ベンダムスチン塩酸塩水和物

成分名

ベンダムスチン塩酸塩水和物

適応症状

・低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫
・再発もしくは難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫
・慢性リンパ性白血病
・腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置

簡易説明

トレアキシンは、アルキル化によって、がん細胞のアポトーシスを誘導することが作用機序となっています。非ホジキンリンパ腫や再発、治療が難しいリンパ腫に対して有効性が認められている抗がん剤です。シンバイオ社が販売しており、ファイザーや東和薬品から後発品も販売されています。交差耐性が少ないという特徴を持っているため、本剤と似た構造の薬剤の治療を過去に行っていても有効な治療効果が期待されています。

処方可能な診療科目

血液内科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:100mg約92175円
薬代後発薬1瓶の目安:25mg約11146円~/100mg約36151円~
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2021年1月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

トレアキシン点滴静注液100mg/4mL【製薬メーカー:シンバイオ】

関連製品(ジェネリック)

ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液25mg/1mL「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品】
ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液100mg/4mL「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品】

ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液25mg/1mL「ファイザー」【製薬メーカー:ファイザ】
ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液100mg/4mL「ファイザー」【製薬メーカー:ファイザ】

海外での使用実績

ドイツやアメリカやイギリスなど世界90か国以上で販売されています。

効果・作用

トレアキシンは、アルキル化作用によってDNAを損傷し、依存性と非依存性の両方の作用から腫瘍細胞のアポトーシスを誘導します。同時に有糸分裂期のチェックポイント阻害を行い、分裂期崩壊誘導も行います。交差耐性が少ないことが1つ特徴です。

未治療の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫又はマントル細胞リンパ腫の患者を対象とした試験を実施しています。本剤とリツキシマブの併用とR-CHOPを比較しました。本剤は1時間かけて投与されています。
結果、無増悪生存期間の最終解析時の成績は、R-CHOP群の31.3カ月に対して、本剤群では61.4カ月でした。

自家造血幹細胞移植の適応とならない再発もしくは治療が難しいびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象に、BR+Pola注20を投与しました。本剤は1時間ほどかけて投与されたところ、完全奏効割合は35名中12名に認められ、34.3%でした。

①未治療の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫、②再発もしくは治療が難しいびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対して、国内第1・第2相試験を実施しています。①をグループ1として、②をグループ2とし、本剤とリツキシマブを併用投与しました。
本剤は、10分間かけて投与された結果、奏効率は、グループ1と2でそれぞれ93.1%に認められました。

使用方法

<低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫への使用>
・抗CD20抗体と併用して使用する場合、体表面積あたり90mg/m2を1日1回10分もしくは1時間かけて点滴静注します。投与を2日間連日行い、26日間休薬します。これを1サイクルとして、投与を繰り返してください。患者の症状に合わせて減量することが可能です。
・再発もしくは治療に難渋している際に単独投与する場合、体表面積あたり120mg/m2を1日1回10分もしくは1時間かけて点滴静注します。投与を2日間連日行い、19日間休薬します。これを1サイクルとして、投与を繰り返してください。患者の症状に合わせて減量することが可能です。

<マントル細胞リンパ腫>
・未治療の場合、リツキシマブとの併用において、体表面積あたり90mg/m2を1日1回10分もしくは1時間かけて点滴静注します。投与を2日間連日行い、26日間休薬します。これを1サイクルとして、投与を繰り返してください。患者の症状に合わせて減量することが可能です。

・再発又は難治性の場合、体表面積あたり120mg/m2を1日1回10分もしくは1時間かけて点滴静注します。投与を2日間連日行い、19日間休薬します。これを1サイクルとして、投与を繰り返してください。患者の症状に合わせて減量することが可能です。

<再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫>
・リツキシマブ(遺伝子組換え)併用の場合、体表面積あたり120mg/m2を1日1回10分もしくは1時間かけて点滴静注します。投与を2日間連日行い、19日間休薬します。これを1サイクルとして、最大6サイクル投与を繰り返してください。患者の症状に合わせて減量することが可能です。
・リツキシマブ(遺伝子組換え)とポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)併用の場合、体表面積あたり90mg/m2を1日1回10分もしくは1時間かけて点滴静注します。投与を2日間連
日行い、19日間休薬します。これを1サイクルとして、最大6サイクル投与を繰り返してください。患者の症状に合わせて減量することが可能です。

<慢性リンパ性白血病>
・体表面積あたり100mg/m2を1日1回10分もしくは1時間かけて点滴静注します。投与を2日間
連日行い、26日間休薬します。これを1サイクルとして、投与を繰り返してください患者の症状に合わせて減量することが可能です。

<腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置>
・再生医療等製品の用法と用量もしくは使用方法に基づき使用します。

副作用

主な副作用
主に、貧血やイムノグロブリン低下、静脈炎、便秘や悪心嘔吐、下痢、食欲不振、肝機能異常などがあげられます。

重大な副作用
重大な副作用としては、骨髄抑制、感染症、間質性肺炎、腫瘍崩壊症候群、重篤な皮膚症状、ショックやアナフィラキシーなどにご注意ください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ベンダムスチン塩酸塩水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼トレアキシン点滴静注の有効成分
ベンダムスチン塩酸塩水和物
▼代表薬の添加物
アルファチオグリセリン、プロピレングリコール、マクロゴール400、水酸化ナトリウム(pH調節剤)

・以前、ベンダムスチン塩酸塩水和物を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・妊婦もしくは妊娠している可能性のある女性

使用に注意が必要な方
・骨髄抑制のある方は骨髄抑制などの副作用が強まってしまう可能性があります。
・感染症を合併している方は症状が悪化する可能性がありますので使用には注意をしてください。
・心筋梗塞、重度の不整脈などの心疾患を合併しているもしくは以前かかったことのある方は、心疾患を悪化させてしまう可能性があります。
・肝炎ウイルスの感染もしくは以前かかったことのある方は、本剤の投与中と治療終了後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意してください。本剤の投与に起因して、肝炎があらわれる可能性があります。
・腎機能障害のある方は副作用が強まってしまう可能性があります。
・肝機能障害のある方は副作用が強まってしまう可能性があります。
・小児を対象とした試験は実施していません。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、慎重に投与をしてください。

上記にあてはまる方は、ベンダムスチン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ベンダムスチン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
<他の抗悪性腫瘍剤>
骨髄抑制などの副作用が強まってしまう可能性があります。

上記を使用している方は、ベンダムスチン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ベンダムスチン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ベンダムスチン塩酸塩水和物に関する
よくある質問
本剤を投与するときに気を付けることはありますか?

本剤は必ず調整後3時間までに投与してください。また、薬剤の液が血管外に漏れると疼痛や壊死を起こす可能性があるので、注意をしてください。

薬剤投与時の注意

【上記引用元:トレアキシン点滴静注 医薬品インタビューフォーム】

過量投与の報告はありますか?

国内外の臨床試験で、最高280mg/m2投与した報告があります。投与後7日目と21日目に心電図の変化が認められました。用量制限毒性と考えられています。

過量投与

【上記引用元:トレアキシン点滴静注 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

トレアキシン点滴静注 添付文書

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。