チラブルチニブ

成分名

チラブルチニブ

適応症状

・リンパ形質細胞リンパ腫
・原発性マクログロブリン血症
・再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫

簡易説明

・腫瘍細胞の増殖に関与するタンパク質の働きをおさえる働きがあり、悪性リンパ腫を治療するのに使用されております。
・B細胞に発現するB細胞受容体の下流シグナル伝達分子であるブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)と結合することで、BTKのキナーゼ活性を阻害し、B細胞性腫瘍の増殖を抑制します。
・PCNSL、LPL、WMに対して治療効果が期待されております。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10000円~
薬代1錠あたりの目安:1錠80mg 約5067.4円~
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 2020年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ベレキシブル錠80mg【製薬メーカー:小野薬品工業】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

・チラブルチニブは、腫瘍細胞のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を選択的に妨害します。
・中枢神経系原発リンパ腫や、原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫は、がん化したB細胞が増え過ぎた状態となっており、B細胞の中にあるブルトン型チロシンキナーゼと呼ばれる酵素がB細胞の活性化や増殖を助ける作用があります。
・BTKは、B細胞の表面にある受容体(BCR)からの刺激によって働きがあり、MYD88やCXCR4と呼ばれるタンパク質からも刺激されます。原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫(WM/LPL)では、MYD88やCXCR4の遺伝子に異常がみられる場合があります。チラブルチニブは、このBTKのはたらきを抑えることでがん細胞が増えるのを抑制します。

≪悪性リンパ腫とは≫
造血機腫瘍の中でも、リンパ系の血球成分から発生するものを「悪性リンパ腫」といいます。
大きく分類すると以下の2種類です。1)
・ホジキンリンパ腫(HL:Hodgkin lymphoma)
・非ホジキンリンパ腫(NHL:Non Hodgkin lymphoma)
悪性リンパ腫では、疾患の悪性度や予後の臨床分類としてアグレッシブ分類(低悪性度、中悪性度、高悪性度)が行われますが、PCNSL、WM、LPLは以下のアグレッシブ分類とされています。
・PCNSL:中悪性度
・WM/LPL:低悪性度
また、PCNSL、WM、LPLの原因となるリンパ腫細胞は「B細胞」に由来していることがほとんどで、細胞膜表面には「B細胞受容体(BCR)」を発現していることが知られています。

使用方法

・成人は、1日1回480mgを空腹時に経口投与すること。
※患者の状態により適宜減量する。

≪用法及び用量に関連する注意≫
・他の抗悪性腫瘍剤との併用については、有益性、安全性は確立しておりません。
・食後に服用した場合は「Cmaxまたは、AUCが上昇する」との報告がありますので、食事の影響を避け、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けるのが望ましいです。
・服用して副作用があらわれたときは、以下の基準を参考にして「休薬/減量/中止」してください。

「減量段階の目安として」
通常投与量の段階の用量は、480mg
1段階減量の段階の用量は、320mg
2段階減量の段階の用量は、160mg

「副作用が現れた時の休薬/減量/中止の目安として」
・副作用⇒【Grade4の好中球減少症】
処置⇒Grade3以下までに体が戻るまで薬は休んでください。また、回復した後、薬を休む前の用量で再開が可能となります。再開後、再び副作用があらわれたときは、また回復するまで薬は控え、回復した後は「1段階減量」して薬の投与が再開可能となります。
・副作用⇒【出血をともなったGrade3の血小板減少症/Grade4の血小板減少症/Grade3以上の血液毒性(血小板減少症または、好中球減少症を除く)/Grade3以上の非血液毒性(間質性肺疾患もしくは、皮膚障害を除きます)】
処置⇒Grade2以下に回復するまで必ず薬を控えてください。また、回復した後については、休薬する前の量で再び服用してください。再開後、再び副作用がでた場合は、体調が戻るまで薬をやめ、回復後には、1段階量を減らし投与を再開することができるようになります。
・副作用⇒【間質性肺疾患】
①Grade2or3
処置⇒Grade1以下に快復するまで服用はしないでください。快復後には、休薬しする前の量で再開をはじめてください。もし、再開した後で副作用が再びあらわれた場合、薬の服用はやめ、1段階減量して投与を再開してください。
②Grade4
処置⇒服用を中止してください。
・副作用⇒【皮膚障害】
①Grade2
処置⇒抗ヒスタミン剤/副腎皮質ホルモンなどを投与し、回復後に投与を継続してください。回復しない時は「1段階減量」し投与継続または、休薬をしてください。
②Grade3以上
処置⇒抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモンを服用するとともに、Grade2以下に回復するまで薬は控えてください。回復した場合は「1段階」量を減らし投与を再開できます。

副作用

主な副作用
■チラブルチニブの主な副作用
チラブルチニブには、副作用が起こる可能性があります。
チラブルチニブを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

悪心、口内炎、便秘、高カリウム血症、発疹、斑状丘疹状皮疹、帯状疱疹、発熱、リンパ球増加、紫斑、嘔吐

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

肺炎、好中球減少、ALT上昇、白血球減少、リンパ球減少、感染症、ニューモシスチス肺炎、アスペルギルス感染症、多形紅斑、貧血、AST上昇、血小板減少、ビリルビン上昇、出血、B型肝炎ウイルス再活性化、帯状疱疹再活性化、中毒性皮疹、肺臓炎、重度皮膚障害、骨髄抑制、発熱性好中球減少症、過敏症、アナフィラキシー、間質性肺疾患、間質性肺炎、Al-P上昇、肝機能障害、γ-GTP上昇

その他の副作用
下痢、鼻炎、胸痛、ヘルペス、真菌感染、リパーゼ増加、高トリグリセリド血症、口腔内出血、尿路感染、低ナトリウム血症、食欲減退、アミラーゼ増加、筋痙縮、味覚異常、感覚消失、不眠症、血尿、蛋白尿、鼻出血、薬疹、皮膚そう痒症、紅斑性皮疹、カンジダ症、皮膚色素過剰、高血圧、体重減少、皮膚障害、紅斑、膀胱炎、免疫性血小板減少性紫斑病、骨髄浮腫、十二指腸炎、浮腫、心電図2相性T波、回転性めまい、眼脂、結膜出血、腹痛、胃炎、皮膚炎、胃食道逆流性疾患、マロリー・ワイス症候群、口腔内潰瘍、心窩部不快感、腹部膨満、舌苔、眼充血、無力症、悪寒、末梢性浮腫、疲労、皮膚乾燥、倦怠感、口渇、気管支炎、結膜炎、インフルエンザ、喉頭炎、敗血症、腹部膿瘍、HDL減少、低カリウム血症、非定型マイコバクテリア感染、低リン酸血症、脂質異常症、眼出血、骨折、関節痛、筋力低下、腱痛、筋骨格痛、健忘毛包炎、、反射消失、異常感覚、関節炎、伸展性足底反応、知覚過敏、嗜眠、末梢性ニューロパチー、錯感覚、痙攣発作、失神、振戦、平衡障害、副鼻腔炎、下肢静止不能症候群、浮動性めまい、頭痛、譫妄、血中クレアチニン増加、眼刺激、咳嗽、呼吸困難、気道炎症、眼そう痒、気管支反応性亢進、筋肉痛、しゃっくり、顔面浮腫、蕁麻疹、毛髪変色、皮膚斑、点状出血、光線過敏症、乾癬、全身性皮疹、皮膚変色、咽頭炎、皮膚剥脱、関節硬直、顔面腫脹、血腫、起立性低血圧、挫傷、CRP増加、気道感染、INR増加、リンパ球浸潤、体重増加、前立腺炎

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■チラブルチニブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ベレキシブルは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ベレキシブルの有効成分
チラブルチニブ
▼代表薬の添加物
結晶セルロース、乳糖水和物、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、マクロゴール4000、タルク、黄色三二酸化鉄

・妊婦/産婦
・過敏症
・B型肝炎/肝機能障害/感染症/骨髄機能低下/手術/B型肝炎ウイルスキャリア/侵襲的手技/HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性/HBs抗原陰性かつHBs抗体陽性

使用に注意が必要な方
・高齢者
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児

上記にあてはまる方は、チラブルチニブを使用する事が出来ない可能性があります。
チラブルチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
強力なCYP3A阻害剤/CYP3Aを阻害する薬剤<中等度>/イトラコナゾール/クラリスロマイシン/ボリコナゾール/強いCYP3A誘導薬/中程度のCYP3A誘導剤/リファンピシン類/カルバマゼピン/フェニトイン/血液凝固阻止剤/抗血小板剤

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
妊娠を考えているのですが飲んでも大丈夫でしょうか?

胎児に影響を与える可能性があるので、服用中、および服用後一定の期間は、避妊が必要となります。妊娠を希望する場合や、すでに妊娠している可能性がある場合は、医師に相談しましょう。

セカンドオピニオンとして別の医療機関を利用する際に、ベレキシブル服用履歴の報告は必要でしょうか?

普段使われてる医療機関から別の医療機関を受診する際、受診のときに必ず医師または薬剤師にベレキシブル服用中であることを伝えてください。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。