ホスカルネットナトリウム水和物

成分名

ホスカルネットナトリウム水和物

適応症状

エイズのサイトメガロウイルス網膜炎
後天性免疫不全症候群のサイトメガロウイルス網膜炎
造血幹細胞移植のサイトメガロウイルス感染症
造血幹細胞移植のサイトメガロウイルス血症
造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎

簡易説明

ホスカルネットナトリウム水和物は、ウイルスの増殖に必要なDNA複製を阻害する働きがあります。主にサイトメガロウイルス感染症を治療に使用されています。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1瓶あたりの目安:24mg約10655円/(薬価)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。
指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。性症は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 2016年11月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

点滴静注用ホスカビル注24mg/mL【製薬メーカー:クリニジェン】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ホスカルネットナトリウム水和物は、ウイルスの増殖に必要なDNA複製を妨害する作用があります。主にサイトメガロウイルス感染症の治療に使用されます。
無機ピロリン酸の有機類似物質で、細胞内でリン酸化されることなく、特異的にウイルスのDNAポリメラーゼのピロリン酸結合部位に直接作用し、その活性を抑制して抗ウイルス効果を示します。またGCV耐性株に対しても有効です。

▼作用機序
ホスカルネットナトリウムは、DNAポリメラーゼのピロリン酸結合部位に直接作用して、DNAポリメラーゼ活性を抑制し、サイトメガロウイルス、およびヒトヘルペスウイルス6の増殖を抑制します。
▼薬理作用
サイトメガロウイルス感染症はヘルペスウイルスの一種であるサイトメガロウイルス(CMV)の感染により、サイトメガロウイルス肺炎、サイトメガロウイルス網膜炎、胃腸炎、脳炎などが引き起こされます。
ウイルスの増殖には細胞分裂が必要なので、そのためには遺伝情報が刻まれているDNAを複製する必要があります。DNAの複製には、DNAポリメラーゼという酵素が必要で、この酵素の働きを阻害することで、ウイルスの増殖を抑制し、抗ウイルスの働きを持ちます。
▼他のサイトメガロウイルス治療薬
デノシン
バリキサ
ホスカビル

使用方法

〈後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎、造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症〉
【初期療法】
・1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて8時間ごとに1日3回、または1回体重1kgあたり90mgを、2時間以上かけて12時間ごとに1日2回、それぞれ点滴静注してください。
※初期療法は2~3週間以上行ってください。

【維持療法】
初期療法に続く維持療法には、1回体重1kgあたり90~120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注してください。
※維持療法中に再発が認められた場合、初期療法の用法・用量により再投与することが可能です。

〈造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症〉
【初期療法】
・1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて12時間ごとに1日2回点滴静注してください。
※初期療法は1~2週間以上行ってください。
【維持療法】
・1回体重1kgあたり90~120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注してください。
維持療法中に再発が認められた場合は、初期療法の用法・用量により再投与することが可能です。

〈造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎〉
1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて8時間ごとに1日3回点滴静注してください。
※なお、腎障害を軽減するため、本剤による治療中には水分補給を十分に行い、利尿を確保してください。

〈効能共通〉
(投与法及び希釈調製法)
本剤を中心静脈より投与する場合は希釈せずに使用しますが、末梢静脈より投与する場合には、血管への刺激を軽減するため、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液にて2倍に希釈して使用してください(12mg/mL)
※本剤の血漿中濃度の過剰な上昇により、本剤の毒性が増強することがあるので、点滴速度に十分注意し、点滴静注以外では投与しないでください。
※点滴速度を調節するため、点滴ポンプを使用することが望ましいです。
(用量の調節)
本剤の用量は、各患者の腎機能に応じて個別に調節してください。

(用法及び用量に関連する注意)
〈造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症〉
サイトメガロウイルス血症に対して本剤を投与する場合、臓器特異的感染症状の出現に関し注意深く経過観察を行ってください。
(※感染症状が出現した場合は、速やかにサイトメガロウイルス感染症に対する本剤投与量への変更等、適切な処置を行ってください。)

〈効能共通〉
本剤の投与により重度腎障害を起こすことがあるので、本剤投与中は、血清クレアチニン値を初期療法期には少なくとも隔日に、維持療法期では週に一度は測定し、腎機能に応じて投与量を調節してください。
※本剤投与中にクレアチニンクリアランス値が0.4mL/分/kg以下になった場合には休薬し、腎機能が回復するまで投与しないでください。

副作用

主な副作用
発熱、心電図異常、悪寒、貧血、顆粒球減少、白血球減少、血小板減少、血中ヘモグロビン減少、高血圧、発疹、心悸亢進

重大な副作用
血栓性静脈炎、テタニー、ショック様症状、麻痺性イレウス、心不全、急性腎障害、重度腎障害、チアノーゼ、呼吸困難、敗血症、心停止、呼吸抑制、失語症、痙れん発作、痴呆、戦慄、顔面蒼白、横紋筋融解症

その他の副作用
A/G比異常、血栓症、期外収縮、多汗、蛋白尿、昏迷、中毒性ネフロパシー、不随意筋収縮、腎尿細管障害、夜間頻尿、LDH上昇、体重減少、CK上昇、高カルシウム血症、腸炎、尿崩症、腹痛、便秘、性器刺激、末梢神経障害、無力症、アシドーシス味覚倒錯、徐脈、精神病、知覚異常、頭痛、めまい、錯乱、知覚減退、神経障害、下痢、食欲不振、感染症、多尿、抗利尿ホルモン異常、血液量過多、抑うつ、不安、疲労、倦怠感、神経過敏、口内乾燥、注射部位疼痛、緊張亢進、攻撃性、振戦、高リン酸血症、運動失調、喉頭炎、皮膚障害、外陰膣潰瘍、ミオパシー、筋肉痛、耳痛、白血球増多、ALT上昇、浮腫、そう痒、皮膚潰瘍、血清クレアチニン上昇、尿毒症、排尿困難、尿道障害、代謝異常、ジスキネジア、Al-P上昇、低マグネシウム血症、膵炎、鼓腸放屁、低カリウム血症、AST上昇、腎機能異常、低カルシウム血症、低リン酸血症、低ナトリウム血症、潮紅、過敏症、悪心、興奮、嘔吐、クレアチニンクリアランス低下、消化不良γ-GTP上昇、アミラーゼ上昇、反射亢進、協調異常、EEG異常、疼痛、注射部位炎症、低血圧、視覚異常、筋炎、筋脱力、網膜剥離、複視、耳鳴、心室性不整脈、傾眠、健忘、QT間隔延長、腎臓痛、陰茎潰瘍

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ホスカルネットナトリウム水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ホスカビルはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ホスカビルの有効成分
ホスカルネットナトリウム水和物
▼代表薬の添加物
pH調整剤
・妊婦/授乳者
・過敏症
・クレアチニンクリアランス値が0.4mL/分/kg未満の腎機能障害
・クレアチニンクリアランス値が0.4mL/分/kg未満
・ペンタミジンイセチオン酸塩投与中

使用に注意が必要な方
高齢者
新生児/乳児/幼児/小児
心機能異常
中枢神経系疾患
低カリウム血症
低カルシウム血症
低マグネシウム血症
電解質異常
中枢神経系異常
クレアチニンクリアランス値が0.4mL/分/kg以上の腎機能障害

上記にあてはまる方は、ホスカルネットナトリウム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ホスカルネットナトリウム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
イセチオン酸ペンタミジン
血清カルシウム濃度に影響を及ぼす薬剤
ループ利尿剤
フロセミド
腎毒性を有する薬剤
アミノグリコシド系抗生物質
硫酸ゲンタマイシン
硫酸アミカシン
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
バンコマイシン塩酸塩
アムホテリシンB
シクロスポリン
タクロリムス水和物
メトトレキサート製剤
シスプラチン

上記を使用している方は、ホスカルネットナトリウム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ホスカルネットナトリウム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ホスカルネットナトリウム水和物に関する
よくある質問
薬はどの程度の期間で使用できますか?

本剤は保存剤が添加されていないので、開封後は24時間以内に使用すること。

点滴静注用ホスカビル注24mg/mL添付文書

【上記引用元:クリニジェン株式会社】

希釈する時に、液体に触っても大丈夫ですか?

局所刺激性があるため、誤って薬液が皮膚や目に触れた場合は、局所刺激及び灼熱感が生じることがある。このような場合には、流水で十分に洗浄すること。

点滴静注用ホスカビル注24mg/mL添付文書

【上記引用元:クリニジェン株式会社】

参考元一覧

点滴静注用ホスカビル注24mg/mL添付文書【クリニジェン株式会社】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。