成分名 |
ベバシズマブ(遺伝子組換え) |
適応症状 |
ベバシズマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医療用の医薬品にはアバスチン点滴静注用100mg/400mg等がありますが、これらの効能又は効果は
1)治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん
2)扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
3)手術不能又は再発乳がん
4)悪性神経膠腫
5)卵巣がん
6)進行又は再発の子宮頸がん
7)切除不能な肝細胞がん
に対して適応症状を持ちます。 |
簡易説明 |
ベバシズマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医療用の医薬品にはアバスチン点滴静注用100mg/400mg等がありますが、これらは抗VEGFヒト化モノクローナル抗体と呼ばれる抗悪性腫瘍剤になります。VEGFは血管内皮増殖因子と呼ばれており血管新生における主要な調節因子であるとともに腫瘍の増殖・転移にも関与しています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/呼吸器内科外科/肝臓内科外科/肛門科/消化器内科外科/麻酔科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
薬代1瓶あたりの目安:100mg約30,400円/400mg約114,500円
薬代後発薬1瓶の目安:100mg約14,300円/400mg約54,400円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。
神経膠腫(グリオーマ)は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
ベバシズマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医療用の医薬品にはアバスチン点滴静注用100mg/400mg等がありますが、2007年4月18日に製造販売が承認され、2007年6月8日に薬価基準に収載、その後2007年6月11日に販売が開始されました。 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
アバスチン点滴静注用100mg/400mg【製薬メーカー:中外製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
ベバシズマブBS点滴静注100mg/400mg「CTNK」【製薬メーカー:日本化薬株式会社】
ベバシズマブBS点滴静注100mg/400mg「ファイザー」【製薬メーカー:ファイザー株式会社】
ベバシズマブBS点滴静注100mg/400mg「日医工」【製薬メーカー:日医工株式会社】
ベバシズマブBS点滴静注100mg/400mg「第一三共」【製薬メーカー:第一三共株式会社】 |
海外での使用実績 |
米国ではGenentech Inc(会社名)がAvastin injection for intravenous use(販売名)を2004年に発売しました。また、EUではRoche Registration GmbH(会社名)がAvastin 25mg/ml concentrate for solution for infusion(販売名)を2005年に発売しました。 |
効果・作用 |
ベバシズマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医療用の医薬品にはアバスチン点滴静注用100mg/400mg等がありますが、これらの効能又は効果は
1)治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん
2)扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
3)手術不能又は再発乳がん
4)悪性神経膠腫
5)卵巣がん
6)進行又は再発の子宮頸がん
7)切除不能な肝細胞がんに対して効果のある医薬品になります。
【作用機序】
ベバシズマブは、VEGF(vascular endothelial growth factor:ヒト血管内皮増殖因子)に対する遺伝子組み換え型ヒト化モノクローナル抗体になります。VEGFは、血管内皮細胞において、細胞分裂促進・生存を制御する事により血管新生の主要な調節因子であるとともに血管透過性の亢進に関与するサイトカインです。また種々の癌細胞において発現が亢進し、腫瘍の増殖・転移に関与しています。
ベバシズマブは、ヒトVEGFと特異的に結合することによって、VEGFと血管内皮細胞上に発現しているその受容体(VEGFR-1及びVEGFR-2)との結合を阻害します。ベバシズマブは、VEGFのシグナル伝達経路を遮断することにより、腫瘍組織における血管新生を抑制し、腫瘍の増殖を阻害します。
また、VEGFにより亢進した血管透過性を低下させ、腫瘍組織で亢進した間質圧を低減します。 |
使用方法 |
1)治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん
他の抗悪性腫瘍剤(フッ化ピリミジン系薬剤を含むもの)と併用し、通常成人に使用する場合においてはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回5mg/kg又は10mg/kgを点滴静脈内注射を行います。投与の間隔は少なくとも2週間以上あけて使用します。もしくは1回7.5mg/kgを点滴静脈内注射を行います。この場合の投与間隔は少なくとも3週間以上あけて使用します。
2)扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、6)進行又は再発の子宮頸がん
他の抗悪性腫瘍剤(白金系抗悪性腫瘍剤を含むもの)と併用し、通常成人に使用する場合においてはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回15mg/kgを点滴静脈内注射を行います。この場合の投与間隔は少なくとも3週間以上あけて使用します。
3)手術不能又は再発乳がん
パクリタキセル(タキソール注射液30mg/100mg)と併用し、通常成人に使用する場合においてはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kgを点滴静脈内注射を行います。この場合の投与間隔は少なくとも2週間以上あけて使用します。
4)悪性神経膠腫
初発悪性神経膠腫の場合は、放射線照射及びテモゾロミドとの併用し、通常成人に使用する場合においてはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kgを2週間間隔または1回15mg/kgを3週間間隔で点滴静脈内注射を行います。なお、患者の状態に応じて投与間隔は適宜延長する事が認められています。
5)卵巣がん
他の抗悪性腫瘍剤(ガイドラインを参考にする事、例えばカルボプラチン及びパクリタキセルなど)と併用し、通常成人に使用する場合においてはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kgを2週間間隔または1回15mg/kgを3週間間隔で点滴静脈内注射を行います。なお、患者の状態に応じて投与間隔は適宜延長する事が認められています。
7)切除不能な肝細胞がん
アテゾリズマブ(遺伝子組換え)(テセントリク点滴静注840mg/1200mg)と併用し、通常成人に使用する場合においてはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回15mg/kgを点滴静脈内注射を行います。この場合の投与間隔は少なくとも3週間以上あけて使用します。 |
副作用 |
重大な副作用
1)ショック、アナフィラキシー(1.9%)
2)消化管穿孔(0.9%)
3)瘻孔(0.3%)
4)創傷治癒遅延
創傷治癒遅延による創し開(0.5%)及び術後出血(0.4%)等の合併症が現れる事があります。
5)出血(19.3%)
消化管出血(吐血、下血)(2.0%)、肺出血(血痰・喀血)(1.2%)、脳出血(0.1%)、鼻出血(15.1%)、歯肉出血(1.4%)、腟出血(0.1%未満)等が現れる事があります。
6)血栓塞栓症
脳血管発作(頻度不明)、一過性脳虚血発作(0.1%)、心筋梗塞(0.1%未満)、狭心症(0.1%)、脳虚血(頻度不明)、脳梗塞(0.2%)等の動脈血栓塞栓症、及び深部静脈血栓症(0.2%)、肺塞栓症(0.1%)等の静脈血栓塞栓症が現れる事があります。
7)高血圧性脳症(頻度不明)、高血圧性クリーゼ(頻度不明)
8)可逆性後白質脳症症候群(0.1%未満)
9)ネフローゼ症候群(0.1%未満)
10)骨髄抑制
汎血球減少症(0.1%未満)、好中球減少(24.5%)、白血球減少(24.3%)、貧血(8.7%)、血小板減少(10.4%)が現れる事があります。
11)感染症(10.0%)
肺炎(0.6%)、敗血症(0.2%)、壊死性筋膜炎(頻度不明)等の感染症が現れる事があります。
12)うっ血性心不全(0.1%未満)
13)間質性肺炎(0.4%)
14)血栓性微小血管症(頻度不明)
15)動脈解離(0.1%未満)
その他の副作用
精神神経系、消化器、泌尿器、肝臓、血液・凝固、心・血管系、皮膚、筋・骨格、呼吸器、眼、代謝、その他の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)5%以上
神経毒性(末梢性感覚ニューロパシー、感覚神経障害、末梢性運動ニューロパシー等)(15.8%)、食欲減退(14.7%)、悪心(14.1%)、口内炎(11.7%)、下痢、嘔吐、便秘、尿蛋白陽性(10.5%)、肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、γーGTP増加、LDH増加等)、高血圧(18.2%)、脱毛症(10.7%)、発疹、関節痛、疲労・倦怠感(15.5%)、発熱
2)1~5%未満
味覚異常、頭痛、不眠症、浮動性眩暈、腹痛、歯肉炎、口唇炎、胃不快感、尿中血陽性、血中ビリルビン増加、フィブリンDダイマー増加、リンパ球数減少、色素沈着、手足症候群、爪の障害、瘙痒症、筋痛、背部痛、発声障害、しゃっくり、咽頭喉頭痛、鼻漏、血中コレステロール増加、血中アルブミン増加、上気道感染(鼻咽頭炎等)、体重減少、Al-P上昇、潮紅、末梢性浮腫、CRP上昇、注射部位反応(疼痛等)
3)1%未満
神経痛、体位性眩暈、不安、嗅覚錯誤、失神、傾眠、痙攣、構語障害、消化不良、歯周病、胃炎、歯痛、消化管潰瘍、痔核、歯肉炎、腸炎、齲歯、逆流性食道炎、胃腸炎、腸閉塞、舌炎、肛門周囲痛、BUN増加、歯の脱落、血中クレアチニン増加、フィブリノゲン増加、INR増加、白血球数増加、APTT延長、プロトロンビン時間延長、好中球数増加、動悸、洞性頻脈、蕁麻疹、紅斑、皮膚乾燥、皮膚剥脱、爪囲炎、皮膚炎、爪色素沈着、四肢痛、過角化、筋骨格硬直、筋骨格痛(肩部痛、臀部痛等)、側腹部痛、筋力低下、咳嗽、呼吸困難、気管支炎、鼻炎、低酸素症、流涙増加、結膜炎、霧視、血中リン減少、血中ナトリウム減少、血中尿酸増加、総蛋白減少、高カリウム血症、高脂血症、血中カルシウム減少、高カルシウム血症、尿中ブドウ糖陽性、血中クロール減少、高血糖、高マグネシウム血症、血中ナトリウム増加、甲状腺機能低下症、低マグネシウム血症、膀胱炎、無力症、低カリウム血症、ほてり、体重増加、胸痛、膿瘍、胸部不快感、脱水、耳鳴、カテーテル関連合併症(感染、炎症等)、口腔ヘルペス、毛包炎、回転性めまい、顔面浮腫、熱感、帯状疱疹、静脈炎、感染性腸炎、耳不快感、不規則月経、疼痛、尿路感染
4)頻度不明
胃腸障害、上室性頻脈、剥脱性皮膚炎、皮膚変色、肺高血圧症、蜂巣炎、眼障害、鼻中隔穿孔、卵巣機能不全(無月経等)、 骨盤痛
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■ベバシズマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、アバスチン点滴静注用100mg/400mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼アバスチン点滴静注用100mg/400mgの有効成分
ベバシズマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
・トレハロース水和物、リン酸二水素ナトリウム一水和物、無水リン酸一水素ナトリウム、ポリソルベート20
2)喀血
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①消化管など腹腔内の炎症を合併している患者
②大きな手術の術創が治癒していない患者
③脳転移を有する患者
④先天性出血素因、凝固系異常のある患者
⑤血栓塞栓症の既往のある患者
⑥糖尿病の患者
⑦高血圧の患者
⑧うっ血性心不全又は冠動脈疾患などの重篤な心疾患のある患者
2)生殖能を有する者
3)妊婦
4)授乳婦
5)小児等
6)高齢者
上記にあてはまる方は、ベバシズマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 ベバシズマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)抗凝固剤、ヘパリン、ワルファリン等
出血リスクを増加させる恐れがある事から、併用する場合には特に注意が必要となります。
上記を使用している方は、ベバシズマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 ベバシズマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ベバシズマブ(遺伝子組換え)に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【中外製薬株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
よくあるご質問 【中外製薬薬剤師向けサイト】 |
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