ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)

成分名

ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)

適応症状

再発または難治性のCD33陽性の急性骨髄性白血病

<適応症状における注意>
■ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)の使用に際し、ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)の必要性を慎重に検討してください。また、その他の再寛解導入療法の適応がない以下のケースを対象としてください。
・高齢者(60歳以上の初回再発)のケース
・同種造血幹細胞移植を実施した後の再発ケース
・再発を2回以上繰り返しているケース
・シタラビン大量療法などの再寛解導入療法が効かないあるいは効かないと予測される難治性のケース
・急性前骨髄球性白血病で、トレチノイン療法などの再寛解導入療法が効かないあるいは効かない可能性があると予測されるケース

■下記ケースに対して、ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)の有効性や安全性は確認されていません。
・骨髄異形成症候群発症から進行した急性骨髄性白血病のケース
・抗悪性腫瘍剤に関連して二次的に発症した急性骨髄性白血病のケース
・第2再発以降のケースでの再寛解導入療法(60歳以上の高齢者)
・ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を使用した後で再発したケース

■ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を使用する際は、フローサイトメトリー検査を実施して白血病細胞がCD33陽性であることを必ず確認してください。

簡易説明

ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)は再発または難治性のCD33陽性の急性骨髄性白血病に用いられます。ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)は、ヒト化抗CD33抗体と抗腫瘍性抗生物質であるカリケアマイシンの誘導体を結合した抗悪性腫瘍薬であり、CD33抗原を発現している白血病細胞に対して結合し、その細胞内でカリケアマイシン誘導体を遊離させてがん細胞の増殖を食い止めます。

処方可能な診療科目

腫瘍内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1瓶あたりの目安:5mg約202,239円
薬代後発薬1瓶の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2005年9月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

マイロターグ点滴静注用5mg(ファイザー)

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)は再発または難治性のCD33陽性の急性骨髄性白血病に用いられます。
様々な要因によってDNAに異常が起こり、それによって無限に増え続け(増殖)、別の臓器や器官に移動(転移)する細胞をがん細胞と呼びます(様々な要因に関しては、多段階発がん、がん遺伝子、がん抑制遺伝子、遺伝子突然変異などが挙げられます)。通常の細胞では、異常が起きたり老化したりすると細胞が自ら破壊されるアポトーシスと呼ばれる現象で排除されますが、がん細胞はそのアポトーシスから逃れる機能を持っていて、異常な状態になっているのにも関わらず増殖し続けます。つまり1つのがん細胞が発生すると、1つが2つに、2つが4つに、4つが8つに分裂しといった形で二次関数的に増殖してしまうため早期の段階で増殖を止める必要があると言えます。これは固形がんだけでなく、白血病などでも同様と考えられます。
がん細胞の増殖を阻害する薬には、化学療法薬、分子標的薬、内分泌療法薬など複数ありそれぞれ特徴が異なっています。ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)は、ヒト化抗CD33抗体と抗腫瘍性抗生物質であるカリケアマイシンの誘導体を結合した抗悪性腫瘍薬です。したがってCD33抗原を発現している白血病細胞に対して結合し、細胞内に取り込まれた後にカリケアマイシン誘導体が遊離してがん細胞の増殖を食い止めます。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)1回量9mg/体表面積m2を2時間かけて点滴静脈内投与します。回数は少なくとも14日間の間隔をあけて2回とします。

<使用上の注意>
・高尿酸血症を予防するため、水分補給の実施やアロプリノールの投与など、適切な対策をとってください。
・ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を3回以上使用したケースにおける安全性、有効性は確立されていません。
・infusion reactionを軽減させるため、ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)投与の1時間前にジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン剤、およびアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤の前投与を行い、その後も症状に応じて解熱鎮痛剤の追加投与を検討してください。さらにゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)の投与前にメチルプレドニゾロンなどの副腎皮質ホルモン剤を投与するとinfusion reactionが軽減される可能性もあります。
・ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)は前投与を実施していないケースにおける安全性は確立されていません。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・infusion reaction
※多くの場合、ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)の投与開始後24時間以内に初期症状が発現すると言われています。モニタリングを十分に行って、異常が確認された場合には、すみやかに投与を中止し、適切な処置を行ってください。
・播種性血管内凝固症候群(DIC)
・腫瘍崩壊症候群(TLS)
・肺障害、間質性肺炎
・血液障害(骨髄抑制など)
・重篤な過敏症
・口内炎
・感染症
・出血
・肝障害
・腎障害

その他の副作用
次に挙げるような副作用が引き起こされる可能性があります。
・循環器系:低血圧、高血圧、不整脈、頻脈、動悸、息切れ、心拍数の減少、心電図の異常、心不全、心筋虚血
・血液系:紫斑、凝固線溶系異常、点状出血、斑状出血、皮下出血
・精神系:不眠、めまい、しびれ、抑うつ、不安、浮遊感
・呼吸器系:咽頭炎、咳嗽、鼻炎、呼吸音の変化、声のかすれ、喉頭炎
・消化器系:悪心、胃炎、口唇炎、歯肉出血、食欲不振、腹痛、便秘、消化不良、下痢、歯周炎、お腹のハリ、吐血、口の渇き、嘔吐、しゃっくり、血腫
・生殖器系:腟出血、不正子宮出血
・代謝異常:各種電解質異常
・皮膚系:かゆみ、発疹、毛包炎、爪囲炎
・その他:体重の減少、体重の増加、発熱、頭痛、脱力感、悪寒、だるさ、むくみ、筋痛、耳の痛み、四肢の痛み、肛門周囲の痛み、胸の痛み、投与部位における反応、背部痛、関節痛、ほてり、顔面腫脹、冷感

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、マイロターグ点滴静注用はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼マイロターグ点滴静注用の有効成分
ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
デキストラン40、精製白糖、リン酸二水素ナトリウム一水和物、塩化ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウ

使用に注意が必要な方
・末梢血白血球数が30,000/μL以上の方
・感染症を併発している方
※感染症の増悪が引き起こされる可能性があります。
・肺疾患を患っている方
※肺障害の増悪が引き起こされる可能性があります。
・造血幹細胞移植(HSCT)の実施前または実施後にゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を使用する方
・肝機能障害を患っている方
※肝不全などによる死亡例が確認されています。
・腎機能障害を患っている方
※副作用が強く引き起こされる可能性があります。
・生殖能をもっている方
※妊娠の可能性がある女性は、ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)使用中および使用終了後の一定期間は適切な避妊をしてください。
※パートナーが妊娠する可能性のある男性は、ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)使用中および使用終了後の一定期間は適切な避妊をしてください。
※性腺に対する影響を検討したうえで使用してください。
・授乳している方
※授乳をしないことが推奨されています。
・妊娠している方
※妊娠している方、または妊娠している可能性のある方は使用しないことが推奨されています。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・マクロライド系抗生物質(ジョサマイシンプロピオン酸エステルなど)、ストレプトグラミン系抗生物質、ケトライド系抗生物質、テリスロマイシン、キヌプリスチン・ダルホプリスチン、副腎皮質ホルモン(メチルプレドニゾロンなど)、抗真菌剤(イトラコナゾールなど)

上記を使用している方は、ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
infusion reactionの初期症状と発症率を教えてください。

infusion reactionの初期症状は、発熱、悪寒、悪心、頭痛、嘔吐、低血圧、高血圧、呼吸困難、高血糖および重症肺障害、低酸素症などが挙げられます。なおinfusion reactionの発症率は88.0%という報告があります。マイロターグ点滴静注用 【マイロターグ点滴静注用 添付文書】

ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)の投与後はどのくらいバイタルサインのモニタリングをすればよいでしょうか?

目安として、投与終了後4時間はバイタルサインをモニタリングするよう推奨されています。マイロターグ点滴静注用 【マイロターグ点滴静注用 添付文書】

参考元一覧

マイロターグ点滴静注用 【マイロターグ点滴静注用 添付文書】

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