ストレプトゾシン

成分名

ストレプトゾシン

適応症状

膵・消化管神経内分泌腫瘍

簡易説明

ストレプトゾシンは、現ファイザー社であるUpjohn社によって開発されました。もともとは抗菌薬として開発が進められていましたが、細胞を殺傷する作用があることがわかり、抗がん剤として開発がすすめられました。膵・消化管神経内分泌腫瘍に使用する薬剤であり、ガイドラインなどでも推奨されています。投与方法が、1週間ごとか、5日投与してその後休薬をする方法2種類から選択できるようになっており、患者に合わせた治療が可能です。

処方可能な診療科目

消化器科/腫瘍内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:1g約43310円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2015年2月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ザノサー点滴静注用1g【製薬メーカー:ノーベルファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

アメリカ、カナダ、フランス、イスラエル、スイスの5ヵ国で販売されています。

効果・作用

ストレプトゾシンは、アメリカのUpjohn社で開発された抗がん剤です。もともとは抗生物質として報告されていましたが、途中で細胞毒性が認められたことから抗菌薬ではなく抗腫瘍剤として開発がすすめられました。
膵・消化管神経内分泌腫瘍に使用されており、日本で初めて承認された細胞障害性抗悪性腫瘍剤となっています。投与方法を5日毎日投与する法かウィークリーで投与する法の2種類から選ぶことが可能です。

本剤はニトロソウレア系薬剤であることから、DNAをアルキル化することで、鎖間架橋を形成します。これらの作用から、DNA合成を阻害し、殺細胞作用を示すと考えられています。

WHO分類でNET G1またはNET G2に分類されている「切除不能もしくは遠隔転移を有する膵・消化管神経内分泌腫瘍患者」に対して国内臨床試験を実施しています。42日間を1サイクルとして、①本剤500mg/m2を5日間連日点滴静脈内投与後、37日間休薬を4サイクル繰り返す方法、もしくは②本剤1,000mg/m2を1週間間隔で点滴静脈内投与し、3サイクル目に1,250mg/m2、4サイクル目に1,500mg/m2に増量する2種類の投与方法、投与量による検討を行いました。
主要評価項目である5日間連日投与法における奏効率は6.7%であり、15名中1名が奏功しました。なお、奏効が認められた1例は膵神経内分泌腫瘍患者であり、消化管神経内分泌腫瘍患者では奏効が認められませんでした。

使用方法

以下2つのうちどちらかの用量、方法で投与します。

①5日間連日投与法
1回体表面積あたり500mg/m2を1日1回5日間毎日点滴静脈内投与し、37日間休薬します。これを1サイクルとして投与を繰り返してください。

②1週間間隔投与法
1回体表面積あたり1,000mg/m2を1週間ごとに1日1回点滴静脈内投与します。患者の症状に合わせて増減が可能ですが、1回の投与量は体表面積あたり1,500mg/m2を超えないようにしてください。

副作用

主な副作用
国内臨床試験では22名中22名に副作用が認められておりました。
主に、血管障害や血管痛が59.1%、悪心が45.5%、便秘が45.5%、γ-GTP増加が31.8%、倦怠感が22.7%、味覚異常が22.7%、尿中ブドウ糖陽性が22.7%などです。

重大な副作用
<腎障害>
頻度不明ですが、腎不全、ファンコニー症候群、腎性尿崩症、高窒素血症、無尿、尿糖、ケトン尿、腎尿細管性アシドーシス、低リン酸血症、高クロール血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、低尿酸血症などがあらわれることがあります。そのため、本剤の投与開始前と投与中は定期的に血清クレアチニン、血中尿素窒素などの腎機能検査や尿検査を行ってください。症状がみられた場合には、減量や休薬、中止などを検討してください。
<骨髄抑制>
白血球数減少、リンパ球数減少、好中球数減少、血小板数減少、貧血などがあらわれることがあいrます。本剤の投与前や投与中に定期的に血液検査を行い、症状がみられた場合には、減量や休薬、中止などを検討してください。
<耐糖能異常>
高血糖、血中インスリン増加、インスリンCペプチド増加、尿中ブドウ糖陽性があらわれることがあります。また、海外では急激なインスリン値が上昇し低血糖の症状がおこったと報告もされていますので、症状の変化にご注意ください。
<肝障害>
γ-GTP、AST、ALT上昇を伴う肝障害が50%の確率で認められていますので、症状がみられた場合には、減量や休薬、中止などを検討してください。

また、本剤投与中に錯乱・嗜眠が発現したとの報告がありますので、本剤投与中の方には自動車の運転等などの危険を伴う機械を操作する際には注意していただくよう伝えてください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ストレプトゾシンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ザノサー点滴静注の有効成分
ストレプトゾシン
▼代表薬の添加物
無水クエン酸、pH調整剤
・以前、ストレプトゾシンを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・妊婦もしくは妊娠している可能性のある婦人

使用に注意が必要な方
・腎障害のある方は副作用が強まってしまう可能性があるため使用には注意をしてください。
・糖尿病の方は糖尿病の症状が悪化してしまう可能性がありますので注意をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、症状を見ながら慎重に投与をしてください。
・小児は、使用経験がないため安全性が確立していません。

上記にあてはまる方は、ストレプトゾシンを使用する事が出来ない可能性があります。
ストレプトゾシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
<アミノグリコシド系抗生物質等>
腎毒性を悪化させる恐れがあるため併用には注意をしてください。
<他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射>
骨髄抑制などの副作用が強まってしまう可能性があります。もし異常があらわれた場合には、減量や休薬などの処置を行ってください。
<ドキソルビシン>
ドキソルビシンの半減期を延長させ、重篤な骨髄抑制につながる恐れがあります。併用しているドキソルビシンの量を減量してください。本剤の投与によって起こった肝障害が、ドキソルビシンの胆汁中排泄を低下させる恐れがあります。
<外用剤を除くステロイド剤>
機序は不明ですが、高血糖があらわれる可能性があります。
<フェニトイン>
機序は不明ですが、併用によって、本剤の細胞毒性が低くなってしまうとの報告があります。

上記を使用している方は、ストレプトゾシンを使用する事が出来ない可能性があります。
ストレプトゾシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ストレプトゾシンに関する
よくある質問
過量投与に関する報告はありますか?

海外で週あたり最高7.5g/m2まで投与された結果、汎血球減少症、敗血症、無尿、高窒素血症、腎不全、心不全などがあらわれたと報告されています。

Q&A【その他】

【上記引用元:ザノサー 点滴静注用1g】

血管外漏出を起こした時の組織障害性カテゴリーはなんですか?

抗がん薬の血管外漏出時の組織障害性については、壊死起因性薬剤、炎症性薬剤、非壊死性薬剤に分類されており、本剤は、炎症性抗がん剤に分類されています。

Q&A【ザノサーをご使用いただくにあたって】

【上記引用元:ザノサー 点滴静注用1g】

参考元一覧

ザノサー点滴静注用1g 添付文書
ザノサー点滴静注用1g 医薬品インタビューフォーム

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