成分名 |
ブリナツモマブ(遺伝子組換え) |
適応症状 |
再発又は難治性のB細胞性急性リンパ性白血病 |
簡易説明 |
ブリナツモマブは、T細胞とB細胞の受容体に結合する一本鎖抗体で、再発した、もしくは治療が難しいB細胞性急性リンパ性白血病に使用されます。本剤は、遺伝子工学的手法により製造され、特にB細胞悪性腫瘍や急性リンパ性白血病に有効です。本剤はT細胞とB細胞を一過性に架橋し、T細胞を活性化して悪性B細胞を傷害します。60以上の国で販売されており、特にアメリカFDAから画期的治療薬として認められています。承認範囲は成人と小児の再発または難治性の急性リンパ性白血病と微小残存病変を有する患者にだんだんと広がってきています。また、ヨーロッパでも同様の適応で承認されており、日本でも希少疾病用医薬品として承認されています。 |
処方可能な診療科目 |
血液内科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:35μg約285961円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2018年11月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ビーリンサイト点滴静注用35μg【製薬メーカー:アムジェン】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
アメリカやヨーロッパなど60か国以上で販売されています。 |
効果・作用 |
ブリナツモマブ(遺伝子組換え)は、T細胞受容体複合体のCD3とB細胞の細胞膜上に発現するCD19の両方に作用するモノクローナル抗体です。B細胞性急性リンパ性白血病の患者では、高頻度でCD19が発現していることが分かっており、本剤はCD3とCD19を一過性に架橋し、T細胞を活性化することで標的B細胞を傷害します。
再発又は難治性のB細胞性急性リンパ性白血病患者35名を対象に国内第1b/2相試験を実施しています。第2相パートにおいて、最初の2サイクル以内にCR又はCRhが得られた患者の割合は38.1%、でした。また、第Ib相パートの小児の患者において、寛解が得られた患者の割合は55.6%でした。
また、18歳以上の成人の再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陰性B細胞性急性リンパ性白血病患者405名を対象に海外第3相試験を実施しています。標準化学療法と本剤を比較したところ、主要評価項目ちして設定した全生存期間の中央値は、標準化学療法群で4.0カ月、本剤群で7.7カ月であり、標準化学療法群に対して本剤群で有意な延長を示しました。
小児の再発又は難治性のB細胞性急性リンパ性白血病患者93名を対象に海外第1/2相試験を実施しています。第2相パートで本剤を投与された44名における、最初の2サイクル以内に寛解が得られた患者の割合は31.8%でした。
成人の再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性B細胞性急性リンパ性白血病患者45名を対象に海外第2相試験を実施しています。本剤を投与し、最初の2サイクル以内にCR又はCRhが得られた患者は45名中16名であり、割合としては35.6%でした。 |
使用方法 |
以下の投与量を28日間持続点滴静注した後、14日間休薬します。これを1サイクルとし、最大5サイクル繰り返してください。その後、以下の投与量を28日間持続点滴静注した後、56日間休薬します。これを1サイクルとし、最大4サイクル繰り返します。患者の症状に応じて減量が可能です。
・体重が45kg以上の場合:1サイクル目の1~7日目は1日9µg、それ以降は1日28µg
・体重が45kg未満の場合:1サイクル目の1~7日目は体表面積当たり1日5µg/m、それ以降は1日15µg/m 2とします。ただし、体重が45kg以上の場合の投与量は超えないよう注意をしてください。 |
副作用 |
主な副作用
免疫グロブリン減少、高ビリルビン血症、筋骨格痛、疲労などがあげられます。
重大な副作用
<神経学的事象>
29.3%の割合で確認されています。脳神経障害、脳症、痙攣発作、錯乱状態、失語症などの症状があらわれることがあります。痙攣発作の発現後、投与再開する場合は、抗痙攣薬の投与を考慮してください。
<感染症>
サイトメガロウイルス感染、肺炎、敗血症などの感染症があらわれることがあります。
< サイトカイン放出症候群>
18.2%の割合で確認されています。あらわれる症状として、発熱、無力症、頭痛、低血圧、悪心、肝酵素上昇、播種性血管内凝固などがあげられます。また、インフュージョンリアクションやアナフィラキシーショックがあらわれるケースもあります。
<腫瘍崩壊症候群>
異常が認められた場合には、投与を中止し、生理食塩液、高尿酸血症治療剤の投与、透析などを行ってください。
<骨髄抑制>
好中球減少、血小板減少、貧血、発熱性好中球減少症などがあらわれることがあります。
<膵炎>
1.6%の割合であらわれることがありますので、腹痛、血清アミラーゼ値の上昇などが出た場合には投与中止や中断をご検討ください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ブリナツモマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ビーリンサイトの有効成分
ブリナツモマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
クエン酸水和物、トレハロース水和物、L-リシン塩酸塩、ポリソルベート80、pH調節剤
・以前、ブリナツモマブ(遺伝子組換え)を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
使用に注意が必要な方 ・急性リンパ性白血病の活動性中枢神経系病変のある方とてんかん、痙攣発作などの中枢神経系疾患のある方もしくは以前かかったことのある方は、神経学的事象の症状が悪化するもしくはあらわれる可能性があります。
・感染症を合併している方は、骨髄抑制により感染症が悪化するリスクがあるので注意をしてください。
・治療前に骨髄中の白血病性芽球の割合が50%を超えている、もしくは末梢血中の白血病性芽球数が15,000/µL以上の方は、副作用の発現を軽減するため、治療前にデキサメタゾンによる治療を行った後、本剤を投与することが望ましいとされています。
・妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中と投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導してください。
・妊婦もしくは妊娠している可能性のある女性は、投与するメリットが上回るとされる場合にのみ投与を検討してください。
・低出生体重児と新生児を対象とした試験は実施していません。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため慎重に投与をしてください。
上記にあてはまる方は、ブリナツモマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 ブリナツモマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <生ワクチンもしくは弱毒生ワクチン>
接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現する可能性があるため、併用には注意をしてください。
上記を使用している方は、ブリナツモマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 ブリナツモマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ブリナツモマブ(遺伝子組換え)に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ビーリンサイト点滴静注用35μg 添付文書
ビーリンサイト点滴静注用35μg 医薬品インタビューフォーム |
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