成分名 |
アカラブルチニブ |
適応症状 |
再発または難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)小リンパ球性リンパ腫を含む |
簡易説明 |
アカラブルチニブは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)と結合し、キナーゼ活性を阻害する作用があります。B細胞が末梢血や骨髄に腫瘍化してしまう慢性リンパ性白血病にてそのB細胞性腫瘍の増殖を抑制することが分かっています。
2021年に承認された新しい治療薬で、既存薬としてイブルチニブと比較し、副作用や安全性が向上したと認められました。 |
処方可能な診療科目 |
内科/血液内科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約10,000円~
薬代1錠あたりの目安:100mg およそ15,202円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2021年1月22日厚生労働省承認【カルケンスカプセル100mg】 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
カルケンスカプセル100mg 【製薬メーカー:アストラゼネカ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
アカラブルチニブを成分とするカルケンスは、再発・難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)に対して使用される治療薬です。
次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(以降BTK)阻害剤として、BTKに共有結合することで阻害作用を発揮します。
選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)とは、B細胞に発現するB細胞受容体の下流シグナル伝達分子です。
※B細胞は骨髄でできるリンパ球の一種で免疫機関を担う細胞
B細胞を含む血液細胞が異常化して引き起こされる症状にて、アカラブルチニブのB細胞性腫瘍の増殖を抑制できるとされています。
◆慢性リンパ性白血病(CLL)とは
白血病は「血液のガン」ですが、白血球(好中球、好酸球、好塩基球)、赤血球、リンパ球(B細胞やT細胞)等があり、それらの血液細胞が異常化(腫瘍化=ガン)することによって引き起こされます。
慢性リンパ性白血病(CLL:Chronic Lymphocytic Leukemia)は、上記の白血病の中でもリンパ球のうち「成熟した小型のB細胞」が腫瘍になる疾患の事を指します。
この腫瘍になったB細胞が骨髄や末梢血に存在している時には「慢性リンパ性白血病」、リンパ節にある場合は「小リンパ球線リンパ腫」と呼ばれます。
慢性リンパ性白血病の腫瘍細胞の表面には「B細胞受容体(BCR)」が発現すると言われています。
慢性リンパ性白血病の発症自体は日本での報告は非常にわずかで、白血病全体のおよそ1~2%で約2,000人と推定されています。
異常細胞数が増えるにしたがって、健全な赤血球、白血球及び血小板が減少して、貧血や出血、感染が起きる可能性があります。BTKを介するB細胞受容体のシグナル伝達は、慢性リンパ性白血病の増殖経路の基本とされています。
※BTKシグナル伝達とは、B細胞の増殖、走化、輸送及び粘着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすとされています。 |
使用方法 |
通常、成人で1回1カプセル(主成分100mg)を1日2回服用します。
症状により医師から適宜減量されますので、必ず指示された服用方法に従って下さい。
※飲み忘れた場合は、次の服用時間まで6時間以上ある場合には飲んで下さい。ただし、次の服用時間までが6時間未満の場合は飛ばし、次の通常の時間帯に1回分を服用して下さい。2回分を1度に飲まないで下さい。
※医師の指導無しに、自分の判断で飲むのを止めないで下さい。
※誤って多く飲んでしまった場合は医師や薬剤師に相談して下さい。
※セイヨウオトギリソウを含む食品は薬の働きを弱める恐れがあるため、摂取しないように注意して下さい。
※オレンジジュースには薬の働きを弱める恐れがあるため、摂取しないよう注意して下さい。 |
副作用 |
主な副作用
アカラブルチニブには、副作用が起こる可能性があります。
アカラブルチニブを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
・頭痛
・挫傷
・疲労感
・頭痛
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
・出血、意識障害、嘔吐、突然の頭痛、片麻痺、視界に見えにくい部分がある
上記は粘膜出血・胃腸出血・頭蓋内血腫(頻度不明)等の重篤な出血が現れる可能性があります。
・息切れ、発熱、めまい、出血傾向、のどの痛み
上記は貧血(6.7%)、白血球減少症(17.2%)、好中球減少症(17.2%)、血小板減少症(7.4%)等の骨髄抑制が現れる可能性があります。
・咳、痰、発熱、体のだるさ
上記は肺炎(4.9%)、アスペルギルス症(頻度不明)等の重篤な感染症が現れる可能性があります。また、B型肝炎ウイルスの再活性化が起きる可能性があります。
・冷や汗、胸の痛み、脈が飛ぶ、めまい、動悸
急性冠動脈症候群(0.6%)等の重篤な虚血性心疾患が現れる可能性があります。
・間質性肺疾患
異常が認められた際は、胸部X線・CT等の検査を実施。上記の疾患が疑わしい場合は投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処理をします
・腫瘍崩壊症候群
異常が認められた際は、投与を中止し、症状が回復するまで状態を観察します。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■アカラブルチニブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方カルケンスカプセル100mgは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼カルケンスカプセル100mgの有効成分
アカラブルチニブ
▼代表薬の添加物
・ステアリン酸マグネシウム
・ケイ酸処理結晶セルロース
・デンプングリコール酸ナトリウム
・部分アルファー化デンプン
(カプセル)
・酸化チタン
・青色2号
・黄色三二酸化鉄
・ゼラチン
使用に注意が必要な方 ・他の薬を使用している方
互いに作用を弱めたり、強めたり予期せぬ状況になるかの可能性もありますので、使用中の医薬品や食品も含めて注意して下さい。
・小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施されていません。
・妊娠、または妊娠している可能性のある方、授乳婦等
動物実験において、乳汁中への成分移行が認められている為、授乳しないことが望ましいです。
・手術を控えている、または受けたばかりの方
・出血や風邪を引きやすい方
・何らかの感染症にかかっている方
・B型肝炎にかかったことがある方
・間質性肺疾患がある、又は心疾患・不整脈がある方
上記にあてはまる方は、アカラブルチニブを使用する事が出来ない可能性があります。 アカラブルチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・CYP3A阻害剤のイトラコナゾール、クラリスロマイシン、ボリコナゾール等
・CYP3A誘導剤のフェニトイン、リファンピシン、カルバマゼピン等
・プロトンポンプ阻害剤のオメプラゾール、エソメプラゾール、ボノプラザンフマル酸塩等
・制酸剤の炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等
・H2受容体拮抗剤のファモチジン、ラニチジン、シメチジン等
・抗凝固剤、抗血小板剤
上記を使用している方は、アカラブルチニブを使用する事が出来ない可能性があります。 アカラブルチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。
アカラブルチニブは適切とされる症例にのみ、十分な知識と経験を持つ医師が判断した上で投与される成分です。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
アカラブルチニブに関する よくある質問 |
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