ネララビン

成分名

ネララビン

適応症状

再発もしくは難治性のT細胞急性リンパ性白血病、またはT細胞リンパ芽球性リンパ腫

簡易説明

ネララビンは、再発もしくは治療が難しいT細胞急性リンパ性白血病やT細胞リンパ芽球性リンパ腫に使用する抗がん剤です。世界で初めて適応を取得した治療薬でもあります。グラクソスミスクラインで開発着手されましたが、現在はサンド社に販売移管されています。2005年にアメリカで承認された後、日本でも承認するべきだとの声があがり、議論の末2007年に承認されました。

処方可能な診療科目

血液内科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:250mg約54925円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2007年12月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

アラノンジー静注用250mg【製薬メーカー:サンドファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

アメリカでは2005年から販売されております。
その後、スイスやノルウェー、カナダなどで続々と承認され、25か国以上で販売されています。

効果・作用

ネララビンは、抗悪性腫瘍剤です。
本剤の成分は、細胞の中に入ると、脱メチル化された後リン酸化されます。その後、DNA合成が阻害されて、がん細胞を死滅させます。
本剤は「再発もしくは難治性のT細胞急性リンパ性白血病とT細胞リンパ芽球性リンパ腫」への適応症を持つ初めての薬剤です。ara-Gのプロドラックであり、T細胞に高い選択性を示すことが特徴です。
イギリスのグラクソスミスクライン社で開発されました。

再発もしくは難治性T細胞急性リンパ性白血病とT細胞リンパ芽球性リンパ腫患者を対象とした海外第2相臨床試験を実施しています。
寛解導入療法歴が 1 回の症例では 16 歳以上が18%、21 歳以下が42%の完全寛解率でした。2回以上の症例ではそれぞれ18%、13%の完全寛解率を示しました。

再発もしくは難治性T細胞急性リンパ性白血病とT細胞リンパ芽球性リンパ腫患者を対象に国内第1相臨床試験を実施しています。
成人7名のうち1名で完全寛解、小児4名のうち2名で完全寛解が認められました。患者の内訳は、成人がT細胞急性リンパ性白血病患者4例、T細胞リンパ芽球性リンパ腫患者3例であり、小児は全員T細胞急性リンパ性白血病でした。

使用方法

成人に投与する場合は、体表面積あたり1500mg/m2を1日1回2時間以上かけて点滴静注します。これを1、3、5日目に投与して、その後16日間休薬してください。21日間を1クールとして、繰り返します。
小児に投与する場合は、体表面積あたり650mg/m2を1日1回1時間以上かけて点滴静注します。これを5日間毎日投与して、その後16日間休薬してください。21日間を1クールとして、繰り返します。

副作用

主な副作用
海外で行われた臨床試験では、難治性造血器悪性腫瘍成人患者の99%に貧血、86%に血小板減少症、81%に好中球減少症、50%に疲労が認められました。「再発又は難治性のT細胞急性リンパ性白血病ならびにT細胞リンパ芽球性リンパ腫」の小児に対しては、95%に貧血、94%に好中球減少症、88%に血小板減少症が認められました。

重大な副作用
<神経系障害>
傾眠や末梢性ニューロパシー、感覚減退、錯感覚やてんかんのような発作などがあらわれることがあります。また、脱髄やギラン・バレー症候群に症状が似た上行性の末梢性ニューロパシー、進行性多巣性白質脳症、もしくは命を脅かすてんかん重積状態も報告されております。神経系の障害に対しては注意深く患者の様子を観察し、CTCAEのグレード2以上の症状があらわれた場合にはすぐに本剤の投与を中止してください。
<血液障害>
貧血や血小板減少症、好中球減少症、発熱性好中球減少症、白血球減少症があらわれることがあります。血液に関連する値は定期的にモニタリングを行い、異常があった場合には休薬期間を延ばす、または投与の中止をご検討ください。
<錯乱状態>
8%ほどの確率で認められております。異常があった場合には休薬期間を延ばす、または投与の中止をご検討ください。
<感染症>
敗血症、菌血症、肺炎、真菌感染などの感染症があらわれることがあります。また、本剤投与中に命に係わる致死的な日和見感染を起こす可能性がありますので、異常があった場合には休薬期間を延ばす、または投与の中止をご検討ください。
<腫瘍崩壊症候群>
1%の割合であらわれることがあります。症状として高尿酸血症を合併することがありますので、異常があらわれた場合には、すぐに本剤の投与を中止し、輸液の投与や高尿酸血症治療薬の投与などを検討してください。
<横紋筋融解症>
頻度不明ですが、あらわれることがあります。筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇などの症状があらわれた場合には、初期症状の可能性がありますので投与の中止を検討してください。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症には注意をしてください。
<劇症肝炎、肝機能障害、黄疸>
定期的に肝機能検査を行い、異常があった場合には休薬期間を延ばす、または投与の中止をご検討ください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ネララビンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アラノンジーの有効成分
ネララビン
▼代表薬の添加物
塩化ナトリウム、塩酸(pH調節剤)、水酸化ナトリウム(pH調節剤)

・以前、ネララビンを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・以前、 髄腔内化学療法による治療を行った子のある方、現在治療を行っている方は神経系障害のリスクが高まる可能性があります。
・全脳・全脊髄照射を受けたことのある方は、神経系障害のリスクが高まる可能性があるため使用には注意をしてください。
・腎機能障害のある方は、本剤の血中濃度が上昇する恐れがあります。
・肝機能障害のある方は、本剤の血中濃度が上昇する恐れがあります。
・高齢者は、症例数は少ないですが海外で行われた臨床試験において、65歳以上で神経系障害のリスクが高くなる傾向がみられたので、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
・低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していません。

上記にあてはまる方は、ネララビンを使用する事が出来ない可能性があります。
ネララビンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
<アデノシンデアミナーゼ阻害剤(ペントスタチン)>
併用によって本剤の効果が弱まってしまう可能性があります。そのため併用は可能な限り避けてください。

上記を使用している方は、ネララビンを使用する事が出来ない可能性があります。
ネララビンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ネララビンに関する
よくある質問
過量投与の報告はありますか?

海外の臨床試験において、日本での承認された用量を超える2200mg/m2を1・3・5日目に投与して21日ごとに繰り返した報告があります。投与されたうちの2名でグレード3の感覚性ニューロパシーがあらわれ、頸髄の脱髄と一致する所見が認められました。

過量投与

【上記引用元:アラノンジー静注用250mg 医薬品インタビューフォーム】

本剤投与時に注意することはありますか?

本剤は、必ず静脈内にのみ投与をしてください。また、本剤に希釈は必要ないため、希釈せずに使用してください。細胞毒性を有するため、薬剤を扱う時には手袋を着用してください。

適用上の注意

【上記引用元:アラノンジー静注用250mg 医薬品インタビューフォーム】

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