成分名 |
ドキシフルリジン |
適応症状 |
子宮頸癌、結腸・直腸癌、乳癌、膀胱癌、胃癌 |
簡易説明 |
ドキシフルリジンはがん細胞の核酸に対して効果を発揮します。正常な細胞には取り込まれず、通常がん細胞にだけ届けられる仕組みになっています。具体的にはドキシフルリジンが核酸の合成に必要なU(ウラシル)と非常によく似た構造をしているため、がん細胞がU(ウラシル)と誤ってドキシフルリジンを細胞内に取りこんでしまうという仕組みになっています。もちろん、ドキシフルリジンはU(ウラシル)としての機能を持ち合わせていないため、結果として核酸の合成がブロックされたり、核酸の機能障害を引き起こされたりすることにより抗がん作用が発揮されます。 |
処方可能な診療科目 |
婦人科/消化器内科/消化器外科/泌尿器科/内科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2000円~3000円
薬代1プセルあたりの目安:200mg 197.5円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はフルツロンカプセル200の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1987年9月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
フルツロンカプセル200(太陽ファルマ株式会社) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
人間の細胞の中には核がありその中には核酸(DNA、RNA)が存在しています。核酸は、アデニン (A)、チミン (T)(もしくはウラシル (U))、グアニン (G) 、シトシン (C) を含むヌクレオチドと呼ばれる化学物質の集合体で成り立っており、その配列は高度にプログラミングされています。もちろん「がん化」してしまった細胞においても上記のA、T(もしくはU)、G、Cの配列を保ちながら増殖を繰り返し、指数関数的に増え続けます。
ドキシフルリジンはこのがん細胞の核酸に対して効果を発揮しますが、正常な細胞には取り込まれず、通常がん細胞にだけ届けられる仕組みになっています。具体的にはドキシフルリジンが核酸の合成に必要なU(ウラシル)と非常によく似た構造をしているため、がん細胞がU(ウラシル)と誤ってドキシフルリジンを細胞内に取りこんでしまうという仕組みになっています。もちろん、ドキシフルリジンはU(ウラシル)としての機能を持ち合わせていないため、結果として核酸の合成がブロックされたり、核酸の機能障害を引き起こされたりすることにより抗がん作用が発揮されます。このように、がん細胞の代謝を阻害する作用をもつことから「代謝拮抗薬」と呼ばれることもあります。 |
使用方法 |
通常、ドキシフルリジンを1日量として800~1200ミリグラムを3、4回に分けて服用してください。なお、年齢や症状、副作用の状態により医師の指示のもとで服用量を調節することができます。
<重要な基本的注意事項>
・骨髄の機能が抑制される等の重大な副作用が起こる可能性があるので、定期的(特に投与始めたてでは頻回)に病院において精密検査(血液の検査、肝臓の機能の検査、腎臓の機能の検査など)を行うなど、副作用の状態を十分に観察することが重要です。
・感染症にかかりやすかったり、出血しやすい傾向になったりする可能性があります。服用中はそのような症状の出現、または悪化に十分注意してください。 |
副作用 |
重大な副作用
・重篤な腸炎
虚血性腸炎、壊死性腸炎、出血性腸炎などがあらわれる可能性があります(初期症状は胃痛、腹痛、頻回の軟便など)。
・重篤な精神神経の障害
ものわすれ、知覚障害、口のもつれ、歩行障害、意識障害、麻痺、尿失禁、舌のもつれがあらわれる可能性があります。
・急性腎不全
激しい下痢や脱水などが原因で体の中の循環不全が発症し、虚血性急性腎不全という病態を引き起こす可能性があります。激しい下痢や脱水などがあらわれた場合は、腎臓の副作用にも注意が必要です。
・溶血性貧血、骨髄の機能抑制
貧血、白血球減少、血小板減少、汎血球減少など骨髄の機能抑制やそれに伴う溶血性貧血と呼ばれる病態を引き起こす可能性があります。
・嗅覚脱失
嗅覚障害があらわれた後、嗅覚が失われる可能性があります。
・間質性肺炎
間質性肺炎が引き起こされる可能性があります(初期症状は咳、発熱、息切れ、呼吸困難など)。
・脱水症状
原因として、激しい下痢があらわれ、繰り返すことにより脱水症状まで至る可能性があります(初期症状は胃痛、腹痛、頻回の軟便など)。
・中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
・心不全、心筋梗塞、安静狭心症、不整脈などの心臓の障害
・肝臓の機能障害、肝硬変(黄疸含む)
・ネフローゼ症候群
・急性膵炎
・アナフィラキシー、ショック
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・ドキシフルリジンに対し重大な過敏症の経験がある方
・「テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤」を服用中の方、および服用中止後7日以内の方
※ギメラシルがフルオロウラシルの分解をブロックし、血液中のフルオロウラシル濃度が過剰に上昇します。その結果、早期の段階で重大な血液の障害や激しい下痢、口内炎などの消化管の障害が現れる可能性があります。
使用に注意が必要な方 ・骨髄の機能が落ちている方
骨髄の機能がさらに落ちてしまう可能性があります。
・感染症を併発している方
骨髄の機能が落ちることで、かかっている感染症が悪化する可能性があります。
・心臓の病気、またはその経歴がある方
心臓の病気が悪化する可能性があります。
・消化管に潰瘍(胃潰瘍など)または出血のある方
消化管の潰瘍、出血の症状が悪化する可能性があります。
・水痘にかかっている方
命にかかわる全身的な障害があらわれる可能性があります。
・腎臓の機能に障害のある方
ドキシフルリジンの副作用が強くあらわれる可能性があります。
・肝臓の機能に障害のある方
ドキシフルリジンの副作用が強くあらわれる可能性があります。
・生殖が可能な方
小児および生殖が可能な年齢の方が服用する必要がある場合には性腺に対する影響を考える必要がありま。
・妊娠している方
妊娠している方または妊娠している可能性のある女性は服用しないことが望ましいとされています。
※ラットで、胎児に骨格の異常が報告されています。
・授乳している方
授乳は避けることが望ましいとされています。
※ラットで、母乳中へドキシフルリジンが移行することが報告されています。
・小児など
副作用の発症に特に注意が必要です(小児などを対象とした臨床試験は実施されていません)。
・高齢者
肝臓や腎臓などの生理的機能が低下している場合が多いので慎重に服用することとされています。
上記にあてはまる方は、ドキシフルリジンを使用する事が出来ない可能性があります。 ドキシフルリジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・その他の抗がん剤
互いの副作用が増強され、血液の異常、消化管障害などの副作用がさらに増強する可能性があります。
・フェニトイン
めまい、ふらつき、運動能力異常などのフェニトイン中毒があらわれる可能性があります。
▼代表的な薬の製品名
アレビアチン(住友ファーマ)/ ヒダントール(藤永製薬)
・ワルファリンカリウム
ワルファリンカリウムの作用が増大し、出血しやすい傾向があらわれる可能性があります。
▼代表的な薬の製品名
ワーファリン(エーザイ)/ ワルファリンK(武田テバファーマ)など
・トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤
副作用が増大する可能性があります。
▼代表的な薬の製品名
ロンサーフ(大鵬薬品工業)など
上記を使用している方は、ドキシフルリジンを使用する事が出来ない可能性があります。 ドキシフルリジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤
※ギメラシルがフルオロウラシルの分解をブロックし、血液中のフルオロウラシル濃度が過剰に上昇します。その結果、早期の段階で重大な血液の障害や激しい下痢、口内炎などの消化管の障害が現れる可能性があります。
▼代表的な薬の製品名
ティーエスワン(大鵬薬品工業)/EEエスワン(エルメッド)/エスエーワン(沢井製薬)/エスワンケーケー(小林化工)/エスワンタイホウ(岡山大鵬薬品)/エヌケーエスワン(日本化薬)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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