成分名 |
アファチニブマレイン酸塩 |
適応症状 |
EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌 |
簡易説明 |
アファチニブマレイン酸塩の薬は2022年8月現在ジオトリフ錠20mg、30mg、40mg、50mgの4種類の薬が存在します。よってこの記事ではこれ以降ジオトリフ錠と記載します。
ジオトリフ錠は活性化したEGFR(上皮成長因子受容体)をブロックすることで、細胞を増殖させる信号にブレーキをかけて、がん細胞の増殖を抑える働きがあります。非小細胞肺がん治療で使用する分子標的薬に分類されます。
間質性肺炎の副作用を引き起こし、死亡に至った例があるので、定期的に検査を受けて、何か変わったことがあればすぐに医師や薬剤師にご相談ください。 |
処方可能な診療科目 |
内科、呼吸器内科、呼吸器外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安(3割):約1,000~2,000円
薬代1錠あたり(10割):20mg/4,958円、30mg/7,290円、40mg/9,615、50mg/11,118円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
製造販売承認年月日:2014 年 1 月 17 日
薬価基準収載年月日:2014 年 4 月 17 日
販 売 開 始 年 月 日:2014 年 5 月 7 日 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックは存在しません |
関連製品(先発薬) |
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
ジオトリフ錠20mg(白色~わずかに黄白色)
ジオトリフ錠30mg(濃青色)
ジオトリフ錠40mg(淡青色)
ジオトリフ錠50mg(濃青色) |
関連製品(ジェネリック) |
日本国内においてジェネリックは存在しません
海外には同じ成分の薬が存在しますが、劇薬に分類される強い薬であること、医師による処方箋が必ず必要であること、海外と日本では基準が異なることから絶対に日本国内で流通されている製品を使用してください。そのため当記事では海外製品に関して記載しません。 |
効果・作用 |
●EGFR遺伝子変異陽性肺がんについて
EGFR(上皮成長因子受容体)は皮膚や消化管などの正常細胞にみられる細胞の増殖を担っています。EGFR遺伝子変異陽性肺がんではこれらのEGFRが異常に活性化して、がん細胞を増殖し続けます。
●EGFR遺伝子変異陽性肺がんの治療
EGFR遺伝子変異陽性肺がんの治療は、化学療法(抗がん剤治療)、分子標的治療、免疫療法などの薬物療法、手術や放射線療法があります。
●薬物治療について
○化学療法
化学療法は抗がん剤によりがんの増殖を抑えたり死滅させます。抗がん剤には様々な種類があり、患者さんに合わせて、単剤や組み合わせて使用します。抗がん剤はがん細胞だけではなく、正常な細胞も攻撃してしまうため、様々な副作用が現れるという副作用があります。
○分子標的治療
分子標的治療薬を用いて行う治療です。分子標的治療薬は、がん細胞の増殖などにかかわる特定の分子に作用して、がん細胞の増殖を抑えます。ジオトリフ錠は分子標的治療薬に分類されます。分子標的治療薬は特定の細胞を標的にするため、正常な細胞への影響は比較的少なくなっていますが、それぞれの薬剤に特徴的な副作用が見られます。
○免疫療法
免疫とは、免疫細胞が体内の異物(がん細胞を含む異常な細胞、ウイルス、細菌など)を攻撃することでからだを守る仕組みです。
がん細胞によって免疫細胞ががん細胞を攻撃できないようにされて、がん細胞は増殖しますが、免疫療法のひとつである免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞と結合して、免疫細胞の働きを抑えている状態から、がん細胞を引き離して、免疫細胞の働きを取り戻し、がん細胞を攻撃できるようにします。
●ジオトリフ錠の作用機序について
がん細胞を増殖させる信号を伝達する上で重要となるチロシンキナーゼという酵素がある。上皮成長因子受容体(EGFR)というチロシンキナーゼ活性をもつ受容体に上皮成長因子が結合し、酵素活性が起こることで、がん細胞が増殖し、がんが悪化します。ジオトリフ錠はEGFRチロシンキナーゼを選択的に阻害することにより、細胞を増殖する信号にブレーキをかけ、細胞の増殖を抑えます。分子標的治療薬に含まれます。 |
使用方法 |
成人の方は1日1回40mgを服用してください。症状によって適宜増減しますが、1日1回50mgを超えないようにしてください。服用量は、主治医の先生の指示に必ず従ってください。副作用が発現したときは副作用の治療、休薬、減量、服用中止などの適切な対処が必要です。少しでもいつもと違うなと思うところがあれば、医師、薬剤師にはやめに相談してください。 |
副作用 |
主な副作用
下痢 、 脱水 、 ALT上昇 、 AST上昇 、 紅斑 、 腹痛 、 全身性発疹 、 斑状丘疹性皮疹 、 紅斑性皮疹 、 爪囲炎 、 皮膚乾燥
重大な副作用
重度下痢 、 脱水症状 、 急性腎不全 、 重度皮膚障害 、 重度発疹 、 ざ瘡 、 間質性肺疾患 、 間質性肺炎 、 肺浸潤 、 肺臓炎 、 急性呼吸窮迫症候群 、 アレルギー性胞隔炎 、 肝機能障害 、 ビリルビン上昇 、 左室駆出率低下 、 心不全 、 重篤な心障害 、 消化管潰瘍 、 肝不全 、 中毒性表皮壊死融解症 、 Toxic Epidermal Necrolysis 、 TEN 、 皮膚粘膜眼症候群 、 Stevens−Johnson症候群 、 多形紅斑 、 重篤な水疱性皮膚障害 、 重篤な剥脱性皮膚障害 、 消化管出血 、 急性膵炎 、 血清アミラーゼ値上昇
その他の副作用
脱毛症 、 トロポニンT増加 、 アミラーゼ増加 、 眼瞼炎 、 感染症 、 口内乾燥 、 皮膚潰瘍 、 真菌感染症 、 角膜炎 、 肛門炎症 、 ざ瘡様皮膚炎 、 湿性咳嗽 、 血中アルカリホスファターゼ増加 、 手掌・足底発赤知覚不全症候群 、 足部真菌感染症 、 CK上昇 、 口唇乾燥 、 膀胱炎 、 激越 、 気管支感染症 、 霧視 、 肝機能検査値異常 、 上腹部痛 、 上室性期外収縮 、 後天性涙腺炎 、 鼻漏 、 睫毛乱生 、 敗血症 、 爪感染症 、 好酸球増加症、 粘膜炎症 、 排尿困難 、 嵌入爪 、 心窩部不快感 、 不安 、 多毛症 、 角膜びらん 、 鼻感染症 、 耳感染症 、 頭痛 、 腸炎 、 発熱 、 肛門周囲炎 、 尿中白血球陽性 、 結膜炎 、 舌炎 、 皮膚感染症 、 肩痛 、 発声障害 、 味覚異常 、 疲労 、 痔核 、血中乳酸脱水素酵素増加 、 蛋白尿 、 開口障害 、 鼻閉 、 皮膚色素過剰 、 腹部不快感 、 口腔咽頭痛 、 顔面浮腫 、皮膚そう痒症 、 鼓膜炎 、 眼脂 、 鼻乾燥 、 皮膚剥脱 、 胃炎 、 肛門周囲痛 、 倦怠感 、 貧血 、 粘膜乾燥 、 血中ビリルビン増加 、 鼻出血 、 悪寒 、 鼻炎症 、 低血圧 、 体重減少 、 低ナトリウム血症 、 不眠症 、 嘔吐 、 シェーグレン症候群 、 振戦 、 小腸炎 、 CK−MB上昇 、 食道炎 、 腎機能障害 、 歯肉炎 、 咽頭感染症 、 口内炎 、 ひび 、 リンパ球減少症 、 ウイルス感染 、 結膜出血 、 口唇腫脹 、 高尿酸血症 、 口唇炎 、 しゃっくり 、 肋骨痛 、 便秘 、 感覚鈍麻 、 帯状疱疹 、 高血圧 、 大腸炎 、 血栓症 、 背部痛 、 口腔咽頭不快感 、 爪障害 、 消化不良 、 末梢性浮腫 、 脂漏性皮膚炎 、 末梢性感覚ニューロパチー 、 硝子体剥離 、 あかぎれ 、 網膜変性 、 胸部不快感 、 血中尿素増加 、 炎症 、 血尿 、 鉄欠乏性貧血 、 低カリウム血症 、 尿中血陽性 、 膿痂疹 、 口唇症 、 筋肉痛 、 皮膚過角化 、 好中球減少症 、 浮腫 、 白血球減少症 、 白内障 、 挫傷 、 眼乾燥 、 血中アルブミン減少 、 眼痛 、 創し開、 腹部膨満 、 血中クレアチニン増加 、 筋力低下 、 皮膚真菌感染症 、 粘膜障害 、 心電図T波逆転 、 筋痙縮 、 眼瞼障害 、 尿路感染症 、 皮膚亀裂 、 虹彩毛様体炎 、 耳鳴 、 悪心 、 ほてり 、 毛包炎 、 後天性魚鱗癬 、 蜂巣炎 、 萎縮性外陰腟炎 、 皮膚色素沈着障害 、 総蛋白減少
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ジオトリフ錠の成分(アファチニブマレイン酸塩)の成分に対し、過敏症の既往歴のある方
使用に注意が必要な方 ・合併症・既往歴等のある方
・間質性肺疾患のある方、またその既往歴のある方
・心不全症状のある方、またその既往歴のある方
・左室駆出率が低下している方
・腎機能障害のある方
・肝機能障害のある方
・妊娠中の方
・授乳中の方
・小児の方
・高齢者の方
上記にあてはまる方は、アファチニブマレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 アファチニブマレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ○P-gp阻害剤
・リトナビル
・イトラコナゾール
・ベラパミルなど
○P-gp誘導剤
・リファンピシン
・カルバマゼピン
・セイヨウオトギリソウなど
上記を使用している方は、アファチニブマレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 アファチニブマレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 該当なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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