成分名 |
プロカルバジン塩酸塩 |
適応症状 |
・悪性リンパ腫(ホジキン病、細網肉腫、リンパ肉腫)
・以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法//悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫 |
簡易説明 |
プロカルバジン塩酸塩は、細胞が増殖する際に必要なDNAに作用し、DNA複製を阻害したり、破壊することで抗腫瘍効果を発揮する薬剤です。がん細胞は無秩序な増殖を繰り返すため、転移して他の細胞を障害し、組織を壊します。細胞の増殖には、DNAの複製が不可欠ですが、プロカルバジン塩酸塩に含まれるアルキル基がDNAに結合することで、抗腫瘍効果を発揮します。 |
処方可能な診療科目 |
血液内科/神経内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~2,000円
薬代1カプセル当たりの目安:500㎎1カプセル約450.1円/(薬価)
薬代後発薬1カプセル当たりの目安:後発品は存在しません
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※高額療養費制度の対象になる可能性がある薬剤です。
支払いの上限額は患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1978年4月1日 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
塩酸プロカルバジンカプセル50㎎「TYP」【製薬メーカー:太陽ファルマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
プロカルバジンは、アメリカ食品医薬品局(FDA)によってMatulane capsule 50 mgの名前で販売されており、がん治療薬として承認されています。
販売開始日は1985年12月27日です。承認された用途としては、以下のものがあります。
・Hodgkin lymphoma(ホジキンリンパ腫)の治療において、化学療法の一部として用いられる。
・非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療において、多剤併用化学療法の一部として用いられる。
・他の種類のがん(膀胱がん、卵巣がん、胃がんなど)の治療において、単剤または併用化学療法の一部として用いられることがある。 |
効果・作用 |
がん細胞は体内で無秩序に増殖し、周囲の正常な細胞を障害し、組織を破壊することがあります。さらに、がん細胞は他の部位に移動することで、本来がんのかたまりがない組織でも増殖することがあります。
細胞の増殖には、遺伝情報が刻まれたDNAの複製が必要となります。
本剤に含まれるプロカルバジン塩酸塩は、アルキル基と呼ばれる原子のかたまりをもつ薬剤です。アルキル基は、がん細胞などのDNAに結合することで、DNAの複製を阻害する作用があります。さらに、アルキル基が結合した状態で細胞が分裂や増殖を続けようとすると、DNAの破壊が起こり、細胞が死んでしまいます。これらの作用により、プロカルバジン塩酸塩は抗腫瘍効果を発揮する殺細胞性抗がん薬となります。
継続にあたっては白血球が減少したりすることによる「骨髄抑制」に注意が必要です。
これは免疫低下を引き起こし、感染症等のリスクを増大させるものです。医療機関で十分な血液検査のモニタリングを行ったうえに、状況に応じて迅速に対応することが極めて重要です。
なお、プロカルバジン塩酸塩は、薬剤がもつ化学構造や作用などによって、ナイトロジェンマスタード類(シクロホスファミドなど)やニトロソウレア類(ニムスチンなど)などに分類されます。 |
使用方法 |
成人の場合、悪性リンパ腫の治療では、プロカルバジンを1日に50〜100mg(1〜2カプセル)を1〜2回に分けて口から服用し、1週間以内に徐々に量を増やし、1日150〜300mg(3〜6カプセル)を3回に分けて投与します。この投与は、効果が現れるまで毎日続けられ、通常の総投与量はプロカルバジンとして5〜7gです。
悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫の場合、他の抗がん剤と併用する場合は、プロカルバジンを1日量60〜75mg/m2を14日間口から服用し、6〜8週間ごとに繰り返します。体表面積に応じて、1日のプロカルバジンの量は50mg(1カプセル)から始め、75mg以上125mg未満の場合は100mg(2カプセル)、125mg以上175mg未満の場合は150mg(3カプセル)とし、1日1〜3回に分けて服用します。
※使用上の注意として、悪性星細胞腫や乏突起膠腫成分を有する神経膠腫に対する他の抗がん剤との併用療法(プロカルバジン塩酸塩、ニムスチン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩)を行う場合には、併用薬剤の添付文書や関連文献(「抗がん剤報告書:塩酸プロカルバジン(脳腫瘍)」、「抗がん剤報告書:硫酸ビンクリスチン(脳腫瘍)」など)を注意深く読む必要があります。 |
副作用 |
主な副作用
食欲減退、吐き気、嘔吐(10%以上または頻度不明)
下痢、口内炎(1~10%未満)
脱毛(11.1%)
発疹、皮膚炎(1~10%未満)
色素沈着、ふるえ、頭痛、めまい(1%未満)
重大な副作用
■骨髄抑制:発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、出血傾向、発熱、寒気(0.1%~35.1%)
▼各血球値が減少することでの副作用です。感染や出血等の致命的リスクの増大が懸念されます。
以下症状が出現する場合は速やかに主治医の指示を仰ぐようにしてください。
感染リスク:38度を超すような発熱、咽頭通
出血傾向:原因不明のあざや鼻血、腹痛、タール便、便潜血
■けいれん:手足のしびれ感、筋肉のぴくつき、意識低下、全身けいれん(頻度不明)
■間質性肺炎:空咳、息苦しさ、動作時に息切れ、胸痛、発熱(0.9%)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)■プロカルバジン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、塩酸プロカルバジンはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼塩酸プロカルバジンの有効成分
プロカルバジン塩酸塩
▼代表薬の添加物
D-マンニトール、トウモロコシデンプン、タルク
カプセル:赤色3号、黄色4号(タートラジン)、酸化チタン、ゼラチン、ラウリル硫酸ナトリウム
2)有効成分プロカルバジン塩酸塩に対して、過敏症の既往歴がある方は使用できません。
3)妊婦の方、または妊娠している可能性のある女性は催奇形性リスクがあるので投与しないことが望ましいとされています。投与する際は十分に優位性を鑑みたうえで投与してください。
4)授乳中の方は、服用中には授乳を中止してください。
5)18歳未満の方への安全性は確立していません。優位性を鑑みて投与する際は、副作用の発現に十分に注意したうえで投与してください。
使用に注意が必要な方 この薬は、骨髄機能が抑制されたり(骨髄抑制)、他にも深刻な副作用が起こる可能性があるため、患者の健康状態を注意深く観察し、血液検査や肝機能・腎機能検査などを定期的に行うことが必要です。もし異常が見つかった場合には、適切な処置を行い、薬の量を調整したり、一時的に中止することが必要です。骨髄抑制は白血球や血小板等の血球が少なくなる現象であり、白血球減少においては免疫が低下して、肺炎などの致命的な感染症のリスクが増大することがあります。また血小板減少においても消化管出血や転倒時の脳内出血など致命的なイベントに結び付く可能性があります。日常生活で人込みを避ける、手洗いを徹底する、危険な作業を避けるなどの注意をすることが必要です。
特に子供に対しては、副作用に注意して慎重に投与する必要があります。外国での報告では、プロカルバジン塩酸塩を含む治療を受けた小児ホジキン病患者に、性腺に関する深刻な問題が発生したということも報告されているため、子供や生殖可能な患者に投与する場合には、性腺に影響する可能性も考慮する必要があります。なお、この薬を長期間使用する場合は、副作用が強くなることがあるため、慎重に検討する必要があります。
上記にあてはまる方は、プロカルバジン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 プロカルバジン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ▼フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体、三環系抗うつ薬、交感神経興奮剤
本剤は弱いMAO阻害作用を有すると考えられ、大量投与によりこれらの作用を増強おそれがあるため併用しないでください。
持病、服用中の薬がある方、通院中、治療中の方は必ずかかりつけの医師に相談してから服用するようにして下さい。
上記を使用している方は、プロカルバジン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 プロカルバジン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ▼アルコール
ジスルフィラム様作用を引き起こし、アルコール耐性を低下させるので、治療中はお酒を飲んではいけません。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
プロカルバジン塩酸塩に関する よくある質問 |
|
参考元一覧 |
塩酸プロカルバジン錠添付文章【太陽ファルマ株式会社】
塩酸プロカルバジン錠インタビューフォーム【太陽ファルマ株式会社】 |
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |