ベキサロテン

成分名

ベキサロテン

適応症状

皮膚T細胞性リンパ腫

簡易説明

第三世代のレチノイドに分類されます。ベキサロテンは1つ以上の全身治療後に再発した、または治療抵抗性の、または他の局所治療に忍容でなかった患者のT細胞リンパ腫の皮膚症状の治療に使用されます。
レチノイドX受容体に結合し、がん細胞(腫瘍)の増殖を抑えます。
腫瘍細胞の増殖に関与するタンパク質の働きをおさえる働きがあります。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1錠あたりの目安:1カプセル75mg約2846.7円/カプセル
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 2016年6月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外のみ)

関連製品(先発薬)

タルグレチンカプセル75mg【製薬メーカー:ミノファーゲン製薬】

関連製品(ジェネリック)

タルグレチンカプセル75mg【製薬メーカー:アップシャー・スミス・ラボラトリーズ】

海外での使用実績

製薬メーカー発表「抗悪性腫瘍剤「タルグレチン®カプセル75mg」(一般名:ベキサロテン)皮膚T細胞性リンパ腫の適応で製造販売承認を取得・2016年1月22日

効果・作用

▼抗腫瘍効果▼
ベキサロテンは、CTCL由来HH及びHuT78細胞株の増殖を抑制する。

▼作用機序▼
ベキサロテンはレチノイン酸受容体(RAR)に対立する機能を持つレチノイドX受容体(RXR)への選択性を持つレチノイドです。(レチノイン酸はビタミンAが酸化されカルボン酸となったもの。)ベキサロテンは細胞周期を停止させ、分化やアポトーシスを誘導、薬剤耐性の形成を防止します。また、抗血管新生作用を有すると共に癌の転移を阻害します。RXRがアポトーシスを促進する一方で、RARは細胞の増殖を促進します。

▼皮膚 T細胞性リンパ腫とは▼
がん化したT細胞が主に皮膚で増殖する皮膚の悪性腫瘍で、代表的なものとしては、菌状息肉症やセザリー症候群などがあります。多くは悪性度が低く、数年から数十年かけてゆっくりとした経過で進行していきます。しかし、病気の段階によっては、急激に進行する場合もあります。症状には個人差があり、さまざまな皮膚症状があらわれます。淡い紅色や褐色などさまざまな色調の湿疹によく似た発疹(紅斑)、少し盛り上がりのある症状(局面)などがあります。数年から数十年かけて腫瘤期へ移行すると、腫瘤があらわれるようになります。さらに症状が進行すると、皮膚症状のほかにリンパ節、血液、臓器にもがん化したT細胞がみられることがあります。

▼菌状息肉症とは▼
悪性リンパ腫が皮膚にできる珍しい病気です(10万人に1人程度)。Tリンパ球が腫瘍化して起こると考えられており、進行すると皮膚以外の臓器(リンパ節や肝臓、肺)に転移することがあります。身体のいろいろな部分に湿疹のような皮膚の病変やざらざらとした皮膚の病変が初期にみられます。進行すると病気の部分の皮膚が厚くなったり固くなったりします。治療は手術ではなく抗がん剤を中心とした薬物療法や放射線治療です。菌状息肉腫は皮膚科と血液内科が協力して診療が行われます。

使用方法

・ベキサロテンとして1日1回300mg/㎡(体表面積)を食後経口投与すること
※なお、患者の状態により適宜減量する

副作用

主な副作用
頭痛、悪心、嘔吐、倦怠感、血小板数増加、高尿酸血症、食欲減退、血小板増加症、活性化部分トロンボプラスチン時間延長、浮腫、血中甲状腺刺激ホルモン減少

重大な副作用
高コレステロール血症、CK上昇、高トリグリセリド血症、白血球減少症、好中球減少症、貧血、下垂体性甲状腺機能低下症、肺炎、肝機能障害、AST上昇、筋力低下、ALT上昇、総ビリルビン上昇、膵炎、急性膵炎、腹痛、低血糖、内分泌障害、肝不全、敗血症、重篤な感染症、間質性肺疾患、血栓塞栓症、肺塞栓症、心筋梗塞、脳血管発作、横紋筋融解症、筋肉痛、CPK上昇、血中ミオグロビン上昇、尿中ミオグロビン上昇

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。

その他の副作用
サイロキシン減少、洞性不整脈、心電図QT延長、脱毛症、皮膚炎、光線過敏症、腎機能障害、皮膚障害、血中クレアチニン増加、無感情、耳管開放、発声障害、感染、食欲不振、低蛋白血症、末梢性浮腫、疼痛、骨髄機能不全、リンパ節症、白血球増加症、好酸球増加症、下痢、甲状腺機能低下症、皮膚そう痒症、発疹、剥脱性皮膚炎、皮膚剥脱、血中尿素窒素増加、無力症、ホルモン値変動、ホルモン値異常、発熱、遊離サイロキシン減少、細菌感染、悪寒、背部痛、白内障

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ベキサロテンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方タルグレチンは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼タルグレチンの有効成分
ベキサロテン
▼代表薬の添加物
ポリエチレングリコール400、ポリソルベート20、ポビドン、ブチルヒドロキシアニソール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆レシチン

■他に使用できない方
・妊婦/産婦
・過敏症
・重度肝障害/ビタミンA過剰症/ビタミンA製剤投与中/皮膚以外の病変<内臓等>/未治療の皮膚T細胞性リンパ腫

使用に注意が必要な方
・高齢者
・膵炎/軽度肝障害/中等度肝障害/膵炎の危険因子を有する

上記にあてはまる方は、ベキサロテンを使用する事が出来ない可能性があります。
ベキサロテンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
ビタミンAを含むもの<レバー、あんこう、うなぎ、あゆ、海苔 など>

上記を使用している方は、ベキサロテンを使用する事が出来ない可能性があります。
ベキサロテンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
経口避妊薬/ビタミンA製剤/CYP2C8を阻害する薬剤/ゲムフィブロジル/CYP3A酵素で代謝を受ける薬剤/アトルバスタチン/シンバスタチン/ミダゾラム/糖尿病用薬/インスリン製剤/スルホニルウレア系薬剤/チアゾリジン系薬剤

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
食事で気を付けることはありますか?

ビタミンA 製剤と併用することにより、ビタミンA過剰症と類似した症状があらわれることがあります。そのため、タルグレチン服用中は、ビタミンA製剤を服用しないでください。また、ビタミンAサプリメントの摂取は控えてください。

タルグレチンの服用から、脂質異常症になってしまった場合はどうしたらいいですか?

様々な治療法がありますが、以下の生活習慣を例に実行してみてください。
①禁煙、受動喫煙を回避する
②過食を抑え、標準体重を維持する
③肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を抑え、魚類、大豆製品の摂取を 
増やす
④野菜、果物、未精製穀類、海藻の摂取を増やす
⑤食塩を多く含む食品の摂取を控える(6g/日未満)
⑥アルコールの過剰摂取を控える(25g/日以下)
⑦有酸素運動を毎日30分以上行う など

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。