障害、錯乱状態、解離、感情不安定、うつ病、思考異常、人格障害、末梢性ニューロパチー、幻覚、不安、失見当識障害、妄想症、昏睡、ジスキネジア、会話における障害、異常感覚、錯感覚、認知症、視野欠損、刺激無反応、ふるえ、めまい、片頭痛、嗜眠
・全身症状:胸の痛み、低体温、発熱、むくみ、無力症、顔面浮腫、倦怠感、腫瘤、腫脹、嚢胞、痛み
・感覚器系:視神経乳頭浮腫、眼筋マヒ、斜視、散瞳、霧視、視力障害、失明、弱視、羞明、複視、耳鳴
・皮膚系:かゆみ、多汗症、皮膚の変色、じんましん、発疹
・感染症:カンジダ症、敗血症、尿路感染、帯状疱疹、蜂巣炎
・腎臓、泌尿器系:尿閉、尿失禁、頻尿、膀胱感覚消失、多尿、尿糖
・肝臓系:肝機能検査異常、ALT(GPT)の増加、Al-Pの増加
・循環器系:頻脈、高血圧、ショック、低血圧、チアノーゼ、心電図の異常、心拍出量の異常
・呼吸器系:呼吸困難、しゃっくり、誤嚥性肺炎
・筋骨格系:四肢痛、筋けいれん、頚部の痛み、筋骨格硬直、背部痛、筋力の低下
・代謝、内分泌系:低ナトリウム血症、尿崩症、脱水、高血糖、低マグネシウム血症
・消化器系:下痢、はきけ、食欲不振、嘔吐、腹部不快感、便秘
・その他:切開部位痛、CRP増加、不規則月経、髄液の貯留、処置後血腫、CK(CPK)増加、切開部位のむくみ、切開部位の赤み、創部の炎症、嚢胞性リンパ管腫、脳室炎、髄液細胞増加
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・カルムスチンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ギリアデルはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ギリアデルの有効成分
カルムスチン
▼代表薬の添加物
ポリフェプロサン
・カルムスチンの成分に対し過敏症の既往歴のある方
・妊婦または妊娠している可能性のある方
使用に注意が必要な方 ・妊娠している方
※妊婦または妊娠している可能性のある方には留置できません。妊娠可能な方には、カルムスチン留置後最低2週間以上は適切な避妊法を用いることが必要です。パートナーが妊娠する可能性のある男性についても最低3ヵ月間以上は適切な避妊法を用いる必要があります。
※妊娠動物実験(ウサギ、ラット):催奇形性、胎児への毒性、胚死亡の増加授胎能の低下が引き起こされました。
・授乳している方
※授乳中の方に留置する場合は、授乳を中止してください。
※動物実験(ラット):カルムスチンが乳汁へ移行する可能性があります。
・小児など
上記にあてはまる方は、カルムスチンを使用する事が出来ない可能性があります。 カルムスチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
カルムスチンに関する よくある質問 |
|
参考元一覧 |
ギリアデル 【ギリアデル 添付文書】 |
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |