成分名 |
イマチニブメシル酸塩 |
適応症状 |
・慢性骨髄性白血病
・KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍
・フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
・FIP1L1-PDGFRα陽性の下記疾患
好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病 |
簡易説明 |
・「分子標的薬」と呼ばれる新しいタイプの抗がん薬となっております。
・白血病細胞の増殖に必要な異常なタンパク質「チロシンキナーゼ」の働きを選択的に妨害します。主に、慢性骨髄性白血病などの治療に使用されております。
・がん細胞の増殖を指令するシグナル伝達経路を分子レベルで遮断します。
・KITチロシンキナーゼという酵素を介した細胞増殖を抑制する作用によって、消化管間質腫瘍(GIST)に対しての抗腫瘍効果があります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約24600円~
薬代1錠あたりの目安:グリベック錠100mg1928.1円/錠
薬代後発薬1錠の目安:イマチニブ錠100mg247.2円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月 : 2005年7月 |
国内のジェネリック認可 |
国内ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
グリベック錠100mg【製薬メーカー:ノバルティス ファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
イマチニブ錠100mg(エルメッド/小林化工/日本化薬/高田製薬/第一三共エスファ/共創未来ファーマ/ニプロ/MeijiSeikaファルマ/日本ケミファ/大原薬品/沢井製薬/日本ジェネリック/辰巳化学/東和薬品/日医工/マイラン製薬/武田テバファーマ)
イマチニブ錠200mg(ニプロ/MeijiSeikaファルマ/高田製薬/東和薬品/日医工/沢井製薬) |
効果・作用 |
・血液は骨髄の造血幹細胞からつくられており、慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞ががん化し、白血球の一種の顆粒球が異常増殖する病気のことです。進行すると、正常な血球ができなくなってしまい「貧血や出血、感染症」などになり、生命を脅かします。病因としては「フィラデルフィア染色体」に由来する異常遺伝子〈BCR-ABL〉が産生する「チロシンキナーゼ」という酵素タンパクになります。イマチニブメシル酸塩は、チロシンキナーゼの作用を妨害し、病的な血球の産生を抑制し、血液を正常化させます。主に、慢性骨髄性白血病の治療に使用されておりますが、リンパ系造血幹細胞が腫瘍化する「急性リンパ性白血病」に対する効能もあります。また「好酸球増多症候群と慢性好酸球性白血病」に対しても可能となっております。治療効果はそこまで十分ではありませんが、約半分くらいの人に効果はあり、病気の進行がおさまることで、長生きできる可能性がございます。また、術後補助療法として手術後の再発予防にも有用です。
・標的分子(蛋白)は、白血病細胞増殖の最初の伝達ポイントとなるBcr-ABlチロシンキナーゼ、消化管間質腫瘍におけるKITチロシンキナーゼです。がん細胞の特定の分子だけを妨害するため、腫瘍選択性が低い従来の抗がん薬やインターフェロンに比べ副作用が軽減され治療も楽となっております。
▼他の分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔Bcr-Abl〕)▼
グリベック/スプリセル/タシグナ/ボシュリフ/アイクルシグ |
使用方法 |
「慢性骨髄性白血病」
《慢性期の場合》
・成人は、1日1回400mgを必ず「食後」に経口投与してください。
※血液所見/年齢/症状により増減いたしますが、1日1回600mgまで増量できるとします。
《移行期、急性期の場合》
・成人は、1日1回600mgを必ず「食後」に経口投与してください。
※血液所見、年齢/症状によって増減しますが、1日800mg(400mgを1日2回)まで増量できるとします。
「KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍」
・成人は、1日1回400mgを食後に経口投与してください。
※年齢・症状により減量してください。
「フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」
・成人は、1日1回600mgを食後に経口投与してください。
※血液所見、年齢/症状により減量してください。
〈FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病〉
・成人は1日1回100mgを食後に経口投与してください。
※患者の状態によって、増減しますが、1日1回400mgまで増量できるとします。
『効果に関連する注意』
〔慢性骨髄性白血病の場合〕
・染色体検査または、遺伝子検査により慢性骨髄性白血病と診断された患者に使用すること。
〔KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍〕
・免疫組織学的検査によりKIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍と診断された方に使用すること。また、KIT(CD117)陽性の確認は、十分な経験を有する病理医もしくは、検査施設において実施することとします。
〔フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病〕
・染色体検査もしくは、遺伝子検査によりフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病と診断された方に使用すること。
<FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病>
・染色体検査もしくは、遺伝子検査によりFIP1L1-PDGFRα陽性であることが確認された患者に使用すること
『用法および、用量に関連する注意』
<効能共通>
・消化管刺激作用を最低限に抑えるため、食後に多めの水で服用してください。
《肝機能検査と用量調節》
肝機能検査値(ビリルビン/AST/ALT)の上昇が認められた場合、以下を参考に投与量を調節してください。
・慢性骨髄性白血病(CML)、消化管間質腫瘍(GIST)、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)、好酸球増多症候群(HES)または、慢性好酸球性白血病(CEL)の場合、ビリルビン値/AST、ALT値は、ビリルビン値>施設正常値上限の3倍または、AST、ALT値>施設正常値上限の5倍となります。投与量調節は、1.ビリルビン値が1.5倍未満に、AST、ALT値が2.5倍未満に低下するまで投与を休薬してください。2.本剤を減量して治療を再開してください。
《血液検査と用量調節》
・好中球減少、血小板減少が認められた場合、以下を参考に投与量を調節してください。
①HESまたは、CEL(初回用量100mg/日)
好中球数/血小板数 好中球数<1000/mm3または、血小板数<50000/mm3
投与量調節
1)好中球数1500/mm3以上および、血小板数75000/mm3以上に数値が戻るまで薬は休んでください。
2)休薬前(重度の副作用の発現前)と同用量で治療を再開してください。
②慢性期CML、GIST(初回用量400mg/日)、HES又はCEL(用量400mg/日)
好中球数/血小板数 好中球数<1000/mm3または、血小板数<50000/mm3
投与量調節
その1)好中球数1500/mm3以上および、血小板数75000/mm3以上に回復するまで服用はおやめください。
その2)400mg/日で治療再開してください。
その3)再び好中球数が1000/mm3を下回るもしくは、血小板数が50000/mm3を下回った場合、その1へ戻り、300mg/日で治療を再び開始してください。
③移行期CML・急性期CMLもしくは、Ph+ALL(初回用量600mg/日)
好中球数/血小板数 (注1)好中球数<500/mm3または、血小板数<10,000/mm3
投与量調節
1.血球減少が《白血病》に関係しているかを確認してください。
2.白血病に関連しない場合、400mg/日に減量してください。
3.血球減少が2週間続く場合は更に300mg/日に減量してください。
4.白血病に関連しない血球減少が4週間続く場合、好中球数が1000/mm3以上、または血小板数が20000/mm3以上に数値が回復するまで休薬してください。その後は、300mg/日で治療を再開してください。
注1)原則、少なくとも1ヵ月治療を継続後(※全身状態に十分注意が必要です)
<慢性骨髄性白血病>
・重篤な有害事象がなく、白血病に関連がない重篤な好中球減少や血小板減少が認められず、以下に該当する場合、用法および用量に従って増量することが可能です。
1)病状が進行した場合(この場合はいつでも可能です)
2)少なくとも3ヵ月以上服用しても、十分な血液学的効果がみられない場合
3)これまでに認められていた「血液学的効果」がみれない時 |
副作用 |
主な副作用
■イマチニブメシル酸塩の主な副作用
イマチニブメシル酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
イマチニブメシル酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
・嘔気
・嘔吐
・発疹
・筋痙攣
・下痢
・食欲不振
・LDH上昇
・リンパ球減少症
・好酸球増多症
・表在性浮腫
・眼窩周囲浮腫
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
急性腎障害、ALT上昇、出血、血中ミオグロビン上昇、脳浮腫、好中球減少、脳出血、下血、敗血症、中毒性表皮壊死融解症、胸水、腹部膨満感、貧血、骨髄抑制、白血球減少、血小板減少、肝機能障害、AST上昇、ALP上昇、ビリルビン上昇、汎血球減少、消化管出血、吐血、消化管穿孔、腫瘍出血、腹膜炎、黄疸、腹水、肺水腫、心膜滲出液、うっ血性心不全、感染症、肺炎、重篤な腎障害、間質性肺炎、多形紅斑、剥脱性皮膚炎、ショック、アナフィラキシー、硬膜下出血、胃前庭部毛細血管拡張症、Gastric antral vascular ectasia、GAVE、腹痛、肝不全、重篤な体液貯留、心タンポナーデ、急激な体重増加、呼吸困難、B型肝炎ウイルス再活性化、肺線維症、重篤な皮膚症状、Toxic Epidermal Necrolysis、TEN、皮膚粘膜眼症候群、Stevens-Johnson症候群、心膜炎、胸痛、浮腫、頭蓋内圧上昇、麻痺性イレウス、便秘、血栓症、塞栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓症、息切れ、四肢疼痛、横紋筋融解症、筋肉痛、脱力感、CK上昇、尿中ミオグロビン上昇、腫瘍崩壊症候群、肺高血圧症
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
血清リン低下、血清アルブミン低下、脱力、脱毛、湿疹、皮膚そう痒、皮膚角症、頭皮痛、疣贅、口唇炎口唇ヘルペス、蕁麻疹、帯状疱疹、爪障害、紫斑、皮膚色素脱失、光線過敏性反応、回転性めまい、末梢神経障害、霧視、眼充血、関節痛、骨痛、咽頭炎、咽喉頭痛、鼻出血、白血球増多、血小板増多、血腫、男性性器浮腫、女性化乳房、月経過多、血清カリウム上昇、頻脈、痛風、悪寒、寝汗、低マグネシウム血症、APTT延長、血清リン上昇、ACTH上昇、乳房腫大、乳痛、腎臓痛、頻尿、尿沈渣異常、食欲亢進、憩室炎、嚥下障害、筋骨格系疼痛、逆流性食道炎、緑内障、硝子体出血、眼刺激、眼乾燥、リビドー減退、錯乱、点状出血、斑状出血、発熱、皮膚障害、Sweet病、水疱性皮疹、血管浮腫、耳鳴、難聴、動悸、血中アミラーゼ上昇、疲労感、上昇、プロトロンビン時間延長、フィブリノーゲン増加、FDP上昇、血清総蛋白上昇、プロトロンビン時間短縮、TSH上昇、尿中ウロビリノーゲン増加、LDH低下、末梢冷感、大腸炎、おくび、胃腸炎、坐骨神経痛、関節炎、黄斑浮腫、乳頭浮腫、痙攣発作、失神、網膜出血、手足症候群、偽性ポルフィリン症、苔癬様角化症、扁平苔癬、好中球浸潤、有痛性紅斑、挫創、乾癬悪化、発汗、体重減少、脱水、尿酸値低下、血糖値上昇、フィブリノーゲン減少、CRP上昇、血清カルシウム低下尿酸値上昇、尿酸値低下、血糖値低下、血清総蛋白低下、血清ナトリウム低下、下肢浮腫、血清カリウム低下、顔面浮腫、眼瞼浮腫、舌血腫、潮紅、血圧上昇、血圧低下、咳嗽、急性上気道炎、鼻炎、血清ナトリウム低下、BUN上昇、血清クレアチニン上昇、尿潜血、尿蛋白全身浮腫、腰痛、関節腫脹、筋力低下、眼そう痒感、結膜炎、結膜下出血、頭痛、感覚減退、錯感覚、めまい、頭重感、傾眠、流涙増加、皮膚色素沈着障害、皮膚乾燥、うつ病、不安、片頭痛、記憶障害、不眠、けん怠感、腹部膨満、体重増加、紅斑、疼痛、関節のこわばり、BUN上昇、血清クレアチニン上昇、尿潜血、尿蛋白全身浮腫、総ビリルビン上昇、歯周炎、胃炎、血便、消化不良、胸やけ、口渇、膵炎、消化管潰瘍、口腔アフタ、鼓腸放屁、味覚異常、口内炎、心窩部痛、腹部不快感、筋のこわばり、筋痙直
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・妊婦/産婦
・過敏症
・ロミタピド投与中
■イマチニブメシル酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方グリベックは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼グリベックの有効成分
イマチニブメシル酸塩
▼代表薬の添加物
無水ケイ酸、クロスポビドン、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ヒプロメロース、三二酸化鉄、マクロゴール、タルク
使用に注意が必要な方 ・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・高齢者
・B型肝炎
・肝機能障害
・心疾患
・B型肝炎ウイルスキャリア
・レボチロキシン補充療法を受けている甲状腺摘出
・心合併症を有する好酸球増多症候群
・HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性
・HBs抗原陰性かつHBs抗体陽性
上記にあてはまる方は、イマチニブメシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 イマチニブメシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・グレープフルーツジュース
・セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むもの
上記を使用している方は、イマチニブメシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 イマチニブメシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ロミタピド/L-アスパラギナーゼ/アゾール系抗真菌剤/エリスロマイシン/クラリスロマイシン/フェニトイン/デキサメタゾン/カルバマゼピン/フェノバルビタール/リファンピシン類/シンバスタチン/シクロスポリン/ピモジド/トリアゾラム/ジヒドロピリジン系C/拮抗剤/ニロチニブ/ワルファリンアセトアミノフェン
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |