レナリドミド水和物

成分名

レナリドミド水和物

適応症状

・多発性骨髄腫
・5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群
・再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫
・再発又は難治性の辺縁帯リンパ腫
・再発又は難治性の濾胞性リンパ腫

簡易説明

レナリドミドはサリドマイド誘導体と呼ばれる種類の薬です。
「腫瘍細胞を発見して殺す」という働きがあり、免疫細胞が活性化されることで、抗がん作用に繋がるというものです。
サリドマイド(※サリドマイドに類似した化学構造をもつ薬剤)による血管新生を抑えるがん〈細胞増殖因子抑制作用〉や、がん細胞の自滅誘導・増殖抑制などにより抗腫瘍効果があります。主に、多発性骨髄腫の治療に使用されます。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1カプセルあたりの目安:6783.9円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2010年7月【レブラミドカプセル5mg】

国内のジェネリック認可

現在国内ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外製ジェネリック医薬品は製造あり)

関連製品(先発薬)

レブラミドカプセル2.5mg/5mg【メーカー:ブリストル・マイヤーズスクイブ】

関連製品(ジェネリック)

レナリドミド5mg/10mg/15mg/20mg(Natco)

効果・作用

レナリドミド水和物は、多発性骨髄腫や、骨髄異形成症候群に対する効能があります。
骨髄異形成症候群も治療が困難な血液腫瘍の1種となっており、悪性の急性骨髄性白血病に移行することがあり、決め手となる治療法がないなか、新たな治療薬として期待されています。
免疫調節作用、腫瘍細胞に対する増殖抑制作用、腫瘍組織の血管新生を阻害する作用などの作用を持っています。

▼レブラミドの殺腫瘍作用
・レナリドミドを投与すると「がん抑制遺伝子」が多く作られます。
・がん細胞は無秩序な増殖を繰り返します。
レナリドミドは細胞が増殖するための回転周期をストップさせ、多発性骨髄腫の細胞に対しての増殖抑制作用を示します。そして、がん細胞を細胞死へと導きます。
つまりがん細胞へ直接働きかけることによって抗がん作用を示すというものです。

▼レブラミドの免疫調節作用
・普段の生活の中でも「がん細胞」は絶えず発生しておりますが、滅多なことでがんを発症することはございません。
体内でがん細胞が発生した時、自身の免疫細胞が悪性の腫瘍細胞を殺しているからです。また、これと同じように、免疫系の働きを活性化させれば、「多発性骨髄腫」を治療できるようになります。

▼多発性骨髄腫とは
・白血球の一つとなります。形質細胞のがん化によりおこる「造血器腫瘍」のことです。本来は、形質細胞から産生するはずの抗体が細胞のがん化によりパラプロテインという抗体として働かないタンパク質を産生します。これによって免疫低下がおこり「感染、貧血、骨折、腎障害」等の症状があらわれます。

使用方法

■多発性骨髄腫の場合
・デキサメタゾンとの併用においては、成人は、1日1回25mg21日間連日経口投与してください。また服用後は必ず7日間休薬してください。
こちらを1サイクルとし投与を繰り返すようにしてください。
また、利用者の状態により適宜減量してください。
■5番染色体長腕部欠失をともなった骨髄異形成症候群の場合
・成人は、「1日1回10mg」を「21日間は必ず連日経口投与」し、7日間休薬するようお願いします。
そしてこれを1サイクルとして投与を繰り返すものとします。
※患者の状態により随時減量すること
■再発もしくは、難治性の成人T細胞白血病リンパ腫の場合
・通常において、成人、1日1回25mgを連日で経口服用してください。
また、使用者の状態によって減量を考慮してください。
■再発または、難治性の濾胞性リンパ腫および、辺縁帯リンパ腫の場合
・リツキシマブとの併用では、成人は〈1日1回20mg21日間で必ず連日経口投与〉をしてください。その後に7日間休薬をしてください。
上記の服用を、1サイクルとします。※最大12サイクルまで服用を繰り返します。
患者の状態を注視し、適宜、減量をしてください。

用法及び用量に関連する注意
《効能共通として》
①高脂肪食摂取後、服用によってAU、Cmaxの低下が認められますので、服用は、高脂肪食摂取前後を避けるのがよいとされてます。
②腎機能障害の方は、血中濃度が上昇することが報告されております。そのため、投与量もしくは、投与間隔の調節を考慮してください。患者の状態を慎重に常に注視し、有害事象の発現に十分配慮してください。
③血小板減少や好中球減少を除くGrade3or4の副作用(GradeはCTCAEに基づく)があらわれた場合、休薬するか中止をしてください。また、服用の再開においては、患者の状態に応じて考慮してください。

〈多発性骨髄腫の場合〉
①がん化学療法は、「臨床成績」の項の内容を確認してください。用法/用量を十分に理解した上、行ってください。
②単独服用において、有益性や安全性は確立しておりません。
③血小板減少や、好中球減少となった場合、以下を参照して休薬等の対応をしてください。
≪未治療の多発性骨髄腫での血小板減少/好中球減少発現時の休薬等の目安≫
①血小板減少での、血小板数/好中球数としては〈25000/μL未満〉に減少の場合とする。治療中の処置や再開時の減量の目安としては、服用を休薬してください。その後「50000/μL以上」に回復した場合は、必ず、服用を休む前の投与量から5mg減量して投与を再開してください。。
※休薬する前の投与量「5mgの1日1回投与」の場合は、2.5mgを1日1回の投与で始めてください。
②好中球減少での、血小板数/好中球数において「500/μL未満」の減少または、発熱性好中球減少症(1000/μL未満に減少および、体温38.5℃以上あった場合)。治療中の処置、再開の減量の基準になる目安は、服用せずに休薬するようにしてください。その後に1000/μL以上に改善回復した場合には、薬の服用をやめる前の投与量から5mg減量してまた服用してください。
また、服用をやめた前の投与量において、1日1回5mg投与の場合、本剤の2.5mgを1日1回投与で再開してください。

※減量した後、医師により骨髄機能が回復したと判断される場合においては、5mgずつ増量することが可能となります。(2.5mg投与の場合は5mgへ増量してください)
※開始用量を超えなようにしてください。

≪再発または、難治性の多発性骨髄腫での血小板減少/好中球減少があらわれた時の休薬等の目安≫
①血小板減少、血小板数/好中球数が、30000/μL未満に減少のときは、治療中の処置、ないし、再開時の減量の目安になるのは、本剤の投与を休薬するとなります。またその後、30000/μL以上に数値が回復した場合には「15mg1日1回投与」で服用を再開してください。
②血小板減少で、血小板数/好中球数で、休薬が、2回目以降、再度〈30000/μL未満〉に減少の場合、本剤の投与を休薬してください。その後で30000/μL以上に回復がみられた場合においては、前回投与量から「5mg減量」し1日1回で投与をはじめてください。
③好中球減少での、血小板数/好中球数は、1000/μL未満に減少で、本剤を服用は休んでください。そのあと、1000/μL以上に数値が戻り回復(※副作用は好中球減少のみ)した時は、1日1回25mg服用の服用を開始してください。またその後において、1000/μL以上に数値が回復(※好中球減少以外の副作用を認める)した場合においては、本剤の「15mg」を1日1回投与で飲むのを開始してください。

〈5番染色体長腕部欠失をともなった骨髄異形成症候群の場合〉
・血小板減少または、好中球減少があらわれた場合、以下を参照し休薬など対応してください。
≪血小板減少/好中球減少発現時の休薬等の目安≫
①血小板減少での、血小板数、好中球数は、25000/μL未満に減少で、治療中の処置や、再開時の減量の目安としては、本剤の休薬をお願いいたします。
また、次のいずれかの場合は、薬を休む前の用量から1用量レベル下げた用量で再開をしてください。
・測定値として〈50000/μL以上〉に数値が回復した場合。
・7日以上の間隔をあけてください。測定値、2回以上25000/μLから50000/μL〉となった場合。
②好中球減少は、血小板数/好中球数の目安としては〈500/μL未満〉に減少となるので、服用をお控えください。そして、測定値が〈500/μL以上〉に戻った時は、休薬前の用量から1用量レベル下げた用量で服用を再開してください。

『再開時の用量レベル』
用量レベル/本剤の用法・用量
開始用量/10mg1日1回、21日間連日経口投与してください。その後、7日間休薬お願いします。この方法を1サイクルとし投与を繰り返すようにしてください。
用量レベル1≫1日に1回、5mgを連日で経口服用をお願いしま。
用量レベル2≫2日1回5mg。経口投与してください。
用量レベル3≫1週間に2回、5mgを経口服用してください。

〈再発または、難治性の成人T細胞白血病リンパ腫の場合〉
・他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性や、安全性は確立しておりません。
・血小板減少、好中球減少が発現した時は、以下を参照して服用を控えるなど対応してください。
≪血小板減少/好中球減少発現時の休薬などの目安≫
①血小板減少の血小板数/好中球数は、25000/μL未満に減少の場合、治療中の処置、再開時の減量の目安になるのは、投与をやめ、休薬してください。また、測定値が、50000/μL以上、投与前の測定値に回復した場合、服用は、以下の用量で始めてください。。
・10000/μL未満に減少になった、もしくは血小板輸血を必要とする出血を含む血小板減少の場合、休薬する前から1用量レベル下げた用量をお願いします。。
・上記での以外の場合、休を服用するのを休む前の用量と同量となります。
②好中球減少で、血小板数/好中球数が500/μL未満に減少のときは、本剤の服用するのは控えていただき、休薬してください。〈測定値1000/μL〉以上になった場合か、投与前の測定値に数値が戻った場合には、以下の用量で開始してください。
・発熱性好中球減少症の場合は、用量を下げてください。(基準は、好中球数500/μL未満で、体温が38.5℃以上の発熱の場合)。
・上記以外の場合は、薬を休む前の用量と同量にしてください。

『再開時の用量レベル』
〈用量レベル/用法と用量の目安として〉
・開始用量→1日に1回とし、用量は25mgを連日で経口投与となります。
・用量レベル1→日数と回数は【1日1回20mg、連日経口】での服用となります。
・用量レベル2→日数と回数は【1日1回15mg、連日経口投与】です。
・用量レベル3→日数と回数は【1日1回10mg、連日で経口投与】してください。

〈再発もしくは、難治性の濾胞性リンパ腫および辺縁帯リンパ腫の場合〉
・ツキシマブの服用に関しては、「臨床成績」の用法・用量を十分に理解し、投与してください。
・血小板減少または、好中球減少した場合、以下を参考にし休薬などの対応をしてください。

≪血小板減少/好中球減少発現時の休薬する場合の目安≫
①血小板数/好中球数
血小板数/好中球数が50000/μL未満に減少となった場合、治療中の処置そして、再開時の減量の目安としては、本剤は必ず休薬するようにしてください。その後に〈50000/μL以上〉に数値が回復した場合においては、1日1回15mg投与で開始してください。
血小板減少/服用を休んで2回目以降においては、再度〈50000/μL未満〉に減少したときの治療中の処置、そして再開時の減量の目安としては、本剤を休薬するようお願いします。そののちで、〈50000/μL以上〉に数値が回復した時は、前回の投与量から5mg減量したのちに1日1回で服用をはじめてください。
②血小板数/好中球数
好中球減少・1000/μL未満が〈7日以上持続〉or〈発熱性好中球減少症〉or〈500/μL未満に減少した場合、治療中の処置〉もしくは、再開時の減量の目安としては、休薬することとします。その後になり、1000/μL以上に数値が回復した際は、15mg1日1回の投与で薬を飲むのを再開してください。
好中球減少・休薬2回目以降、再度以下の症状があらわれた際には〈1000/μL未満〉が7日以上持続する、もしくは発熱性好中球減少症、もしくは500/μL未満に減少したときの治療中の処置及び再開時の減量の目安、本剤の休薬。その後1000/μL以上に改善回復した場合、前回から投与量としては減量は5mgしてください。その後、1日1回で再開をはじめてください。

副作用

主な副作用
便秘、下痢、悪心、筋痙縮、食欲不振、味覚異常、皮膚そう痒症、疲労、腫瘍フレア、無力症、末梢性浮腫

重大な副作用
深部静脈血栓症、好中球減少症、貧血、肺炎、重篤な感染症、末梢神経障害、末梢性ニューロパチー、脳梗塞、一過性脳虚血発作、発熱性好中球減少症、Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症、TEN、蕁麻疹、心不全、心房細動、感覚鈍麻、筋力低下、甲状腺機能低下症、肝機能障害、黄疸、AST上昇、γ-GTP上昇、重篤な腎障害、腎不全、出血、B型肝炎ウイルス再活性化、進行性多巣性白質脳症、PML、意識障害、認知障害、麻痺症状、片麻痺、四肢麻痺、言語障害、過敏症、アナフィラキシー、血管浮腫、痙攣、催奇形性、骨髄抑制、血小板減少症、敗血症、発疹、錯感覚、肺塞栓症、汎血球減少症、皮膚粘膜眼症候群、Toxic Epidermal Necrolysis、腫瘍崩壊症候群、間質性肺疾患、心筋梗塞、不整脈、消化管出血、起立性低血圧、ALT上昇、消化管穿孔

その他の副作用
低血圧、嘔吐、口内乾燥、消化不良、上腹部痛、腹部不快感、腸炎、動悸、潮紅、咳嗽、鼻出血、しゃっくり、口腔咽頭痛、上気道炎症、嗄声、関節痛、背部痛、筋骨格痛、骨痛、ミオパチー、筋骨格硬直、頚部痛、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、低カリウム血症、低リン酸血症、脱水、低ナトリウム血症、痛風、低蛋白血症、高クロール血症、好酸球増加症、好塩基球増加、播種性血管内凝固、浮動性めまい、振戦、傾眠、易刺激性、不安、気分動揺、譫妄、皮膚乾燥、紅斑、多汗、脱毛症、湿疹、霧視、白内障、体重減少、悪寒、CRP増加、挫傷、LDH増加、胸痛、体重増加、転倒、フィブリンDダイマー増加、浮腫、うつ病、高カリウム血症、高血糖、四肢痛、低アルブミン血症、筋肉痛、高血圧、呼吸困難、腹痛、口内炎、頭痛、低尿酸血症、不眠症、ALP増加、低カルシウム血症、錯乱状態、胃腸炎、白血球数増加、悪寒、倦怠感、発熱

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊婦/産婦
・過敏症
・適正管理手順を遵守できない
■レナリドミド水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方レブラミドカプセルは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼レブラミドカプセルの有効成分
レナリドミド水和物
▼代表薬の添加物
・無水乳糖
結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、酸化チタン、青色2号、黄色三二酸化鉄

使用に注意が必要な方
・高齢者
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・B型肝炎
・骨髄抑制/重篤な過敏症/腎機能障害/臓器移植/腫瘍量の多い/造血幹細胞移植/B型肝/ウイルスキャリア/深部静脈血栓症のリスクを有する/IPSSによるリスク分類の高リスクの骨髄異形成症候群/IPSSによるリスク分類の中間2リスクの骨髄異形成症候群/HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性/HBs抗原陰性かつHBs抗体陽性

上記にあてはまる方は、レナリドミド水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
レナリドミド水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・ジギタリス剤
・ジゴキシン
【飲食物との相合作用に注意してください】
・脂肪が多い食事

上記を使用している方は、レナリドミド水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
レナリドミド水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
レブラミドの食事の影響はありますか?

高脂肪食摂取前後を避けて投与するようにしてください。

レナリドミドの略語はありますか?

lenalidomide (LND) - Allie (アリー)となっています。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。