メルファラン

成分名

メルファラン

適応症状

多発性骨髄腫の自覚的並びに他覚的症状の緩解

簡易説明

がん細胞をおさえる薬で、多発性骨髄腫の治療に使用されます。細胞増殖に必要なDNAに働き、DNA複製阻害作用、DNAの破壊作用による抗腫瘍効果があります。細胞の核酸の合成を妨害することで、がん細胞を死滅させ、骨髄腫にともなう貧血症状を改善し、倦怠感、腰痛などを改善します。また、乳がんや卵巣がんの手術後の補助療法として、再発予防目的に使用される可能性もあります。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科/整形外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1錠あたりの目安:1錠2mg約146.6円/錠
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。
▽指定難病の場合の対象となる場合の記載方法は下記の文面を参考にお願い致します。
指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。性症は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 1979年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外のみ)

関連製品(先発薬)

アルケラン錠2mg【製薬メーカー:サンドファーマ】

関連製品(ジェネリック)

ALKERAN tablet, film coated 2 mg (NDA)【製薬メーカー:ApoPharma USA, Inc.】
Melphalan tablet 2 mg (ANDA)【製薬メーカー:Alvogen Inc.】

効果・作用

最古の抗がん薬ナイトロジェンマスタードの流れをくむアルキル化薬です。細胞の遺伝情報を持つ「DNA」をアルキル化し、DNAの働きを不能にし、がん細胞の増殖を抑制するので「アルキル化薬」と呼ばれます。アルキル基はがん細胞などのDNAに結合しDNAの複製を阻害する作用があります。また、アルキル基が結合した状態で細胞が分裂や増殖を続けようとすると「DNAの破壊」がおこり細胞が死滅します。この作用により抗腫瘍効果をあらわします。造血幹細胞の移植を行う際「移植による拒絶反応を抑える」と「悪性の骨髄細胞を根絶すること」という目的で前処置の際にメルファランの大量投与を行います。主に「多発性骨髄腫、白血病、悪性リンパ腫、小児固形腫瘍」などの前処置で使用されます。

▼作用機序
がん細胞は細胞分裂を繰りかえし、増殖します。この時に増殖する細胞は臓器として機能せず、自己を増殖を行うことだけを考えます。がん細胞は正常細胞の中へ入って栄養を吸い取り、栄養失調を引き起こさせます。そして正常細胞に替わり、がん細胞の割合が増えるために臓器不全を引き起こします。細胞分裂を行うためには「DNAの複製」が必要です。DNAを複製できなければ、細胞分裂も起こりません。抗がん剤は「DNA合成」を妨害することで細胞分裂を止めます。アルキル化剤という薬は「DNA鎖」に結合する性質があり、DNAにアルキル化剤が結合することでDNAが複製できなくなります。(このときの結合様式が橋を架けたように見えることから「架橋反応」とも呼ばれます)このこのから、DNA鎖へ直接作用することにより、細胞分裂を抑える薬がメルファランです。がん細胞のように細胞分裂が活発であると、DNAの合成も活発です。アルキル化剤は「DNA合成を抑制し、細胞死へと導く」という毒性があるので、がん細胞に対して特に強い細胞毒性をあらまします。

▼他のアルキル化剤
エンドキサン/ダカルバジン/テモダール

使用方法

①1日1回2~4mgを連日経口投与してください。
②1日1回6~10mgを4~10日間(総量40~60mg)経口投与し、休薬して骨髄機能の回復を待ち(2~6週間)、1日2mgの維持量を投与してください。
③1日1回6~12mgを4~10日間(総量40~60mg)経口投与し、休薬して骨髄機能の回復を待ち(2~6週間)、同様の投与法を反復してください。
※投与中は頻回に血液検査を行い、特に白血球数、血小板数を指標として適宜用量を増減、または休薬してください。

副作用

主な副作用
食欲不振、悪心、嘔吐、腹痛、胃重感、下痢、腹部膨満感、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、口内炎、発熱

重大な副作用
骨髄抑制、白血球減少、汎血球減少、血小板減少、貧血、ショック、アナフィラキシー、心停止、重篤な肝障害、黄疸、肝炎、間質性肺炎、肺線維症、溶血性貧血

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。

その他の副作用
そう痒感、発疹、脱毛、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇、感染、過敏症、紅斑、丘疹、眩暈、血圧低下、呼吸困難、蕁麻疹、浮腫、卵巣機能不全、月経異常、BUN増加

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■メルファランを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方アルケランは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼アルケランの有効成分
メルファラン
▼代表薬の添加物
結晶セルロース、クロスポビドン、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、ヒプロメロース、マクロゴール400

■他に使用できない方
・妊婦/授乳者
・過敏症
・白血球数2000/mm3以下
・血小板数50000/mm3以下

使用に注意が必要な方
高齢者
感染症
腎機能障害
尿毒症
放射線照射中
放射線照射直後
化学療法剤投与中
化学療法剤投与直後

上記にあてはまる方は、メルファランを使用する事が出来ない可能性があります。
メルファランを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
化学療法

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
フコダインと併用することで効果があがるのでしょうか?

九州大学の研究の結果、低分子化フコイダンと抗がん剤を併用することで、抗がん剤の治療効果が増強されることが明らかになってます。

薬剤性貧血の症状はどのようなものですか?

医薬品による貧血は、飲み始めてから比較的すぐに起きる場合と、数ヶ月後に起きる場合があり、「顔色が悪い」「疲れやすい」「だるい」「頭が重い」「どうき」「息切れ」などの症状がみられた場合は、医師・薬剤師に連絡してください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。