ダラツムマブ(遺伝子組換え)

成分名

ダラツムマブ(遺伝子組換え)

適応症状

多発性骨髄腫

簡易説明

ダラツムマブ(遺伝子組換え)は、多発性骨髄腫に用いられる抗がん剤です。CD38抗原に結合し、腫瘍増殖を抑える効果を発揮します。もともとは何剤か治療歴のある方に対して本剤の有用性が認められておりましたが、臨床試験を重ねていくうえで、現在は治療歴によらず、「多発性骨髄患者」には使用できる薬剤となっています。

処方可能な診療科目

血液内科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:100mg約52262円/400mg約187970円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2017年11月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ダラザレックス点滴静注100mg/ダラザレックス点滴静注400mg【製薬メーカー:ヤンセンファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

最初にアメリカで承認されました。現在は50か国以上で販売されております。

効果・作用

ダラツムマブ(遺伝子組換え)は、ヒトのるCD38抗原に結合することで、補体依存性細胞傷害作用、抗体依存性細胞傷害作用、抗体依存性細胞貪食作用を示し、腫瘍増殖を抑制するとマウスの実験より考えられています。もともとはアメリカで開発されました。

1レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者498名を対象に、海外第3相試験を実施しています。ボルテゾミブとデキサメタゾンの併用療法(Bd療法と呼ぶ)とBd療法に本剤を上乗せしたDBd療法を比較しました。主要評価項目として設定した無増悪生存期間の中央値は、DBd群では未到達、Bd群で7.2ヵ月であり、DBd群において有意な延長を示しました。副次評価項目である全生存期間の中央値は、いずれの群も未到達であり、統計学的に有意な延長は認められておりません。

日本人が含まれている試験としては、1レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者569名を対象とした国際共同第3相試験があります。日本人患者は36名含まれておりました。
レナリドミドとデキサメタゾンの併用療法(Ld療法)とLd療法に本剤を上乗せしたDLd療法を比較しました。主要評価項目として設定した無増悪生存期間の中央値は、DLd群では未到達、Ld群で18.4ヵ月であ
り、DLd群で有意な延長を示しました。副次評価項目である全生存期間の中央値は、DLd群では未到達、Ld群で20.3ヵ月であり、有意差は認められませんでした。

使用方法

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、1回1kgあたり16mgを、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルを考慮して、以下のA法もしくはB法の投与間隔で点滴静注します。
初回は、1回1kgあたり8mgを1日目及び2日目に投与する分割投与も可能です。

A法:1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与してください。
B法:1週間間隔、3週間間隔及び4週間間隔の順で投与してください。

同じ部位への繰り返しの注射は避けてください。

副作用

主な副作用
貧血や呼吸困難、疲労などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。

感染症及び寄生虫症・・上気道感染(10%以上)、気管支炎/インフルエンザ/尿路感染/サイトメガロウイルス感染(5%未満)
血液及びリンパ系障害・・貧血(10%以上)、白血球減少(5%以上10%未満)
免疫系障害・・低γグロブリン血症(5%未満)
代謝及び栄養障害・・食欲減退/低カルシウム血症/脱水/高血糖(5%未満)
神経系障害・・頭痛/末梢性感覚ニューロパチー/錯感覚/失神(5%未満)
心臓障害・・心房細動(5%未満)
血管障害・・高血圧(5%未満)
精神障害・・不眠症(5%未満)
呼吸器/胸郭及び縦隔障害・・呼吸困難(10%以上)、咳嗽(5%以上10%未満)、肺水腫(5%未満)
胃腸障害・・悪心/下痢/嘔吐(5%以上10%未満)、便秘(5%未満)
筋骨格系及び結合組織障害・・筋痙縮/背部痛(5%未満)
一般・全身障害及び投与部位の状態・・疲労(10%以上)、発熱/悪寒(5%以上10%未満)、無力症/末梢性浮腫(5%未満)

重大な副作用
<インフュージョンリアクション>
アナフィラキシー、鼻閉、咳嗽、悪寒、気管支痙攣、低酸素症、呼吸困難などの症状が出た場合は、本剤の投与を中止してください。インフュージョンリアクションを軽減させるために、本
剤を投与する1~3時間前に副腎皮質ホルモンや解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤などを投与してください。また、インフュージョンリアクションが遅れて出てくることを防ぐために、本剤投与後にも、副腎皮質ホルモン等を投与してください。

<骨髄抑制>

<感染症>
肺炎や敗血症などの重篤な感染症やB型肝炎ウイルスの再活性化が起こる可能性があります。

<腫瘍崩壊症候群>
異常があらわれた場合には、生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析などの処置を行ってください。

<間質性肺炎>
異常があらわれた場合には、投与を中止してください。必要に応じて、胸部CT、血清マーカーなどの検査を定期的に行ってください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ダラツムマブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ダラザレックス点滴静注の有効成分
ダラツムマブ

▼代表薬の添加物
D-マンニトール、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム水和物、ポリソルベート20、氷酢酸

・以前、ダラツムマブを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性でHBc抗体陽性若しくはHBs抗体陽性の方は、B型肝炎ウイルスの再活性化に注意をしてください。肝炎に至ることもあるため、投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行ってください。
・体重65kg以下の方は好中球減少等の骨髄抑制の発現が増加することがありますので、注意をしてください。
・小児に対しては臨床試験を実施していません。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、下痢及び脱水などの副作用に注意をしてください。65歳以上の方は65歳未満の方と比べて、重篤な副作用の発現率(肺炎や敗血症)が高いことが認められております。

上記にあてはまる方は、ダラツムマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ダラツムマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ダラツムマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
本剤希釈後注意をすることはありますか?

本剤は保存剤を含んでいないので、希釈した後は投与時間も含めて15時間以内に投与してください。保管するときは室温のもとに置き、すぐに使用しない場合は遮光下2~8℃で保管してください。

薬剤投与時の注意

【上記引用元:ダラザレックス 医薬品インタビューフォーム】

調整する際の注意はありますか?

本剤の色が無色~黄色であることを確認してください。もし変色が認められた場合には使用しないでください。

適用上の注意

【上記引用元:ダラザレックス 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

ダラザレックス 添付文書

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