オビヌツズマブ(遺伝子組換え)

成分名

オビヌツズマブ(遺伝子組換え)

適応症状

・CD20陽性の濾胞性リンパ腫
・CD20陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)

簡易説明

オビヌツズマブは、スイスのGlycArt Biotechnology社によって開発された、ヒト化抗CD20モノクローナル抗体です。本剤は、特定の白血球であるB細胞に存在するCD20という分子に対して作用し、その活性を抑制します。B細胞は特に非ホジキンリンパ腫などの一部のがんにおいて重要な役割を果たしています。本剤は、特にADCC活性とADCP活性が高いことが特徴となっています。これらの活性は、がん細胞を体の免疫システムが認識し、攻撃するための重要なメカニズムとなっているため、特に非ホジキンリンパ腫の治療に有効とされています。

処方可能な診療科目

血液内科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:1000mg約458799円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2018年8月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ガザイバ点滴静注1000mg【製薬メーカー:中外製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

アメリカやヨーロッパで販売されております。

効果・作用

オビヌツズマブ(遺伝子組換え)は、スイスのRoche Glycart AG社によって開発されたモノクローナル抗体です。ヒトCD20に結合し、抗体依存性細胞傷害活性と抗体依存性細胞貪食活性によって、腫瘍の増殖を抑制すると考えられています。

国内の患者を対象に第1相試験を行っております。未治療のCD20陽性の慢性リンパ性白血病患者10例を対象としており、本剤とアカラブルチニブを併用投与しました。治験責任医師判定による奏効率は100%でした。

未治療の濾胞性リンパ腫患者113名を対象に国際共同第4相試験を実施しております。日本人は27名を含まれておりました。本剤と化学療法(CHOP、CVPもしくはベンダムスチン)を併用したときの安全性等を検討しました。本剤1000mgを3週間ごと(CHOPもしくはCVP併用時)もしくは4週間ごと(ベンダムスチン併用時)に各サイクルの1日目に投与し、サイクル1のみ8日目、15日目にも本剤1000mgを投与しました。サイクル1は本剤を50mg/時で開始し、最大400mg/時で投与しました。導入療法期間は3週間ごとの場合は8サイクル、4週間ごとの場合は6サイクルとしました。その結果、主要評価項目として設定したサイクル1でGrade 3以上のインフュージョンリアクションが発現しなかった被験者のうち、サイクル2におけるGrade 3以上のインフュージョンリアクションの発現割合は0%でした。副次評価項目である導入療法終了時点の奏効割合は86.7%でした。

使用方法

●CD20陽性の濾胞性リンパ腫に使用する場合、1日1回1000mgを点滴静注します。導入療法は、以下のサイクル期間・投与サイクル数として、1サイクル目は1、8、15日目、2サイクル目以降は1日目に投与してください。維持療法では、単独投与により2カ月に1回、最長2年間、投与を繰り返します。

<シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロン又はメチルプレドニゾロン併用の場合>
3週間を1サイクルとし、8サイクル

<シクロホスファミド水和物、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロン又はメチルプレドニゾロン併用の場合>
3週間を1サイクルとし、8サイクル

<ベンダムスチン塩酸塩併用の場合>
4週間を1サイクルとし、6サイクル

●小リンパ球性リンパ腫を含むCD20陽性の慢性リンパ性白血病に使用する場合、アカラブルチニブとの併用において、アカラブルチニブとの併用での1サイクル目の1日目に100mg、2日目に900mg、8日目及び15日目に1000mg、2サイクル目以降は1日目に1000mgを点滴静注してください。28日間を1サイクルとし、最大で6サイクル投与を繰り返す。

副作用

主な副作用
悪心や疲労、便秘、嘔吐、下痢、末梢性ニューロパチー、頭痛、発熱、悪寒などがあげられます。

重大な副作用
<インフュージョンリアクション>
51.9%の割合で発現が報告されています。アナフィラキシー、血圧低下、悪心、悪寒、気管支痙攣、咽頭・咽喉刺激感、喘鳴、喉頭浮腫、心房細動、頻脈、過敏症などの症状があらわれることがあります。特に初回投与中もしくは24時間以内に多く報告されております。抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の前投与を行った患者においても重度なインフュージョンリアクションがでたとの事例があります。異常があらわれた場合には投与中断、中止、投与速度の変更などを行い、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与などの適切な処置を行ってください。

<腫瘍崩壊症候群>
異常があらわれた場合は本剤の投与を中止し、生理食塩液、高尿酸血症治療剤などの投与、透析適切な処置などを行ってください。

<好中球減少、白血球減少>
好中球減少、発熱性好中球減少、白血球減少があらわれることがあり、好中球減少については、遷延する例や本剤の投与終了から4週間以上経過して発現する例も報告されています。

<血小板減少>
11.9%の割合で確認されています。初回投与のサイクルで多く報告されており、出血により死亡に至るリスクがあります。異常があらわれた場合には血小板輸血や本剤の休薬などの適切な処置を行うとともに、回復するまで定期的に血液検査を実施してください。

<感染症>
29%の割合で確認されています。細菌、真菌、あるいはウイルスによる敗血症、肺炎などの感染症があらわれ、死亡に至った例も報告されているので、本剤の治療期間中及び治療終了後は慎重に患者の状態を見てください。


死亡に至るリスクもあります。異常があらわれた場合には、すぐに抗ウイルス剤を投与するなど処置を行ってください。

<進行性多巣性白質脳症>
意識障害、認知障害、麻痺症状、言語障害などの症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、本剤の投与を中止してください。PMLと診断された場合は、本剤の再投与は避けてください。

<心障害>
不整脈、狭心症、心筋梗塞、心不全などがあらわれ、死亡に至った例も報告されています。

<消化管穿孔>

<間質性肺炎>
異常があらわれた場合には、胸部X線、胸部CTなどの検査を実施してください。間質性肺疾患が疑われた場合には、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与などを行ってください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■オビヌツズマブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ガザイバの有効成分
オビヌツズマブ

▼代表薬の添加物
トレハロース水和物、L-ヒスチジン、L-ヒスチジン塩酸塩水和物、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、グリコール

・以前、オビヌツズマブを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・感染症を合併しているもしくは再発性感染症に以前かかったことのある方は、免疫抑制作用により感染症を悪化させるもしくは再発させる恐れがあります。
・肝炎ウイルスの感染もしくは以前かかったことのある方は、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意してください。本剤の治療期間中及び治療終了後は、継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行ってください。B型肝炎ウイルスキャリアの方、もしくは既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化により肝炎があらわれる恐れがあります。
・心機能障害のある方、もしくはその既往歴のある方は、投与中もしくは投与後に不整脈、狭心症等を悪化もしくは再発させる恐れがあります。
・肺機能障害のある方、もしくはその既往歴のある方は、投与中もしくは投与直後に気管支攣縮や低酸素症を伴う急性の呼吸器障害があらわれ、肺機能を悪化させる恐れがあります。
・重篤な骨髄機能低下のある方は、好中球減少及び血小板減少を増悪させ重篤化させるおそれがあります。
・腫瘍量の多い方は、インフュージョンリアクションがあらわれ、重篤化させる恐れがあるので注意をしてください。
・小児に対しては臨床試験を実施していないため、注意をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため慎重に投与をしてください。

上記にあてはまる方は、オビヌツズマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
オビヌツズマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
<生ワクチン又は弱毒生ワクチン>
本剤のBリンパ球傷害作用によって、接種した生ワクチンの原病に基づく症状があらわれる可能性があります。

<降圧剤>
一過性の血圧下降があらわれる可能性があります

上記を使用している方は、オビヌツズマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
オビヌツズマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

オビヌツズマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
血管外漏出の傷害性分類はどのくらいですか?

カナダのBC Cancer Agencyに基づき、血管外漏出の障害性グレードを「ビシカント」と「ノンビシカント」の2段階に分類しております。さらに「ノンビシカント」については、「イリタント」と「ノン(none)」と2段階に分類しています。本剤は「ノン(none)」に分類されています。

ガザイバ点滴静注1000mg よくあるご質問

【上記引用元:中外製薬 薬剤師向けサイト】

投与日がずれる場合、どのように対応したらよいでしょうか?

もし、有害事象によって本剤を投与できなかった場合には、回復するまで投与を延期してください。もし、何らかの理由で次回投与予定日にガザイバを投与できない場合、何日のずれなら許容できるか、明確な規定はありません。

ガザイバ点滴静注1000mg よくあるご質問

【上記引用元:中外製薬 薬剤師向けサイト】

参考元一覧

ガザイバ点滴静注1000mg 添付文書

ガザイバ点滴静注1000mg 医薬品インタビューフォーム

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。