成分名 |
トラメチニブジメチルスルホキシド付加物 |
適応症状 |
BRAF遺伝子変異を有する悪性黒色腫
BRAF遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌 |
簡易説明 |
がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで正常な細胞を障害し組織を壊します。細胞増殖のシグナル伝達における重要な因子(経路)であるBRAFに変異がおこるとMEK及びERKという経路が異常に活性化し、がん細胞の増殖が促進されます。トラメチニブジメチルスルホキシド付加物は、細胞の異常増殖を引き起こすMEK(MEKタンパク質)の活性化を阻害することで、がん細胞の増殖を抑える作用があります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/皮膚科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~
薬代1錠あたりの目安:1錠0.5mg/2mg 7874.9円/29558.4円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月 : 2016年6月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外のみ) |
関連製品(先発薬) |
メキニスト錠0.5mg/2mg【製薬メーカー:ノバルティスファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
Mekinist0.5mg/2mg【製薬メーカー:GSK】 |
効果・作用 |
・がん細胞内で特定の遺伝子やたんぱく質などに作用する分子標的薬です。細胞を増殖させる命令は、いくつかの物質がバケツリレーのように伝えていきます。BRAFが、次にこの命令を伝えるのがMEKというたんぱく質です。メキニストは、MEKに作用して、細胞を増殖させる命令の伝達をストップさせる作用があります。
≪トラメチニブジメチルスルホキシド付加物作用機序≫
・RAS/RAF/MEK/ERK(MAPK)経路は、正常細胞または、種々のがん細胞の分化や増殖などにおいて重要なシグナル伝達経路となり、細胞増殖因子が自身の受容体へ結合したあと、RAS→RAF(BRAFなど)→MEK→ERKの順でシグナルが伝達、細胞の増殖/生存などが引き起こされると考えられております。
・MAPK経路は、正常細胞においては制御されており、RASやRAFなどに遺伝子変異を持ってる場合は、この経路が常に亢進されることで細胞の異常増殖などが引き起こされます。悪性黒色腫などのがんではRAFのタイプのうち、BRAFの遺伝子に変異が高頻度でみられ、この変異型BRAFはRASの活性化の有無に関わらずMEKまたは、ERKを活性化すると考えられております。
▼他のMEK阻害薬▼
メクトビ |
使用方法 |
・ダブラフェニブとの併用においては、成人は、2mgを1日1回、空腹時に経口投与すること。
※術後補助療法の場合には、投与期間は12ヵ月間までとなります。
※患者の状態により適宜減量する
「用法及び用量に関連する注意」
・食後に投与した場合、Cmax低下または、AUC低下するとの報告があるので、食事の影響を避け、食事の1時間前~食後2時間までの間の服用は控えてください。
※投与により副作用が現れた場合、以下の基準を参考に「休薬、減量、中止」してください。
※ただし、皮膚扁平上皮癌もしくは、新しく原発性悪性黒色腫が現れた時は、外科的切除等の適切な処置を行った上で、休薬、減量することなく治療を継続することができるとします
「休薬、減量、中止の基準」
①NCI-CTCAEによるGrade判定が、忍容不能なGrade2もしくはGrade3
・休薬、Grade1以下まで軽快後、1段階減量して投与を再開してください
②NCI-CTCAEによるGrade判定が、Grade4
・原則として投与中止、治療継続が使用者に望ましいと判断された場合、Grade1以下まで回復後、1段階減量し、再び投与をはじめてください。
「用量調節の目安として」
①通常投与量は、2mg(1日1回)とします
②1段階減量は、1.5mg(1日1回)とします
③2段階減量は、1mg(1日1回)とします
④3段階減量は、投与中止とします
※適切な処置により副作用が管理できた場合には、減量時と逆の段階を経て増量可とします。
※0.5mg錠と2mg錠の生物学的同等性は示されていないため、2mgを投与する際には0.5mg錠を使用しないでください |
副作用 |
主な副作用
出血、毛包炎、膿疱性皮疹、爪囲炎、好中球減少症、貧血、血小板減少症、白血球減少症、食欲減退、脱水、低ナトリウム血症
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
駆出率減少、重篤な心障害、肝機能障害、ALT上昇、AST上昇、心不全、左室機能不全、間質性肺疾患、横紋筋融解症、静脈血栓塞栓症、脳血管障害、脳出血、脳血管発作
その他の副作用
関節痛、網膜剥離、鼻出血、低血圧、疲労、徐脈、γ-GTP増加、口内炎、手掌・足底発赤知覚不全症候群、低リン酸血症、頭痛、浮動性めまい、霧視、ぶどう膜炎、眼窩周囲浮腫、高血圧、歯肉出血、リンパ浮腫、咳嗽、呼吸困難、悪心、下痢、嘔吐、便秘、腹痛、口内乾燥、ALP増加、発疹、皮膚乾燥、皮膚そう痒症、ざ瘡様皮膚炎、紅斑、日光角化症、寝汗、皮膚過角化、脱毛症、皮膚病変、多汗症、脂肪織炎、皮膚亀裂、筋肉痛、QT間隔延長、四肢痛、筋痙縮、血中CK増加、発熱、悪寒、無力症、末梢性浮腫、インフルエンザ様疾患、粘膜炎症、光線過敏症、顔面浮腫、脂漏性角化症、ひび、あかぎれ、尿路感染、鼻咽頭炎、高血糖、視力障害、網脈絡膜症、視力低下、腎炎、腎不全、尿細管間質性腎炎、急性腎障害、乳頭腫、皮膚有棘細胞癌、アクロコルドン、原発性悪性黒色腫、ケラトアカントーマ、ボーエン病、視神経乳頭浮腫、蜂巣炎、網膜色素上皮剥離、網膜静脈閉塞、QTc間隔延長、心拍数減少、膵炎、過敏症
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■トラメチニブジメチルスルホキシド付加物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方メキニストは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼メキニストの有効成分
トラメチニブジメチルスルホキシド付加物
▼代表薬の添加物
D-マンニトール、セルロース、ヒプロメロース、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、マクロゴール、ポリソルベート80、三二酸化鉄
■その他使用できない方
・妊婦/産婦
・心疾患
・中等度以上の肝機能障害
・過敏症
使用に注意が必要な方 ・高齢者
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
上記にあてはまる方は、トラメチニブジメチルスルホキシド付加物を使用する事が出来ない可能性があります。 トラメチニブジメチルスルホキシド付加物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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