成分名 |
ラロトレクチニブ硫酸塩 |
適応症状 |
NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌 |
簡易説明 |
人間の身体には「TRKタンパク質」という、神経細胞を正常に分裂させたり、安全に維持したりすることをサポートするタンパク質が存在します。
また、TRKタンパク質は「NTRK遺伝子」という遺伝子が活性化することで生み出されます。
通常、細胞内の遺伝子同士が融合することはありませんが、NTRK遺伝子が、細胞の核内でその他の遺伝子と融合してしまうことがあり、その状態になると神経に異常が生じ、がん細胞が無限増殖するとともにがんが発生、進行しやすい状況となります。
ラロトレクチニブはその神経の異常をブロックする作用があります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/神経内科/口腔内科/内分泌科/呼吸器内科/消化器内科/泌尿器科/腎臓内科/婦人科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~
薬代1カプセルあたりの目安:25mg 4042.5円
薬代1カプセルあたりの目安:100mg 14542.9円
薬代1mlあたりの目安:1ml 2908.6円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※高額療養費制度の対象になる可能性があるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。
※上記の目安は、ヴァイトラックビカプセル、ヴァイトラックビ内用液の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2021年 7 月(ヴァイトラックビカプセル)/ 2021年 8月(ヴァイトラックビ内用液) |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ヴァイトラックビカプセル25㎎/ヴァイトラックビカプセル100㎎/ヴァイトラックビ内用液20mg/ml【バイエル薬品株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
人間の身体には「TRKタンパク質」という、神経細胞を正常に分裂させたり、安全に維持したりすることをサポートするタンパク質が存在します。
また、TRKタンパク質は「NTRK遺伝子」という遺伝子が活性化することで生み出されます。
通常、細胞内の遺伝子同士が結合することはありませんが、NTRK遺伝子が、細胞の核内でその他の遺伝子と結合してしまうことがあります。
このように、ある遺伝子がその他の遺伝子と結合してしまい、ひとつの遺伝子のように合体して正常なはたらきができなくなる現象を「融合」といいます。
NTRK遺伝子と融合してしまう遺伝子は現時点で多く確認されています。
何らかの原因で他の遺伝子と融合してしまった「NTRK融合遺伝子」からは異常なタンパク質(TRK融合タンパク質)が生み出され、通常では増殖する必要のない時にでも細胞が無限増殖し、がんが発生、進行しやすい状況となります。
ラロトレクチニブは、NTRK融合遺伝子が活性化することで生み出されるTRK融合タンパク質のはたらきをブロックする作用を持ちます。
TRK融合タンパク質のはたらきをブロックすることで、がん細胞からがん細胞へ伝わる信号もブロックされ、がん細胞が無限に増殖することを抑えることができます。 |
使用方法 |
■成人の場合
ラロトレクチニブとして1回100ミリグラムを1日2回服用します
※症状、副作用の状態により減量しながら調節してください
■小児の場合
ラロトレクチニブとして体表面積当たり1回100ミリグラムを1日2回服用します
※1回100ミリグラムを超えてはいけません。
※症状、副作用の状態により減量しながら調節してください
【共通の注意点】
・その他の抗がん剤と一緒に服用することについて有効性や安全性は確立していないことを踏まえて使用してください
・ヴァイトラックビ経口液剤はヴァイトラックカプセル剤の服用ができない場合に使用し、さらにカプセル剤と経口液剤との間で服用の切換えを行う際、症状や副作用の変化をより慎重に観察したうえで切換えてください |
副作用 |
重大な副作用
・肝臓の機能障害:AST増加(23.3%)、ALT増加(28.0%)などの血液検査値の異常をともなった肝臓の機能障害があらわれることがあります
・骨髄抑制:リンパ球の減少(3.7%)、血小板の減少(4.2%)、貧血症状(7.9%)、白血球の減少(9.0%)、好中球の減少(10.6%)などの骨髄抑制症状があらわれることがあります
・中枢神経系障害:認知機能の障害(0.5%)、運動機能の低下(0.5%)、歩行機能の障害 (1.6%)、錯覚(2.6%)、重大なめまい(17.5%)などがあらわれることがあります
その他の副作用
・神経系障害:頭重感・頭痛
・全身症状:疲労感(14.3%)、むくみ
・胃腸障害:はきけ(10.6%)、便秘症状(10.1%)、味覚の異常、下痢、嘔吐
・筋肉関連:筋肉痛、筋力の一時的な低下
・皮膚系障害:発疹
・その他:体重の増加
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・ヴァイトラックビカプセル/内服液の成分に対してアレルギー症状、過敏症の経験のある方
▼ヴァイトラックビカプセル/内服液に含まれる成分
ラロトレクチニブ
使用に注意が必要な方 ・肝臓に機能障害のある方
※ラロトレクチニブの血液中の濃度が上昇し、強い副作用が起こるおそれがあります。医師の判断のもと減量を検討するとともに、身体の状態を慎重に観察して副作用の出現に十分注意してください。
・生殖可能な状態の方
※妊娠が可能な状態の女性には、ラロトレクチニブ服用中、または投服用了後一定期間は避妊を行ってください。
・妊娠されている方
※マウスですが、神経の異常が発生し生後まもなく死亡してしまったというデータがあります。ラロトレクチニブが胎児へ与える有害な影響を排除できません。したがって妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
・授乳されている方
※授乳しないことが望ましいとされています。データはありませんが、ラロトレクチニブの特性上、乳汁に移る可能性があります。
上記にあてはまる方は、ラロトレクチニブ硫酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ラロトレクチニブ硫酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・CYP3Aという酵素をブロックする薬
※これらの薬がCYP3Aという酵素をブロックすることにより、ラロトレクチニブの血液中の濃度が上昇する可能性があります。 その結果、ラロトレクチニブの副作用が強くあらわれるそれがあるので、これらの薬と一緒に服用することは可能な限り避けましょう。仕方なく一緒に服用する場合、ラロトレクチニブの減量を医師の判断をもとに検討し、身体の状態を慎重に観察し副作用の出現に十分注意してください
▼CYP3Aという酵素をブロックする成分
イトラコナゾール、クラリスロマイシン、ボリコナゾール等 グレープフルーツ含有食品など非常に多くの薬が該当するため、ラロトレクチニブ服用の際は必ず医師に服用中の薬をすべて申し出てください
・CYP3Aという酵素を体内に増やす薬
※これらの薬がCYP3Aという酵素を増やすことにより、ラロトレクチニブの血液中の濃度が減少する可能性があります。 その結果、ラロトレクチニブの作用が弱まってしまうおそれがあるので、これらの薬と一緒に服用することは可能な限り避けましょう
▼CYP3Aという酵素を体内に増やす成分
リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール等
・ セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
※セイヨウオトギリソウがCYP3Aという酵素を増やすことにより、ラロトレクチニブの血液中の濃度が減少する可能性があります。 その結果、ラロトレクチニブの作用が弱まってしまうおそれがあるので、これらの薬と一緒に服用することは可能な限り避けましょう
・CYP3Aという酵素の基質となる薬
※これらの薬がCYP3Aという酵素をブロックすることにより、ラロトレクチニブの血液中の濃度が上昇する可能性があります。 その結果、ラロトレクチニブの副作用が強くあらわれるそれがあるので、これらの薬と一緒に服用することは可能な限り避けましょう。仕方なく一緒に服用する場合、ラロトレクチニブの減量を医師の判断をもとに検討し、身体の状態を慎重に観察し副作用の出現に十分注意してください
▼CYP3Aという酵素の基質となる成分
シクロスポリン、キニジン、タクロリムスなど非常に多くの薬が該当するため、ラロトレクチニブ服用の際は必ず医師に服用中の薬をすべて申し出てください
上記を使用している方は、ラロトレクチニブ硫酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ラロトレクチニブ硫酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |