アレクチニブ塩酸塩

成分名

アレクチニブ塩酸塩

適応症状

・ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
・再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫

簡易説明

・分子標的治療薬に分類されます。
・ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)融合遺伝子から作られているタンパク質の「チロシンキナーゼ活性」の働きを抑制し、リン酸化を阻害することで増殖を促進させる情報伝達系の流れを遮断し、無秩序な細胞増殖を抑える抗腫瘍作用があります。主に、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの治療に使用されております。
・がん細胞の増殖過程における指令系統を分子レベルで妨害いたします。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1錠あたりの目安:901.7円~(20mg1カプセル)/1763.9円~(40mg1カプセル)/6737.1円~(150mg1カプセル)
薬代後発薬1錠の目安:150mg373,000円~/224包
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 2015年12月

国内のジェネリック認可

現在国内のジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

アレセンサカプセル150mg【製薬メーカー:中外製薬】

関連製品(ジェネリック)

▼海外製ジェネリック医薬品
ALECENSA(Roche)

効果・作用

・がん細胞の増殖過程における指令系統を分子レベルで阻害します。標的分子は、ALKのチロシンキナーゼ(TK)。ALK阻害薬またはALK-TK阻害薬ということになります。ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんにおいては、90%以上の高い奏効率が得られており、症状が安定している無増悪生存期間の中央値は2年以上になると予想されております。ALK陽性非小細胞肺がんにおける一次治療薬として、また再発・難治性のALK陽性未分化大細胞リンパ腫に対する新たな治療選択肢として期待されております。
血液脳関門を通過し脳内に移行します。中枢神経系において活性があり、脳転移に対する有効性が確認されています。
・非小細胞肺癌の3~5%の患者では腫瘍細胞中で遺伝子の組み換えが発生しており、棘皮動物微小管結合蛋白質EML4と未分化リンパ腫キナーゼALKが融合することで、キナーゼ活性を有する異常蛋白質が作られ、発癌性と悪性の表現型を示すと思われる事が日本で報告されております。この融合遺伝子から造られる蛋白質は、リガンドが結合しなくともキナーゼ活性を常時発現しており、細胞の癌化・異常増殖に密接に関係しております。アレクチニブはこのEML4–ALK融合キナーゼを高選択的に妨害し、腫瘍細胞の増殖を抑えることでアポトーシスに導きます。

▼ALK-TK阻害薬とは▼
ALKという部位の遺伝子に変異があると、EML4などある種の蛋白と融合しEML4-ALK融合蛋白が生産されます。これががん細胞の増殖や正常細胞のがん化をもたらすものと考えられており、アレクチニブ塩酸塩、ALKについている「チロシンキナーゼ」という酵素の働きを抑制しリン酸化を阻害、増殖をうながす情報伝達系の流れを遮断することでがん細胞の増殖が抑制され、がんが小さくなりる薬のことです。

▼肺がんの分類▼
・性質や薬の効き方によって「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」に分類されます。
・早期に発見できた場合は、手術の適応になり、発見時に他の臓器に転移がある場合においては、化学療法(抗がん剤や分子標的薬)の治療が中心となります。

ALK:未分化リンパ腫キナーゼ
EML4:微小管会合タンパク4
TK:チロシンキナーゼ

▼他の分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬)▼
ザーコリ/アレセンサ/ジカディア/ローブレナアルンブリグ

使用方法

〈ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の場合〉
・成人にはアレクチニブとして1回300mgを1日2回経口投与すること

〈再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫の場合〉
・アレクチニブとして1回300mgを1日2回経口投与すること
※体重35kg未満の場合の1回投与量は150mgとする

副作用

主な副作用
アレクチニブ塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
アレクチニブ塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

AST増加、ALT増加、味覚異常、頭痛、便秘、口内炎、悪心、下痢、上気道感染、貧血、発疹

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

間質性肺疾患、好中球減少、白血球減少、肝機能障害、ビリルビン増加、消化管穿孔、血栓塞栓症、肺塞栓症

その他の副作用
黄斑症、発熱、血中トリグリセリド増加、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚そう痒症、血中CK増加、倦怠感、浮腫、LDH増加、腎機能障害、眼乾燥、結膜炎、麦粒腫、嘔吐、歯周病、腹痛、徐脈、筋肉痛、血中ビリルビン増加、血中Al-P増加、血中クレアチニン増加、肺感染、気胸、リンパ球数減少、心電図T波逆転、気管支炎、咳嗽、肺炎、血中ブドウ糖増加、血中マグネシウム減少、細菌性前立腺炎、末梢性ニューロパチー、不眠症、傾眠、胃腸炎、皮膚乾燥、ざ瘡様皮膚炎、爪障害、爪囲炎、高尿酸血症、疲労、中耳炎、膀胱炎、回転性めまい、食欲減退、腫瘍出血、高リン酸塩血症、血小板数減少、湿疹、光線過敏症、関節痛、筋痙縮、硬化性胆管炎

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊婦・産婦
・過敏症

■アレクチニブ塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方アレセンサは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アレセンサの有効成分
アレクチニブ塩酸塩
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムカプセル、ヒプロメロース、カラギーナン、塩化カリウム、酸化チタン、カルナウバロウ、トウモロコシデンプン

使用に注意が必要な方
・高齢者
・授乳婦/新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・肝機能障害
・間質性肺疾患

上記にあてはまる方は、アレクチニブ塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アレクチニブ塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
CYP3A酵素阻害剤/イトラコナゾール/CYP3A酵素誘導剤/リファンピシン類

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
用法より少なく飲んでしまった場合どうしたらいいですか?

そのままにしてください。次の服用時には、いつもどおり1回分の量を服用してください。

風邪のような症状が出た場合は間質性肺疾患と思った方がいいですか?

間質性肺疾患は風邪と似た症状が出ます。ひどくなったりした場合には、間質性肺疾患になり、致死的な経過をたどる場合がありますので「風邪だから大丈夫」「今までもこんな症状があったから」など思い込まず、すぐに担当医に連絡して医療機関を受診してください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。