テモゾロミド

成分名

テモゾロミド

適応症状

悪性神経膠腫(※再発又は難治性のユーイング肉腫)

簡易説明

テモゾロミドはこの「がん細胞が異常なスピードで増殖する」という特徴に対して反応し、がん細胞に毒性を与えることができます。具体的には、通常DNAは二重らせん構造をとっていて増殖する際には一度このらせん構造をほどく必要がありますが、テモゾロミドはがん細胞中のDNAへ結合し、DNAがほどけない状態に導きます。がん細胞中の、ほどくことができなくなったDNAはコピーすることが不可能になりがん細胞の増殖がストップします。

処方可能な診療科目

脳神経外科/神経内科/腫瘍内科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~2000円
薬代1錠あたりの目安:20mg 1932.4円
薬代1瓶あたりの目安:100mg 30909円
薬代後発薬1錠の目安:20mg 1018.1円
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はテモダールカプセル20㎎の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2006年9月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

テモダールカプセル20㎎/テモダールカプセル100㎎(MSD)

関連製品(ジェネリック)

テモゾロミド錠20mg「NK」/テモゾロミド錠100mg「NK」(日本化薬)

効果・作用

脳や脊髄は神経(神経細胞や神経線維)で埋められていますが、これらの神経を支えている神経細胞「以外」の組織を神経膠細胞(グリア細胞)といいます。そして、神経膠細胞に起こる腫瘍を「神経膠腫(グリオーマ )」といます。いわゆる脳腫瘍はこの「神経膠腫」のことです。
脳腫瘍を手術で取り除いたとしても、悪性の腫瘍であればがん細胞が異常なスピードで増殖を繰り返します。再発防止のために、薬を用いた治療によってがん細胞の増殖を食い止める治療方法があります。
 テモゾロミドはこの「がん細胞が異常なスピードで増殖する」という特徴に対して反応し、がん細胞に毒性を与えることができます。具体的には、通常DNAは二重らせん構造をとっていて増殖する際には一度このらせん構造をほどく必要がありますが、テモゾロミドはがん細胞中のDNAへ結合し、DNAがほどけない状態に導きます。がん細胞中の、ほどくことができなくなったDNAはコピーすることが不可能になりがん細胞の増殖がストップします。
 テモゾロミドは、分裂のスピードが速いがん細胞に毒性を与える特徴をもつので、基本的には人間の正常な細胞に悪影響を及ぼすことはないとされていますが、まれに重大な副作用が起きる可能性もあるので注意が必要です。

使用方法

■悪性神経膠腫(初めての治療)の場合
放射線の照射と並行して治療を行います。成人では通常「テモゾロミド」として体表面積当たり1回75ミリグラムを1日1回、連日で42日間服用を続けた後で4週間は服用を中止します。
その後、「テモゾロミド」として体表面積当たり1回150ミリグラムを1日1回連日で5日間服用を続けた後で23日間は服用を中止します。この28日を1クールとカウントし、次回は体表面積当たり1回200ミリグラムに増量することもできます。
■悪性神経膠腫(再発)の場合
成人では通常「テモゾロミド」として体表面積当たり1回150ミリグラム1日1回連日で5日間服用を続けた後で23日間服用を中止します。この28日を1クールとカウントし、次回は体表面積当たり1回200ミリグラムに増量することができます。
■再発又は難治性のユーイング肉腫の場合
イリノテカンという薬と並行して治療します。「テモゾロミド」として体表面積当たり1回100ミリグラムを1日1回連日で5日間服用を続けた後で16日間以上服用を中止します。これを1クールとカウントし、服用を反復します。

副作用

重大な副作用
・脳出血
テモゾロミド服用後に血小板減少が起き、脳出血があらわれたとの報告があります。
・感染症、ニューモシスチス肺炎
サイトメガロウイルス感染症、ニューモシスチス肺炎等の感染症、重篤な感染症があらわれることがあります。また、不活化していたB型肝炎ウイルスが活性化してしまい、肝炎があらわれることもあります。
・間質性肺炎
初期症状として、発熱や咳、ひどい場合に呼吸困難等の発症に十分注意が必要です。
・黄疸、肝機能の障害
血液検査の異常として、Al-P、AST、γ-GTP、ALT等の著しい上昇を伴う肝機能の障害、黄疸があらわれることがあります。
・骨髄機能抑制
リンパ球、好中球、血小板、白血球などの血液中の成分が減少し貧血等があらわれることがあります。定期的な血液検査を行うことが重要です。
・中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群
・アナフィラキシー

その他の副作用
・全身症状
疲労感、寒気、発熱
・眼
眼瞼炎、霧視
・循環器
動悸、息切れ、胸部の不快感
・腎臓
クレアチニン上昇、尿潜血、蛋白尿、尿検査異常、BUN上昇
・肝臓
ALT(GPT)上昇、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、AST(GOT)上昇、LDH上昇
・消化器
腹痛、胃不快感、消化不良、便秘、下痢、歯肉炎、気持ち悪さ、吐き気、嘔吐、食欲不振、口内炎、口唇炎、胃腸炎、
・皮膚
内出血、白癬、かゆみ、蜂巣炎、発疹、脱毛、帯状疱疹
・血液
血小板の減少、リンパ球の減少、好中球の減少、貧血(赤血球の減少、ヘマトクリットの減少、ヘモグロビンの減少)、単球の減少、白血球の減少、好塩基球の増加、好中球の増加、好酸球の増加、単球の増加、白血球の増加
・神経・筋
無力症、脱力感、しびれ、けいれん、マヒ、片マヒ
・呼吸器
かぜ、上気道炎、しゃっくり
・精神神経系
めまい、頭痛、意識障害、焦燥感、感情不安定、ねむけ、ふらつき
・その他
アルブミン減少、HbA1C上昇、血中ナトリウム減少、血糖値上昇、疲労感、むくみ、発熱、CRP上昇、水頭症、体重の減少、全身の痛み、尿崩症、味覚異常

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・テモゾロミドまたはダカルバジンに対して過敏症のある方
・妊婦または妊娠している可能性のある方
ラットやウサギの実験にて、胎児死亡及び奇形が報告されています

使用に注意が必要な方
・高齢者
好中球の減少、血小板の減少が起こる可能性が高いとされています
・骨髄機能が抑制されている方
骨髄機能の抑制が増悪する可能性があります
・感染症を発症している方
現状の感染症が悪化する可能性があります
・小児
悪性神経膠腫については国内における使用経験が少なく、再発又は難治性のユーイング肉腫については使用経験がありません
・水痘を治療中の方
致命的な全身性の障害があらわれる可能性があります
・肝機能の障害または腎機能の障害が重大な方
テモゾロミドの副作用が強くあらわれる可能性があります
・授乳中の方
安全性が確立していないため授乳を避けることが望ましいとされています
・肝炎ウイルスに感染中、または過去に感染したことのある方
肝炎ウイルスが再活性化する可能性があります

上記にあてはまる方は、テモゾロミドを使用する事が出来ない可能性があります。
テモゾロミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
テモゾロミドと放射線照射を併用した場合に、重大な副作用や放射線照射による重大な合併症がおこる可能性があります(十分な知識と経験を持つ医師のもとで治療の実施をすることとされています)

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
食事との影響で注意点はありますか?

高脂肪食の食後にテモゾロミドを服用した際に、吸収される時間が遅くなり、吸収される量も少なくなったという報告があるので、空腹時に服用するのが良いとされています。

テモダールカプセル20㎎/100㎎

【上記引用元:テモダールカプセル20㎎/100㎎ 添付文書】

カプセルの中身を触ってしまったらどうすればよいですか?

テモゾロミドは細胞のDNAに作用する薬なので、成分に触れてしまった場合は「速やかに洗浄すること」とされています。

テモダールカプセル20㎎/100㎎

【上記引用元:テモダールカプセル20㎎/100㎎ 添付文書】

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