成分名 |
イホスファミド |
適応症状 |
・肺小細胞癌、前立腺癌、子宮頸癌、骨肉腫、再発又は難治性の胚細胞腫瘍、悪性リンパ腫疾患の自覚的ならびに他覚的症状の寛解
・悪性骨・軟部腫瘍、小児悪性固形腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法 |
簡易説明 |
イホスファミドは、がん細胞の増殖を抑える作用を持つ抗がん剤です。骨肉腫や子宮頸がんなどさまざまな癌腫に使用することが可能ですが、悪性腫瘍に対しては他薬剤との併用療法が必要となっています。歴史が長く、使用し慣れている医師も多いですが、膀胱炎や腎臓関連の副作用が多い特徴があります。日本では塩野義製薬が販売しています。 |
処方可能な診療科目 |
血液内科/産婦人科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:1g約2375円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1985年7月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
注射用イホマイド1g【製薬メーカー:塩野義製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
アメリカやドイツなど世界80か国以上で発売されています。 |
効果・作用 |
イホスファミドは、抗がん剤であり、これまで広く使用されていたシクロホスファミドよりも有効的でかつ毒性が少ないことが示されています。体内で活性化された本剤は、腫瘍細胞のDNA合成を阻害することで作用を示します。
日本国内でさまざまな疾患に対する有効性を検討しております。承認時には、固形がんに対して本剤を投与した結果、肺小細胞癌 には33名中14名(42.4%)、前立腺癌には29名中7名(24.1%)、子宮頸癌には36名中8名(22.2%)、骨肉腫には21名中2名(9.5%)の奏効率が認められています。
海外においては、再発もしくは難治性の胚細胞腫瘍に対する本剤の有効性を検討する試験を実施しています。ビンブラスチン硫酸塩・イホスファミド・シスプラチンを投与する方法で100名中30名、割合として30%、29名中11名、割合として38%の奏効率が認められています。
本剤販売後も使用成績調査を実施しています。対象期間は1985年4月から1991年の6年間で146施設に対して行いました。結果、肺小細胞がんにはCR5名、PR8名であり、奏効率39.4%であることが示されました。また、骨肉腫に対しては、CR1名、PR3名であり奏効率は14.8%でした。 |
使用方法 |
・肺小細胞癌、前立腺癌、子宮頸癌、骨肉腫に使用する場合、1日 1.5~3gを3~5日間連日点滴静注もしくは静脈内に注射します。これを 1コースとして、末梢白血球の回復を待って 3~4週間ごとに反復投与してください。年齢、状態にあわせて増減が可能です。
・再発もしくは難治性の胚細胞腫瘍に使用する場合、確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を行い、体表面積当たり1日 1.2g/m2を5日間連日点滴静注します。これを 1コースとし、末梢白血球の回復を待って 3~4週間ごとに反復投与してください。年齢、状態にあわせて増減が可能です。
・悪性リンパ腫に使用する場合、他の抗悪性腫瘍剤との併用において、体表面積あたり1日0.8~3g/m2を 3~5日間連日点滴静注します。これを 1コースとし、末梢白血球の回復を待って 3~4週間ごとに反復投与してください。年齢、状態にあわせて増減が可能です。総投与量はイホスファミドとして 1コース 10g/m2以下、小児では全治療コース 80g/m2以下とします。
・悪性骨・軟部腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法や本剤単独投与で使用する場合、ドキソルビシン塩酸塩との併用において、通常1コースは、本剤 体表面積当たり1日 1.5~3g/m2を 3~5日間毎日点滴静注もしくは静脈内に注射します。末梢白血球の回復を待って 3~4週間ごとに反復投与してください。総投与量は、イホスファミドとして 1コース 10g/m2以下とします。年齢、状態にあわせて増減が可能です。
単独投与の場合は、1コースは、本剤総投与量 14g/m2までを点滴静注又は静脈内に注
射します。末梢白血球の回復を待って反復投与してください。
・ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫など小児悪性固形腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合、他の抗悪性腫瘍剤との併用において、体表面積あたり 1日 1.5~3g/m2を 3~5日間連日点滴静注します。これを 1コースとし、末梢白血球の回復を待って 3~4週間ごとに反復投与します。年齢、状態にあわせて増減が可能です。総投与量はイホスファミドとして 1コース 10g/m2以下、全治療コース 80g/m2以下とします。 |
副作用 |
主な副作用
蛋白尿や悪心嘔吐、食欲不振、脱毛、倦怠感などがあげられます。
多いものでは5%異常発現しています。
重大な副作用
<骨髄抑制>
5%以上の確率で発現しています。汎血球減少、貧血、白血球減少、血小板減少、出血などがあらわれた場合には、投与間隔を広げる、本剤を減量する、休薬するなどの処置を行ってください。
<出血性膀胱炎、排尿障害>
5%以上の確率で発現しています。
<ファンコニー症候群/急性腎障害>
<意識障害、幻覚、錯乱、錐体外路症状>
<脳症>
意識障害を伴うけいれん発作や錯乱があらわれる場合があります。
<間質性肺炎、肺水腫>
<心筋障害、不整脈>
<抗利尿ホルモン不適合分泌症候群>
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群があらわれた際には、投与を中止し水分補給の制限などを行ってください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■イホスファミドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼イホスマイドの有効成分
イホスファミド
▼代表薬の添加物
なし
・以前、イホスファミドを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・ペントスタチンを投与している方は使用できません。
・腎または膀胱に重篤な障害のある方は、腎障害もしくは出血性膀胱炎を悪化させてしまう恐れがあるため使用できません。
使用に注意が必要な方 ・膀胱に重篤ではない障害をお持ちの方は、腎障害もしくは出血性膀胱炎が悪化する恐れがありますので、注意をしてください。
・骨髄抑制のある方は、骨髄抑制が増強してしまう恐れがあります。
・感染症を合併しているかたは、骨髄抑制作用から症状が悪化する恐れがあります。
・水痘患者は、命に係わる全身障害があらわれる可能性がありますので、注意をしてください。
・併用薬もしくは前治療薬として白金製剤の投与を受けたことのある方はファンコニー症候群などの腎障害があらわれることがあります。
・重篤ではない腎障害をもっている方は、腎障害もしくは出血性膀胱炎を悪化させてしまう恐れがあります。
・片腎の方はファンコニー症候群などの腎障害があらわれることがあります。
・肝機能障害の方は、肝障害が悪化する恐れがあります。
・生殖能のある方は、性腺に影響を与えることを考慮して投与してください。
・小児
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、副作用が現れやすいことに注意をしてください。
上記にあてはまる方は、イホスファミドを使用する事が出来ない可能性があります。 イホスファミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <他の抗悪性腫瘍剤/アロプリノール/放射線照射>
骨髄抑制などの副作用が強くあらわれる可能性があります。
<フェノバルビタール>
本剤の作用が増強します。
<インスリン/スルフォニル尿素系製剤>
併用している薬剤の血糖降下作用が強まることがあります。
<メスナ>
脳症があらわれることがあります。
上記を使用している方は、イホスファミドを使用する事が出来ない可能性があります。 イホスファミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 <ペントスタチン(コホリン)>
併用によって、錯乱、呼吸困難、低血圧、肺水腫等が認められ、心毒性により死亡したとの報告があるため、併用はしないでください。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
イホスファミドに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
イホスファミド 添付文書 |
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