ブリグチニブ

成分名

ブリグチニブ

適応症状

ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

簡易説明

アルンブリグは、ALK融合遺伝子から合成されたALK融合タンパクを特異的に阻害するチロシンキナーゼ阻害薬です。
ALK融合タンパクを阻害することでシグナル伝達を阻害させ、がん細胞の増殖を抑制する作用を有しています。
ALK融合タンパクは、がん細胞にしか存在しておらず、アルンブリグは正常細胞には影響を及ぼしにくい特徴があります。

処方可能な診療科目

呼吸器外科/呼吸器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約3,000円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:
新薬錠剤30mg 4185.2円/錠(薬価)
新薬錠剤90mg 11598円/錠(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

【販売開始】2021年4月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

アルンブリグ錠30mg/90mg【製薬メーカー:武田薬品工業】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

海外では製品名「ALUNBRIG」として既に承認されております。

アメリカ「ALUNBRIG」(一般名:brigatinib) 2017年5月1日承認

効果・作用

アルンブリグ(ブリグチニブ)は、化学構造に基づきALKを選択的に阻害するよう設計された次世代チロシンキナーゼ阻害剤です。
アルンブリグは、ALKチロシンキナーゼ阻害剤による、治療歴のないALK陽性の切除不能な進行・再発のNSCLC患者さんを対象とした単剤療法の治療薬として、米国、欧州連合(EU)を含む30以上の国または地域で承認されております。また、アルンブリグは、クリゾチニブ治療後に進行または不耐容となったALK陽性NSCLC患者さんに対して50以上の国または地域で承認されております。

ALKとは、未分化リンパ腫キナーゼ(anaplastic lymphoma kinase)の略称で、細胞の増殖にかかわっています。正常な状態では、ALKは必要に応じて細胞分裂をうながし、細胞が異常に増殖することはありません。
ALK遺伝子が、何らかのきっかけで別の遺伝子と融合してしまうと、ALK融合遺伝子という異常な遺伝子になり、ALK融合タンパクが作られるようになります。
このALK融合タンパクが細胞の異常な増殖を引き起こし、がんが発生します。

ブリグチニブは、ALK融合タンパクのチロシンキナーゼ活性を阻害することにより、腫瘍の増殖を抑制すると考えられます。
ALK融合タンパクは、がん細胞にしか存在しておらず、アルンブリグは正常細胞には影響を及ぼしにくい特徴があります。

ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの一次治療としては、アレセンサ(アレクチニブ)やザーコリ(クリゾチニブ)が使用されますが、アルンブリグも一次治療として使用可能です。

これまで国内では、4製品のALK阻害薬が承認・販売されています。
アルンブリグが5製品目となります。

アレセンサ(一般名:アレクチニブ)
ジカディア(一般名:セリチニブ)
ザーコリ(一般名:クリゾチニブ)
ローブレナ(一般名:ロルラチニブ)

使用方法

通常、成人にはブリグチニブとして、1日1回90mgを7日間経口投与する。その後、1日1回180mgを経口投与する。
なお、患者の状態により適宜減量する。

副作用

主な副作用
咳嗽/高血圧/下痢/悪心/口内炎/嘔吐/便秘/食欲減退/腹痛/CK上昇/筋肉痛

重大な副作用
間質性肺疾患/肝機能障害/ALT上昇/AST上昇/AL-P上昇/膵炎
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。

その他の副作用
発疹/光線過敏性反応/皮膚そう痒症/リパーゼ上昇/アミラーゼ上昇/疲労/呼吸困難/肺炎 /好中球減少症/血小板減少症/白血球減少症/貧血/リンパ球減少症/徐脈/心電図QT延長/頻脈/口内乾燥/消化不良/頭痛/味覚異常/末梢性ニューロパチー/浮動性めまい/不眠症/関節痛/四肢痛/LDH上昇/皮膚乾燥/血中クレアチニン上昇/血中コレステロール上昇/非心臓性胸痛/疼痛/発熱/浮腫/高血糖/視力障害/体重減少/高インスリン血症/ 高尿酸血症/低リン酸血症/低カリウム血症/低マグネシウム血症/低ナトリウム血症/高カルシウム血症/上気道感染/活性化部分トロンボプラスチン時間延長/動悸/鼓腸/記憶障害/筋骨格系胸痛/筋骨格硬直/胸部不快感

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ブリグチニブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ブリグチニブ(アルンブリグ錠30mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼アルンブリグ錠30mgの有効成分
1錠中
ブリグチニブとして30mg
▼アルンブリグ錠30mgの添加物
乳糖水和物/結晶セルロース/デンプングリコール酸ナトリウム/疎水性コロイド状シリカ/ステアリン酸マグネシウム/タルク/マクロゴール4000/ポリビニルアルコール(部分けん化物)/酸化チタン

■その他の使用できない方
・過敏症

相対禁止
・妊婦・産婦

使用に注意が必要な方
・重度腎機能障害
・間質性肺疾患
・重度肝機能障害<Child?Pugh分類C>
・eGFRが30mL/min/1.73㎡未満
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児
・妊娠可能な女性(11歳~)
・パートナーが妊娠する可能性のある男性
・生殖可能な年齢の男性(11歳~)

投与に際する指示
・重度腎機能障害
・重度肝機能障害<Child-Pugh分類C>
・eGFRが30mL/min/1.73㎡未満

上記にあてはまる方は、ブリグチニブを使用する事が出来ない可能性があります。
ブリグチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・強い又は中程度のCYP3A阻害剤:イトラコナゾール、クラリスロマイシン、ジルチアゼムなど
・グレープフルーツ(ジュース)
・強い又は中程度のCYP3A誘導剤:リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピンなど
・セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

上記を使用している方は、ブリグチニブを使用する事が出来ない可能性があります。
ブリグチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ワクチンや予防接種は受けてもいいですか?

予防接種の種類によっては、注意が必要なものがあります。受けてよいかどうかは、担当の医師に相談してください。

アルンブリグを飲んだあと、吐き気がして、薬ごと吐いてしまったんですがどうすればいいですか?また新たな薬を飲んだ方がいいですか?

新たな薬は飲まないでください。アルンブリグを吐き出してしまったら、次の服薬時間に決められた量を服用してください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。