成分名 |
ラニムスチン |
適応症状 |
・膠芽腫
・骨髄腫
・悪性リンパ腫
・慢性骨髄性白血病
・真性多血症
・本態性血小板増多症 |
簡易説明 |
ラニムスチンは、田辺三菱製薬株式会社で開発された抗がん剤です。
もともとは水に溶けにくい成分でしたが、水に溶けやすくすることで注射剤として使用可能となりました。慢性骨髄性白血病や悪性リンパ腫など多くの疾患に使用が可能ですが、特に脳腫瘍の中での膠芽腫に効果が高いとされています。
現在、日本での販売はニプロESファーマが行っております。比較的歴史の長い薬剤で、臨床試験だけではなく、実際の投与における効果を裏付ける論文などについても多数執筆されています。 |
処方可能な診療科目 |
血液内科/脳外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:50mg約9054円/100mg約19006円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1987年7月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
注射用サイメリン50mg/100mg【製薬メーカー:ニプロESファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
本剤は海外では販売されておりません。 |
効果・作用 |
ラニムスチンは、DNAやタンパク、RNAをアルキル化することによって、DNA合成を阻害するるニトロソウレア系抗悪性腫瘍剤です。結果、RNAプロセシング阻害することで、抗がん作用を示すとされています。脳腫瘍や慢性骨髄性白血病などさまざまな癌腫に適応を取得しておりますが、脳腫瘍の中でも悪性度の高い膠芽腫に特に効果が高いとされています。
臨床試験としては国内47施設において、221名を対象に臨床試験を実施しています。各疾患ごとの寛解率は以下の通りでした。
膠芽腫 14名中CRとPRを合わせた寛解は5名でした。割合としては、35.7%でした。
骨髄腫 41名中CRとPRを合わせた寛解は9名でした。割合としては、22.0%でした。
悪性リンパ腫33名中CRとPRを合わせた寛解は8名でした。割合としては、24.2%でした。
慢性骨髄性白血病75名中、CRとPRを合わせた寛解は65名でした。割合としては、86.7%でした。
慢性骨髄性白血病(急性転化期)11名中、CRとPRを合わせた寛解は3名でした。割合としては、27.3%でした。
真性多血症29名中、CRとPRを合わせた寛解は26名でした。割合としては、89.7%でした。
本態性血小板増多症18名中、CRとPRを合わせた寛解は16名でした。割合としては、88.9%でした。 |
使用方法 |
以下の用量を生理食塩液もしくは5%ブドウ糖注射液100~250mLに溶解し、30~90分かけて点滴静注します。または、10〜20mLに溶解し、30秒から60秒ほどかけてゆっくり静脈内に投与します。
・1回投与量は50〜90mg/m2として、次の投与は血液所見の推移をみながら6~8週後に行ってください。悪性リンパ腫の中でも成人T細胞白血病リンパ腫に対して他の抗悪性腫瘍剤と本剤を併用する場合には、投与間隔は4週間以上としてください。
患者の症状に合わせて増減が可能です。 |
副作用 |
主な副作用
AST上昇やALT上昇、食欲不振や悪心嘔吐、全身倦怠感などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
肝臓・・AST上昇/ALT上昇(5%以上)、Al-P上昇/総ビリルビン上昇/総蛋白低下/A/G比低下(0.1~5%未満)
腎臓・・BUN上昇/クレアチニン上昇/高尿酸血症/血尿(0.1~5%未満)
消化器・・食欲不振/悪心・嘔吐(5%以上)、下血/下痢(0.1~5%未満)
過敏症・・発疹(0.1~5%未満)
皮膚・・色素沈着/毛のう炎(0.1~5%未満)
その他・・全身倦怠感(5%以上)、頭重/発熱/耳鳴/めまい/手のしびれ/不快感(0.1~5%未満)
重大な副作用
<骨髄抑制>
白血球減少が22.2%、 血小板減少が20.6%の確率で発現することがあります。ほかにも頻度は分かっていませんが 貧血、汎血球減少、出血傾向などの症状にも注意をしてください。異常がみられた場合には、減量や休薬、輸血などをご検討ください。
特に添付文書の重要な基本的注意には、投与して少し経過してから(遅延性)骨髄抑制などの副作用が起こることがあると記載されています。そのため、投与後6週間はかならず1週間ごとに血液検査や肝機能検査、腎機能検査などを行うなどして患者の状態を観察していてください。
<間質性肺炎>
0.1%の割合で発現することがわかっています。
二次性の悪性腫瘍として、MDSや急性白血病や慢性骨髄性白血病に至ることがありますので、これらの症状にも十分注意しながら投与を継続してください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましいとされています。
使用に注意が必要な方 ・骨髄機能抑制のある方は、骨髄機能抑制が悪化してしまう可能性があります。
・感染症の方は、骨髄機能抑制によって、感染症の症状が悪化してしまう可能性があります。
・腎機能障害の方は、副作用が強まってしまう恐れがあります。
・肝機能障害の方は、副作用が強まってしまう恐れがあります。
・生殖能を有する方は、小児や生殖可能な年齢の方に投与する場合、性腺に対する影響を考慮してください。
・小児は、代謝系が十分に発達していないことから副作用が強く出てしまう可能性があります。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、副作用が多くあらわれやすいとされています。もし症状があらわれた際には、用量や投与間隔の調節を行ってください。
上記にあてはまる方は、ラニムスチンを使用する事が出来ない可能性があります。 ラニムスチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <他の抗悪性腫瘍剤放射線照射>
骨髄機能抑制などの副作用が強まってしまう可能性があります。もし症状があらわれた場合には、薬剤の減量もしくは投与間隔を広げることを検討してください。
上記を使用している方は、ラニムスチンを使用する事が出来ない可能性があります。 ラニムスチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
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ラニムスチンに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ラニムスチン 添付文書 |
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