クラドリビン

成分名

クラドリビン

適応症状

クラドリビンを主成分とする医療用の医薬品であるロイスタチン注8mgは、
ヘアリーセル白血病/再燃・再発又は治療抵抗性の低悪性度又は濾胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、及びマントル細胞リンパ腫
に対して適応症状を持ちます。

簡易説明

クラドリビンを主成分とする医療用の医薬品であるロイスタチン注8mgは抗悪性腫瘍剤になります。クラドリビンはアデニンヌクレオシド誘導体であり、ADA(adenosine deaminase)に耐性を示し、リンパ系腫瘍の増殖に対する阻害活性の高い化合物であることが確認されています。リン酸化酵素活性が脱リン酸化酵素活性に比べて高いリンパ球、単球に対して選択的に殺細胞作用を示し、また増殖細胞及び静止細胞の両方に対して殺細胞作用を示します。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/血液内科/泌尿器科/肝臓内科外科/消化器内科外科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬代1瓶あたりの目安:8mg8mL約70,000円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

悪性リンパ腫症は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

クラドリビンを主成分とする医療用の医薬品であるロイスタチン注8mgは2002年1月17日に製造・輸入が承認され、2002年4月26日に薬価基準に収載、その後2002年6月25日に発売が開始となりました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ロイスタチン注8mg【製薬メーカー:ヤンセンファーマ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

アメリカではCentocor Ortho Biotech Products, L.P.(会社名)がLEUSTATIN(販売名)を1993年に発売しました。またイギリスではJanssen-Cilag Ltd(会社名)がLEUSTAT (販売名)を1995年に発売しました。
クラドリビンはアルゼンチン、イタリア、イギリス、イラク、イラン、オーストラリア、ウルグアイ、オランダ、韓国、スイス、スペイン、ギリシャ、台湾、ドイツ、ブラジル、フランス、ベネズエラ、ニュージーランド、ベルギー、ポルトガル、ルクセンブルグ、リヒテンシュタインなど世界 23 ヵ国で承認されています。

効果・作用

クラドリビンを主成分とする医療用の医薬品であるロイスタチン注8mgは
ヘアリーセル白血病/再燃・再発又は治療抵抗性の低悪性度又は濾胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、及びマントル細胞リンパ腫に対して効果のある医薬品になります。

【作用機序】
クラドリビンはdeoxycytidine kinaseによってリン酸化を受け、2-chloro-2'-deoxy-β-D-adenosine
monophosphate(2-CdAMP)に変換されます。クラドリビンはadenosine deaminaseによる脱アミノ化(2-chloro-deoxyinosineへの変換)に対して抵抗性であり、またリンパ球及び単球中には5'-nucleotidase(脱リン酸化によるクラドリビンへの変換)がほとんど存在しないことから、2-CdAMPは細胞内に蓄積します。その結果さらに活性の大きいdeoxynucleoside triphosphateである2-chloro2'-deoxy-β-D-adenosine triphosphate(2-CdATP)にまで変換され細胞毒性を発現します。以上より、deoxycytidine kinase活性が高く5'-nucleotidase活性の低い細胞(リンパ球、単球)に対して、ロイスタチン注8mgは選択的な殺細胞作用を有すると考えられています。

使用方法

【ヘアリーセル白血病】
通常、成人に対して投与する場合には、ロイスタチン注8mgを用い主成分であるクラドリビンとして、1日量として0.09mg/kgを用いて7日間持続点滴静注を行います。これを1コースとして投与します。

【再燃・再発又は治療抵抗性の低悪性度又は濾胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、及びマントル細胞リンパ腫】
1)7日間持続点滴静注
通常、成人に対して投与する場合には、ロイスタチン注8mgを用い主成分であるクラドリビンとして、1日量として0.09mg/kgを用いて7日間持続点滴静注を行い、3~5週間休薬します。これを1コースとして投与を繰り返します。
2)2時間点滴静注・5日間連日投与
通常、成人に対して投与する場合には、ロイスタチン注8mgを用い主成分であるクラドリビンとして、1日量として0.12mg/kgを用いて1日1回2時間かけて点滴静注を行います。これを5日間連日行い、少なくとも23日間休薬します。これを1コースとして投与を繰り返します。

副作用

重大な副作用
1)骨髄抑制
汎血球減少(頻度不明)、リンパ球減少(87.0%)、好中球減少(79.8%)、白血球減少(77.9%)、血小板減少(53..8%)、貧血[赤血球減少(48.1%)、ヘマトクリット値減少(45.7%)、ヘモグロビン減少(45.2%)]
2)重症日和見感染(頻度不明)
敗血症、肺炎等の重症日和見感染が現れる事があります。
3)進行性多巣性白質脳症(頻度不明)
4)消化管出血(1.0%)
5)重篤な神経毒性(頻度不明)
6)腫瘍崩壊症候群(頻度不明)
7)間質性肺炎(1.0%)
8)重篤な皮膚障害(頻度不明)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)等が現れる事があります。
9)急性腎障害(頻度不明)

その他の副作用
皮膚、筋骨格、精神神経系、眼、消化器、肝臓、電解質、循環器、呼吸器、血液、泌尿器、注射部位、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)10%以上
発疹、頭痛、悪心、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、CD4陽性リンパ球減少、、IgA減少、好酸球増多IgG減少、IgM減少、蛋白尿、注射部位反応、体重減少、総蛋白減少、発熱、感染(症)
2)5~10%未満
嘔吐、下痢、γーGTP上昇、ウロビリノーゲン陽性、アルカリフォスファターゼ上昇、LDH上昇、血尿、尿沈渣異常、疲労、アルブミン低下
3)5%未満
多形滲出性紅斑、掻痒、関節痛、筋肉痛、肩こり、末梢神経障害、飛蚊症、眩暈、便秘、胃炎、腹痛、口唇炎、ビリルビン上昇、口内炎、カリウム上昇、カリウム低下、カルシウム上昇、カルシウム低下、ナトリウム低下、クロール上昇、不整脈、頻脈、狭心症、血圧上昇、心房細動、心電図異常(A-Vブロック)、潮紅、呼吸困難、胸膜炎、咽頭痛、胸部X線像異常、PaCO2低下、PaO2低下、好塩基球増多、血小板増加、リンパ球数異常、ヘマトクリット値増加、単球増多、好酸球減少、IgG増加、発熱性好中球減少症、尿糖、頻尿、BUN上昇、出血性膀胱炎、BUN低下、体重増加、末梢性浮腫、季肋部痛、食欲不振
4)頻度不明
疼痛、蕁麻疹、紅斑、紫斑、筋脱力、不眠、緊張亢進、不安、失調、傾眠、神経障害、鼓脹放屁、心雑音、結膜炎、呼吸音異常、胸音異常、咳嗽、息切れ、凝固異常、溶血性貧血、クレアチニン上昇、血栓、腫脹、悪寒、無力症、発汗、体幹痛、浮腫、CRP上昇

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■クラドリビンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ロイスタチン注8mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ロイスタチン注8mgの有効成分
クラドリビン
▼代表薬の添加物
・塩化ナトリウム、pH調整剤2成分
2)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

使用に注意が必要な方
1)腎障害のある患者
副作用が強く現れる事がある為使用には注意が必要です。
2)肝障害のある患者
肝障害を悪化させる恐れがある為使用には注意が必要です。
3)感染症を合併している患者
骨髄抑制により感染症が増悪する事あある為使用には注意が必要です。
4)高齢者
小児等

上記にあてはまる方は、クラドリビンを使用する事が出来ない可能性があります。
クラドリビンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

クラドリビンに関する
よくある質問
クラドリビン投与により蓄積した2-CdATPはどの様に殺細胞作用を示しますか?

2-CdATPの蓄積により増殖細胞に対して①DNA鎖への取り込み②リボヌクレオチド還元酵素の抑制③DNA ポリメラーゼαの抑制により、DNA合成を阻害し細胞死に至ります。また、静止し安房に対してはDNA鎖再結合の阻害によりpoly-(ADP-ribose)ポリメラーゼの活性化が行われ、NAD・ATPが枯渇し細胞死へと導きます。
インタビューホーム 【ヤンセンファーマ株式会社】

クラドリビンを投与した場合どのくらい効果が持続しますか?

クラドリビン7日間持続点滴静注した場合、投与終了後に最高血中濃度を示し、その後消失半減期30.3時間で緩やかに消失していきます。しかし、2時間点滴静注・5日間連日投与した場合には消失半減期は2時間前後で急速に消失していきます。
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参考元一覧

インタビューホーム 【ヤンセンファーマ株式会社】

医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】

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