成分名 |
ロミデプシン |
適応症状 |
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫 |
簡易説明 |
ロミデプシンは、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害し、細胞周期を停止させて細胞自滅を引き起こすことで腫瘍の増殖を抑制する、新規の抗腫瘍薬です。特に非ホジキンリンパ腫の一種である末梢性T細胞リンパ腫の治療に効果的で、治療が困難で再発しやすい本疾患に対する新たな治療選択肢となっています。本剤の開発は1996年に始まり、2011年にはアメリカで「治療歴がある末梢性T細胞リンパ腫」の治療薬として迅速承認されました。その後、日本でも「再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫」の治療薬として2017年に承認され、希少疾病用医薬品に指定されました。 |
処方可能な診療科目 |
血液内科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:10mg約111785円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2018年4月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
イストダックス点滴静注用10mg【製薬メーカー:ブリストル・マイヤーズスクイブ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
アメリカ、オーストラリア、カナダ、イスラエルなど4か国で販売されております。 |
効果・作用 |
ロミデプシンは、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害する、新しいタイプの抗がん剤です。前述の酵素を阻害することによって、細胞周期が停止し、アポトーシス誘導が生じることにより、腫瘍増殖が抑制されると考えられております。適応を取得している末梢性T細胞リンパ腫は非常に予後が悪い非ホジキンリンパ腫の 1種です。薬剤で一時的に奏功しても、また再発をする場合が多いとされている疾患です。現在、末梢性T細胞リンパ腫に対する標準的な治療は確立していません。
再発もしくは難治性のPTCL患者46名(第1相部分6名、第2相部分40名)を対象に、1サイクルを28日間として各サイクルの1、8、15日目に本剤14mg/m2を4時間点滴静注しました。第2相部分の有効性の解析対象40名における奏効率は42.5%でした。また、病理中央診断でPTCLと診断されなかった2名を除く、病理組織型別の奏効率は以下の通りでした。
●第1相部分と第2相部分の奏効率(奏功人数)
合計・・47.7%(44名中21名)
PTCL-NOS・・45%(20名中9名)
AITL・・45%(20名中9名)
ALK陰性、ALCL・・100%(3名中3名)
形質転換菌状息肉症・・0%(1名中0名)
●第2相部分の奏効率(奏功人数)
合計・・44.7%(38名中17名)
PTCL-NOS・・41.2%(17名中7名)
AITL・・44.4%(18名中8名)
ALK陰性、ALCL・・100%(2名中2名)
形質転換菌状息肉症・・0%(1名中0名) |
使用方法 |
体表面積あたり14mg/m2を1、8、15日目に4時間かけて点滴静注した後、16
~28日目は休薬します。この28日間を1サイクルとして投与を繰り返します。患者の症状に合わせて減量することが可能です。
本剤は単剤で使用する薬剤であり、他の薬剤との併用における有効性や安全性は確立しておりません。 |
副作用 |
主な副作用
悪心嘔吐や便秘や下痢、口内炎、AST/ALT増加、食欲減退、味覚異常、発熱や疲労、注射部位反応などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
消化器・・悪心/嘔吐/便秘/下痢/口内炎(10%以上)、腹痛(頻度不明)
心臓・・心房細動(5%~10%未満)、心電図ST-T変化/心電図ST-T部分上昇/心電図T波逆転(5%未満)、頻脈(頻度不明)
呼吸器・・上気道の炎症/低酸素症(5%~10%未満)、咳嗽(頻度不明)
肝・・AST増加/ALT増加(10%以上)
代謝・・食欲減退/低リン酸血症/低カリウム血症/低カルシウム血症(10%以上)、体重減少/低ナトリウム血症/低アルブミン血症/低マグネシウム血症(5%~10%未満)
精神・神経系・・味覚異常/頭痛(10%以上)、末梢性感覚ニューロパチー(5%~10%未満)
全身症状・・発熱/疲労/倦怠感(10%以上)、悪寒(5%未満)
血管・・静脈炎(5%~10%未満)、深部静脈血栓症/肺塞栓症(頻度不明)
その他・・ヘモグロビン減少/注射部位反応/発疹(10%以上)、末梢性浮腫(5%未満)、出血(頻度不明)
重大な副作用
骨髄抑制、感染症、QT間隔延長、腫瘍崩壊症候群、過敏症などに注意をしてください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ロミデプシンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼イストダックスの有効成分
ロミデプシン
▼代表薬の添加物
ポビドン、pH調整剤
・以前、ロミデプシンを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性は使用できません。
使用に注意が必要な方 ・骨髄抑制のある方は、重篤な血小板減少症、好中球減少症、リンパ球減少症及び貧血が発現することがあります。
・感染症を合併している方は、感染症が悪化するリスクがあります。
・QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある方は、QT間隔延長を起こす可能性があります。
・肝機能障害の方は、本剤の血中濃度が上昇するとの報告があります。減量を考慮し、有害事象の発現に十分注意してください。
・小児に対しては臨床試験を実施しておりません。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、慎重に投与をしてください。
上記にあてはまる方は、ロミデプシンを使用する事が出来ない可能性があります。 ロミデプシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬
血中濃度が上昇する恐れがあるため、併用する際には本剤の減量を検討してください。
<リファンピシン>
血中濃度が上昇する恐れがあるため、副作用などに十分注意をしてください。
<抗不整脈剤(アミオダロン塩酸塩/ジソピラミド/プロカインアミド塩酸塩/キニジン硫酸塩水和物/ソタロール塩酸塩等)、QT間隔延長を起こすことが知られている他の薬剤(クラリスロマイシン/オンダンセトロン塩酸塩水和物/メサドン塩酸塩/モキシフロキサシン塩酸塩/ベ
プリジル塩酸塩水和物/ピモジドなど)>
上記を使用している方は、ロミデプシンを使用する事が出来ない可能性があります。 ロミデプシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ロミデプシンに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
イストダックス点滴静注用10mg 添付文書
イストダックス点滴静注用10mg 医薬品インタビューフォーム |
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