成分名 |
フルタミド |
適応症状 |
前立腺癌 |
簡易説明 |
フルタミドの先発薬であるオダイン錠125mgは非ステロイド性の抗アンドロゲン薬と呼ばれるものです。細胞毒性を示す抗がん剤とは作用機序が異なる為、抗がん剤の中でも比較的副作用は少なめなのが特徴です。主な副作用としては、女性型乳房や消化器症状が知られております。しかし、従来のステロイド系薬剤にみられる女性化乳房や血栓塞栓症のリスクは低いので、前立腺がんに対するホルモン療法として広く用いられるようになりました。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/泌尿器科/腎臓内科/腎臓外科/麻酔科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約3,000円~6,000円
薬代1錠あたりの目安:125mg約170円
薬代後発薬1錠の目安:125mg約80円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2008年3月13日製造販売承認
2008年6月20日薬価基準収載
1994年12月5日販売
アメリカ 1989年承認 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
オダイン錠125mg【製薬メーカー:日本化薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
フルタミド錠125mg「VTRS」【製薬メーカー:マイランEPD合同会社】
フルタミド錠125「KN」【製薬メーカー:小林化工株式会社】 |
効果・作用 |
オダイン錠125㎎は前立腺がんに効果のある医薬品として承認されております。
【前立腺がんとは】
前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失い、無秩序に自己増殖する事により発生します。早期に発見すれば治癒する事が可能です。多くの場合比較的ゆっくり進行していきます。近くのリンパ節や骨に転移する事が多いですが、肺、肝臓などに転移する事もあります。
早期の前立腺がんは、多くの場合自覚症状はございません。しかし、尿が出にくい、排尿回数が多い等の症状が出ることもございます。進行すると、排尿の症状に加えて、血尿や、腰の痛みなど、骨への転移による痛みがみられることがございます。
【治療の選択】
治療法は、標準治療に基づいて、患者の身体の状態や年齢、患者の希望なども含めて検討し、主治医とともに決めていきます。
前立腺がんにおける主な治療法としては、監視療法、外科的手術、放射線治療、ホルモン療法、化学療法です。複数の治療法が選択可能な場合がございます。
この中で今回紹介するオダイン錠125㎎はホルモン療法に該当しております。
内分泌療法は手術や放射線治療を行うことが難しい場合や、放射線治療の前後、がんが他の臓器に転移した場合などに行われる治療法になります。
【内分泌療法の問題点】
内分泌療法の問題点は、長期で治療を続けていた場合、反応が減弱し、落ち着いていた症状がぶり返す「再燃」が生じることにあります。ホルモン療法は前立腺がんに対して非常に有効な治療法ですが、ホルモン療法のみで完治することは非常に難しいと考えられております。再燃した場合においては女性ホルモン剤と呼ばれるものや副腎皮質ホルモン剤と呼ばれるものなどが使用されることがありますが、いずれも最初は効果がみられても、次第に効果が弱くなると言われております。
【作用機序】
前立腺における細胞増殖は、精巣から分泌されているアンドロゲンの一種であるテストステロンが関与していると考えられております。テストステロンは標的器官の細胞膜を自由に通過し、細胞内の5αーリダクターゼにより主にジヒドロテストステロンに還元され、アンドロゲンレセプターと結合します。この複合体が核内のDNA上に存在するアンドロゲンレスポンスエレメントと結合する事により細胞増殖を引き起こすことが知られております。
フルタミドは、生体内で速やかにOH-フルタミドに代謝され前立腺がん組織内に存在するアンドロゲンレセプターに結合して、アンドロゲンレセプターに対するアンドロゲンの結合を阻害する事により抗腫瘍効果を発揮する者と考えられております。 |
使用方法 |
通常成人においては、有効成分であるフルタミドとして1回量125mgを1日3回に分けて、食後に経口から投与する事とされております。なお、症状の状態により、適宜増減する事で調整する事とされております。 |
副作用 |
重大な副作用
1)重篤な肝障害(頻度不明)
劇症肝炎等の重篤な肝障害が現れることがございます。初期症状としましては、食欲不振、悪心・嘔吐、全身倦怠感、掻痒、発疹、黄疸などの報告がございます。
2)間質性肺炎(頻度不明)
間質性肺炎が現れることがございます。症状としましては発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線以上、好酸球増多等の報告がございます。
3)心不全、心筋梗塞(頻度不明)
その他の副作用
1)肝臓
AST上昇、ALT上昇(10%以上)
γーGTP上昇、AL-P上昇(1~10%未満)
LDH上昇(1%未満)
ビリルビン上昇(頻度不明)
2)内分泌系
女性型乳房(22.2%)
ポテンツ低下(1~10%未満)
3)消化器
悪心・嘔吐、下痢(1~10%未満)
食欲不振(1%未満)
胸やけ、胃痛、胃部不快感、口渇(頻度不明)
4)血液
白血球減少(1%未満)
貧血、血小板減少(頻度不明)
5)腎臓
BUN上昇、尿蛋白陽性(1%未満)
クレアチニン上昇(頻度不明)
6)精神神経系
めまい(1%未満)
ふらつき、立ち眩み、頭痛、脱力感、傾眠、不眠、混乱、うつ状態、不安感、神経過敏症(頻度不明)
7)過敏症
発疹、光線過敏症(頻度不明)
8)皮膚
掻痒(頻度不明)
9)その他
尿糖陽性、血清総蛋白減少(1%未満)
浮腫、全身倦怠感、発熱、潮紅、発汗、味覚異常、血糖値上昇(頻度不明)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)肝障害のある患者
肝障害における症状としては食欲不振、悪心・嘔吐、全身倦怠感、掻痒、発疹、黄疸などが報告されております。オダイン錠125㎎自身の副作用に肝障害の副作用の発生の報告がある為禁忌となっております。また、国内において8例の死亡に至った症例の報告もございます。
2)本剤に対する過敏症の既往歴のある患者
有効成分:フルタミド
添加物:無水乳糖、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム
使用に注意が必要な方 1)薬物過敏症の既往歴のある患者
2)肝機能障害患者
肝障害のある患者においては投与しないこととされております。もともとオダイン錠125mg自体の副作用に劇症肝炎等の重篤な肝障害によって死亡した症例がある為禁忌に設定されております。
3)高齢者
高齢者においては肝機能等の生理機能が低下していることが多く高い血中濃度が持続する可能性がある為併用注意に設定されております。実際の臨床試験においては高齢者及び非高齢者における副作用の発現率においては明確な差はみられてはおりません。
上記にあてはまる方は、フルタミドを使用する事が出来ない可能性があります。 フルタミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ワルファリン(商品名:ワーファリン錠):作用機序は不明ですがワルファリンの抗凝固作用を増強したとの報告がございます。外国の添付文書に使用上の注意の記載がある為に本においても併用注意に設定されました。
上記を使用している方は、フルタミドを使用する事が出来ない可能性があります。 フルタミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 オダイン錠125mgにおいて併用禁忌薬の設定はされておりません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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