ウベニメクス

成分名

ウベニメクス

適応症状

「成人急性非リンパ性白血病」に対する完全寛解導入後の維持強化化学療法剤との併用による生存期間の延長

簡易説明

ウベニメクスはがん細胞に対して「抗腫瘍作用」および患者さん自身の「免疫調節作用」を持っています。「成人急性非リンパ性白血病」の症状が完全に落ち着いた後の状態において、維持強化療法剤と呼ばれる数種類の薬と併用して使用される抗がん剤のひとつです。維持強化療法剤と併用する理由として、維持強化療法剤を長期的に服用すると、体内に残っている白血病細胞がこれらの薬に対して抵抗力を獲得し効果がなくなる可能性があるからです。ウベニメクスは抵抗力を獲得した白血病細胞に対しても効果を発揮すると言われています。

処方可能な診療科目

内科/血液内科/腫瘍内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2000円~3000円
薬代1錠あたりの目安:10mg 554.5円
薬代1錠あたりの目安:30mg 949.2円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はベスタチンカプセル10mg/30mgの薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1987年6月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ベスタチンカプセル10mg/30mg【製薬メーカー:日本科薬株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ウベニメクスはがん細胞に対して「抗腫瘍作用」および患者さん自身の「免疫調節作用」を持っています。「成人急性非リンパ性白血病」の症状が完全に落ち着いた後の状態において、維持強化療法剤と呼ばれる数種類の薬と併用して使用される抗がん剤のひとつです。成分のサイズも小さく、毒性も低い特徴をもち、服用するとよく吸収され転移後の小さながん細胞に対しても効果があると言われています。
成人急性非リンパ性白血病の一般的な治療は、DNR、Ara-C、6-MPと呼ばれる化学療法剤などを用いますが、長期的な服用に伴い、体内に残っている白血病細胞が化学療法剤に対して抵抗力を獲得し薬が効かなくなると言われています。ウベニメクスの明確な作用メカニズムは解明されていませんが、化学療法剤に併用するメリットは以下の3点があると考えられています。
①ウベニメクスが患者さんの免疫に対して、免疫調節作用を発揮する(マクロファージやナチュラルキラー細胞などの免疫細胞を活性化し、免疫力を高める可能性がある)。
②ウベニメクスが単体で体内に残っている白血病細胞を抑え込む可能性がある
③ウベニメクスがDNR、Ara-C、6-MPなどの化学療法剤の効果を高め、より強力に白血病細胞を抑え込む可能性がある

使用方法

通常、「成人急性非リンパ性白血病」の完全寛解導入後において、維持強化化学療法剤と併用して服用します。服用量はウベニメクスとして1日30ミリグラムを1日1回服用します。なお、年齢や症状によって医師の判断のもと、適宜増量、減量して服用することができます。

副作用

主な副作用
■「成人急性非リンパ性白血病」の完全寛解導入後において、維持強化化学療法剤と併用して服用した患者さん2164人(承認時:939人、使用成績調査:1225人)における副作用の発症は4.2%で、具体的な副作用については以下の通りです。
・皮膚系の障害(かゆみ、発赤、発疹など):1.3%の患者さんで発症
・消化器系の障害(食欲不振、悪心、嘔吐など):0.9%の患者さんで発症
・肝臓の障害(AST、GOT、ALT、GPT上昇など):1.8%の患者さんで発症

その他の副作用
・精神神経系:ふらつき感、頭痛、しびれなど
・皮膚系:かゆみ、脱毛、発疹、発赤など
・肝臓系:ALT(GPT)の上昇、AST(GOT)の上昇など
・消化器系:悪心、下痢、食欲不振、腹痛、嘔吐、腹部膨満感など
・その他:口の中の違和感、むくみなど

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方
・高齢者
一般的な生理機能が成人と比較して低下しているのでウベニメクスの作用が強くあらわれる可能性があります。
・妊娠している方
妊婦している方、または妊娠している可能性のある方には、治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合のみ服用することが可能です。
ラットの動物実験:「胎児発育不全」の発症が報告されています。
・授乳中の方
授乳している方は、治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合のみ服用することが可能です。
ラットの動物実験:ウベニメクスが乳汁中へ移行することが報告されています。
・小児など
小児に対するウベニメクスの安全性が確立していません。

上記にあてはまる方は、ウベニメクスを使用する事が出来ない可能性があります。
ウベニメクスを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ウベニメクスの効果は「成人急性非リンパ性白血病に対する完全寛解導入後の維持強化化学療法剤との併用による生存期間の延長」とありますがどのくらい延長できる可能性がありますか?

成人急性非リンパ性白血病において完全に症状が落ち着いた状態の患者さんにおいて、維持強化化学療法にウベニメクスを併用する臨床試験を実施した結果、ウベニメクスを服用しなかった患者さん53名の「50%生存期間」が18.9ヶ月であったのに対して、ウベニメクスを服用した患者さん48名は33.3ヶ月であり、約1.8倍の50%生存期間の延長を認めたというデータがあります。ベスタチンカプセル10mg 【ベスタチンカプセル10mg 添付文書】

ウベニメクスを服用後どのくらいで効果がでますか?

ウベニメクスの血液中の濃度は、服用1時間後に最高になります。しかしながら24時間後にほとんど体内から消失するため医師の指示のもと、用法用量を守り血液中のウベニメクスの濃度を安定的に保つ必要があります。ベスタチンカプセル10mg 【ベスタチンカプセル10mg 添付文書】

ウベニメクスの錠剤の使用期限はどのくらいですか?

添付文書上、室温(1~30℃)保存で3年間使用できると記載があります。なお、薬のシートにも記載がありますので必ずシートで確認をしてください。ベスタチンカプセル10mg 【ベスタチンカプセル10mg 添付文書】

ウベニメクスの効果として「免疫調整作用」がありますが、成人急性非リンパ性白血病以外の病気においても免疫強化の効果はありますか?

動物や実験室レベルの実験においてはウベニメクスにより細胞のマクロファージやナチュラルキラー細胞といった免疫細胞を活性化する効果が認められています(マウス、ラット、ヒト由来の細胞)。しかしながらあくまで人間以外の非臨床試験での確認事項となりますので、医療用医薬品としてウベニメクスを使用する際は医師の指示のもと、正しい適応(成人急性非リンパ性白血病に対する完全寛解導入後の維持強化化学療法剤との併用による生存期間の延長)でのみ使用してください。ベスタチンカプセル10mg 【ベスタチンカプセル10mg 添付文書】

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