成分名 |
イキサゾミブクエン酸エステル |
適応症状 |
・多発性骨髄腫の維持療法
・再発又は難治性の多発性骨髄腫 |
簡易説明 |
・がん細胞の増殖に関わる特定分子の情報伝達などを妨害する抗腫瘍作用がある分子標的薬となっております。
・細胞周期に大事な役割を果たしている「プロテアソーム酵素」の妨害します。
・いらなくなったタンパク質を細胞に溜め、がん細胞の増殖や転移などを活性化する「転写因子」の活性妨害作用によって、腫瘍細胞の自滅を誘導することで抗腫瘍効果があります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科/皮膚科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約10,000円~
薬代1錠あたりの目安:ニンラーロカプセル2.3/3/4mg:98306.4円/125640円/163865.4円/カプセル
薬代後発薬1錠の目安:Ninlaro2.3mg/295.000 円/3包
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月 : 2017年5月 |
国内のジェネリック認可 |
現在国内ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外のみ) |
関連製品(先発薬) |
ニンラーロカプセル2.3/3/4mg【製薬メーカー:武田薬品工業】 |
関連製品(ジェネリック) |
国外ジェネリック医薬品
Ninlaro2.3/3/4mg(Takeda) |
効果・作用 |
▼作用機序▼
・がん細胞の「プロテアソーム酵素」を阻害すると、がん細胞は不要なタンパク質を除去することができなくなり、がん細胞中に不必要なタンパク質が増えていきます。それにより、がん細胞は細胞分裂が不可能となっていき細胞自死が引き起こされるます。
・「PSMB5」は「20Sプロテアソーム複合体」の一部で「キモトリプシン」と同じ酵素活性を持っています。癌細胞株でプログラムされた細胞死の一種である「アポトーシス」を誘導します。
・骨髄腫細胞株において、イキサゾミブとレナリドミドの相乗効果が確認されております。
・治療濃度においては「プロテアソームサブユニットβタイプ5」を選択的、かつ可逆的に妨害します。
・解離半減期は18分となっております。
・解離半減期が110分と非常に長いボルテゾミブと同様です。類薬であるカルフィルゾミブは、PSMB5を不可逆的に阻害します。
・プロテアソームサブユニットβタイプ1、タイプ2は、細胞培養モデルで到達し得る高濃度でのみ阻害されるものです。
・造血幹細胞移植後の維持療法として有効性があります。
▼プロテアソーム阻害薬とは▼
・がん細胞の増殖などに関係する特定分子の情報伝達を妨害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬
ベルケイド/カイプロリス/ニンラーロなどがある |
使用方法 |
「再発または、難治性の多発性骨髄腫の場合」
・〈レナリドミド〉および〈デキサメタゾン〉の併用では、成人においては、空腹時〈1日1回4mgを週1回、3週間〉経口投与し〈13日間は休薬〉をしてください。
※この4週間を1サイクルとします。投与を繰り返してください。
※なお、患者の状態により適宜減量することとします。
「多発性骨髄腫での維持療法」
成人においては、空腹時〈1日1回、週1回、3週間〉経口投与し、13日間は休薬)してください。
※この4週間を1サイクルとします。投与を繰り返してください。
※投与量に関しては「4サイクル」までは3mgとします。「5サイクル」以降は4mgとなります。
※なお、患者の状態により適宜減量することとします。
「用法および、用量に関連する注意」
▼効能共通
・食後に投与した場合は「Cmax低下、AUC低下」すると報告されており、食事の影響を避けるために、食事の1時間前~食後2時間までの間の服用は避けてください。
▼効能共通
・新たなサイクルの開始する場合には、以下の基準を参考に投与の可否を判断してください。
■サイクル開始基準
①好中球数の数値:1000/mm3以上とする
②血小板数の数値:75000/mm3以上とする
③非血液毒性:ベースラインまたは、Grade1以下に回復していること
■Gradeは、「NCI−CTCAE v4.0」に基づくとする
・再発または、難治性の多発性骨髄腫:単独で服用した場合において、有効性及び安全性は確立しておりません。
「再発、難治性の多発性骨髄腫」
・レナリドミドおよび、デキサメタゾン以外の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性および、安全性は確立しておりません。
「再発、難治性の多発性骨髄腫」
・投与によって、副作用があらわれた場合、以下基準を参考に、休薬、減量、中止してください。
▼減量の段階として
①再発、難治性の多発性骨髄腫の場合
開始の用量:4mg
1(1段階減量):3mg
2(2段階減量):2.3mg
3:服用するのは中止してください
▼休薬・減量・中止基準
再発、難治性の多発性骨髄腫の場合
・血小板減少症では血小板数30000/mm3未満、30000/mm3以上に、体調が戻るまで、薬の使用はお控えください。回復後、おなじ用量で服用が可能となります。(再び「30000/mm3未満」に減少した場合は「30000/mm3」以上に戻るまでは休を飲むのはやめ、数値が戻った後は1段階へらし、服用が開始可能となります)
②末梢神経障害の場合
再発、難治性の多発性骨髄腫
・疼痛と同時に「Grade1の末梢神経障害」あるいは、疼痛をともなった「Grade2の末梢神経障害」
ベースラインか、疼痛を含まないGrade1以下に戻るまで、服用は控えてください。改善回復後、同一用量で投与が再開可能となっております。
・疼痛を含んだ「Grade2の末梢神経障害」もしくは「Grade3の末梢神経障害」
ベースラインもしくは、Grade1以下に体が戻るまでは、必ず服用するのはおやめください。快復したのちには「1段階減量」して薬の投与を再開してください。
・「Grade4の末梢神経障害」
薬を飲むのは中止してください。
③皮膚障害の場合
再発、難治性の多発性骨髄腫
・「Grade2」皮膚障害
対症療法することで、薬の投与を継続できます(副作用が許容できない場合、Grade1以下に数値が回復するまで休薬となります。快復したら1段階減量して投与を開始してください)
・「Grade4」皮膚障害
服用するのは、おやめください
・「Grade3」皮膚障害
Grade1以下に癒えるまで、休薬となります。改善後、1段階減量して投与を始めてください。
④再発、難治性の多発性骨髄腫の場合
「好中球減少症」
・好中球数「500/mm3未満、500/mm3」以上に、改善するまで、休薬になり、快復したのち、同一の用量で、投与を開始できるようになります。(再び「500/mm3」未満に減少した場合「500/mm3」以上に戻るまで、服用を控え、改善後は、1段階減量して投与を開始してください)
⑤前記以外の副作用の場合
再発、難治性の多発性骨髄腫
・Grade3非血液毒性
ベースラインもしくは「Grade1」以下に戻るまで、服用はお控えください。戻った後は、1段階減量して服用を再開してください。
・Grade4非血液毒性
服用するのはおやめください
GradeはNCI−CTCAE v4.0に基づく
「多発性骨髄腫の維持療法」
・本剤以外の抗悪性腫瘍剤との併用においては「有効性、安全性」は確立しておりません。
・「24ヵ月」を超え投与した場合において「有効性、安全性」は確立してません。
・副作用があらわれた場合、以下基準を参考に、休薬、減量、中止を考慮してください。
▼本剤の減量の段階▼
①多発性骨髄腫の維持療法の通常用量:「1から4サイクル」3mg、「5サイクル」以降4mg
②多発性骨髄腫の維持療法1:(1段階減量)1から4サイクル2.3mg、「5サイクル」以降3mg
③多発性骨髄腫においての維持療法2:(2段階減量)「1から4」サイクル薬の投与は中止、「5サイクル」以降2.3mg
④多発性骨髄腫においての維持療法3:「5サイクル」以降、薬を服用するのは中止となっております。
〈休薬/減量/中止基準〉
(1)多発性骨髄腫での維持療法
・血小板減少症
「血小板数50000/mm3未満、75000:mm3」より上になるまで薬を飲むのはおやめください。また回復後は、1段階減量して投与が再開可能となっております。
(2)末梢神経障害
多発性骨髄腫の維持療法
・疼痛をともなった「Grade2」の末梢神経障害または「Grade3」の末梢神経障害
ベースラインもしくは、Grade1以下にもどるまで休薬、快復した後は、1段階減量して投与するのを始めてください。
・Grade4末梢神経障害
服用するのはおやめください。
・〈疼痛〉をともなった「Grade1」の末梢神経障害または、疼痛含む「Grade2」の末梢神経障害
ベースラインまたは、疼痛をともなわないGrade1以下に数値が戻るまでは薬の服用をおやめください。回復した後は、同一用量で服用の再開が可能となっております。
(3)皮膚障害
多発性骨髄腫における維持療法
・Grade2皮膚障害
対症療法を行い、投与を継続することが可能となります。(副作用の許容不可の場合は、1段階減らし、薬を投与してください)
・Grade3皮膚障害
Grade1以下に改善回復するまで、薬をお控えください。回復後、1段階減量して薬を飲むのが可能となります。
・Grade4の皮膚障害
服用するのはおやめください
(4)多発性骨髄腫における維持療法
・好中球減少症
「好中球数の数値」
750/mm3未満、1000/mm3以上に改善回復するまで、服用するのはしないでください。数値がもどりしだい、1段階少なくして投与が再開可能となります。
(5)前記以外の副作用
発性骨髄腫の維持療法
・「Grade4」非血液毒性
薬を飲むのを中止するか、治療上の有効性を考えた上、1段階減らして投与が開始可能となります。
・「Grade3」非血液毒性
ベースラインまたは、Grade1以下に改善回復するまで、休薬になります。回復した後は、1段階減らし、薬の服用が可能となります。
※GradeはNCI−CTCAE v4.0に基づく |
副作用 |
主な副作用
イキサゾミブクエン酸エステルには、副作用が起こる可能性があります。
イキサゾミブクエン酸エステルを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
下痢、好中球減少症、貧血、悪心、嘔吐、便秘、発疹、疲労、不眠症、無力症、末梢性浮腫
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
血小板減少症、末梢神経障害、末梢性感覚ニューロパチー、末梢性ニューロパチー、感染症、重度下痢、多発ニューロパチー、末梢性感覚運動ニューロパチー、帯状疱疹、肺炎、皮膚粘膜眼症候群、Stevens-Johnson症候群、可逆性後白質脳症症候群、痙攣発作、血圧上昇、頭痛、意識変容、視覚障害
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
紅斑、ざ瘡様皮膚炎、薬疹、そう痒性皮疹、気分変化、低カリウム血症、末梢腫脹、筋力低下、倦怠感、筋肉痛、体重増加、深部静脈血栓症、潮紅、低血圧、咳嗽、回転性めまい、疼痛、脱毛症、食欲減退、筋痙縮、関節痛、感覚鈍麻、傾眠、注意力障害、嗜眠、味覚減退、低カルシウム血症、気分動揺、動悸、腹部不快感、放屁、口腔内潰瘍、消化不良、口内炎、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、鼻出血、口腔咽頭痛、上腹部痛、腹痛、リンパ球減少症、汎血球減少症、不安、血中クレアチニン増加、浮動性めまい、錯感覚、味覚異常、振戦、全身性そう痒症、急性熱性好中球性皮膚症、顔面浮腫、背部痛、易刺激性、インフルエンザ様疾患、呼吸困難、しゃっくり、肺塞栓症、神経痛、白内障、霧視、眼乾燥、結膜炎、クッシング様症状、うつ病、発熱、白血球減少症、γ-GTP増加、皮膚そう痒症、挫傷、錯乱状態、腎不全、耳鳴、高血糖、体重減少、四肢痛、激越、紅斑性皮疹、剥脱性皮膚炎、眼刺激、高血圧、口内乾燥、胃炎、ALT増加、AL-P増加、Sweet症候群、関節腫脹、多汗症
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・妊婦/産婦
・過敏症
■イキサゾミブクエン酸エステルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちのニンラーロは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ニンラーロの有効成分
イキサゾミブクエン酸エステル
▼代表薬の添加物
・結晶セルロース
・ゼラチン
・タルク
・ステアリン酸マグネシウム
・酸化チタン
・ラウリル硫酸ナトリウム
・三二酸化鉄
使用に注意が必要な方 ・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・高齢者
・重度腎機能障害
・クレアチニンクリアランスが30mL/min未満
・中等度以上の肝機能障害
・総ビリルビン値が基準値上限の1.5倍超
上記にあてはまる方は、イキサゾミブクエン酸エステルを使用する事が出来ない可能性があります。 イキサゾミブクエン酸エステルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むもの
上記を使用している方は、イキサゾミブクエン酸エステルを使用する事が出来ない可能性があります。 イキサゾミブクエン酸エステルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 CYP3A酵素誘導剤/リファンピシン類/カルバマゼピン/フェニトイン
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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