成分名 |
ガンシクロビル |
適応症状 |
悪性腫瘍のサイトメガロウイルス感染症
後天性免疫不全症候群のサイトメガロウイルス感染症
臓器移植のサイトメガロウイルス感染症
造血幹細胞移植のサイトメガロウイルス感染症 |
簡易説明 |
ガンシクロビルは、ウイルスの遺伝情報をもつDNAの複製を阻害し、サイトメガロウイルスの増殖を抑制する作用があります。このことから、DNAポリメラーゼ阻害薬とも呼ばれます。主に、サイトメガロウイルス感染症の治療や予防に使用されます。完治が難しくても、進行を抑え、症状を落ち着かせることは可能です。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約10,000円~
薬代1瓶あたりの目安:500mg約10975円/(薬価)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。
指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。性症は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月 : 1990年6月 |
国内のジェネリック認可 |
国内ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
デノシン点滴静注用500mg【製薬メーカー:田辺三菱製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
ガンシクロビル点滴静注用500mg「VTRS」 【製薬メーカー:マイランEPD】 |
効果・作用 |
癌やエイズ、臓器移植などで免疫力が低下すると、サイトメガロウイルス、カリニ原虫、カンジダなど、普通では感染しにくい感染症にかかりやすくなってしまいます。
ガンシクロビルは、サイトメガロウイルスの増殖を抑制し、サイトメガロウイルスの感染で起こる肺炎や肝炎、腸炎、食道炎、目の網膜炎などの治療に使用されます。臓器移植では、発症抑制のため予防的に使用されることもあります。
▼作用機序
細胞内に入ると、サイトメガロウイルスのORF UL97の産物であるキナーゼ、もしくは単純ヘルペスウイルス・水痘帯状疱疹ウイルスのチミジンキナーゼの作用により、ガンシクロビル5'-三リン酸までリン酸化され、これはDNAポリメラーゼによるdGTPの使用を完全に阻害します。このガンシクロビル三リン酸は、宿主よりもウイルスのDNAポリメラーゼにより高い親和性を持っています。また、ウイルスDNAに直接結合することによりDNA鎖の伸長を阻害します。
▼薬理作用
サイトメガロウイルス感染症は、サイトメガロウイルスの感染により肺炎、網膜炎、胃腸炎、脳炎などが引き起こされます。
ウイルスの増殖には、細胞分裂が必要で、そのためには遺伝情報が刻まれているDNAを複製する必要があります。DNAの複製にはDNAポリメラーゼという酵素が必要となります。
ガンシクロビルは、サイトメガロウイルスのDNAの複製に必要な酵素の働きを阻害する作用があります。これによりウイルスの増殖を抑制することで、抗ウイルス作用をあらわします。
▼他のサイトメガロウイルス治療薬
デノシン
バリキサ
ホスカビル |
使用方法 |
≪初期治療≫
1回体重1kg当たり5mgを1日2回、12時間毎に1時間以上かけて、点滴静注してください。
≪維持治療≫
後天性免疫不全症候群の患者、または免疫抑制剤投与中の患者で、再発の可能性が高い場合、必要に応じ維持治療に移行してください。
体重1kg当たり1日6mgを週に5日、または1日5mgを週に7日、1時間以上かけて点滴静注してください。
維持治療中、または投与終了後、サイトメガロウイルス感染症の再発が認められる患者においては、必要に応じて再投与として初期治療の用法・用量にて投与することが可能です。
※腎機能障害のある患者に対しては、腎機能障害の程度に応じて適宜減量してください。 |
副作用 |
主な副作用
ALT上昇、ALP上昇、LDH上昇悪心、頭痛、クレアチニンクリアランス低下、クレアチニン上昇、BUN上昇、腎機能障害、AST上昇、好酸球増多
重大な副作用
重篤な出血、消化管出血、錯乱、激越、昏睡、腎不全、膵炎、骨髄抑制、汎血球減少、再生不良性貧血、血小板減少、重篤な白血球減少、重篤な好中球減少、重篤な貧血、重篤な血小板減少、深在性血栓性静脈炎、痙攣、精神病性障害、幻覚、敗血症、骨髄障害、免疫系障害、感染症
その他の副作用
ざ瘡、発汗、血尿、両下肢痙直、肝機能障害、貧血、静脈炎、高血圧、呼吸困難、精神病、感染、偏頭痛、情緒不安、低色素性貧血、脾腫、無力症、浮腫、疼痛、倦怠感、嘔吐、胃腸障害、悪寒、発熱、不整脈、歩行異常、便失禁、鼓腸放屁、異常感覚、うつ病、神経質、低血圧、血管拡張、耳痛、耳鳴、咳増加、過敏症、そう痒、発疹、腹痛、ミオクロヌス、皮膚乾燥、食欲不振、アフタ性口内炎、胸痛、腹部腫脹、思考異常、健忘症、消化不良、口渇、おくび、便秘、食道炎、胃炎、嚥下障害、下痢、骨痛、CK上昇、潰瘍性口内炎、神経障害、異夢、傾眠、鎮静、不眠症、眩暈、緊張亢進、黄疸、肝炎、不安、多幸症、運動過多、振戦、せん妄、性欲減退、斑状丘疹、脱毛、頻尿、尿路感染、筋肉痛、筋無力症、背痛、関節痛、味覚倒錯、視覚障害、硝子体混濁、眼痛、失明、運動失調、躁病反応、結膜炎、痛み、体重減少、インポテンス、難聴、網膜剥離、網膜炎、霧視、高血糖、低血糖、乳房痛、低カリウム血症、蜂巣炎、低ナトリウム血症
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ガンシクロビルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、デノシンはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼デノシンの有効成分
ガンシクロビル
▼代表薬の添加物
pH調整剤
・妊婦/授乳者
・過敏症
・血小板数25000/mm3未満
・好中球数500/mm3未満
・著しい骨髄抑制
使用に注意が必要な方 ・高齢者
・新生児/乳児/幼児/小児
・肝機能障害
・思考異常
・腎機能障害
・精神病
・白血球減少
・薬剤による神経毒性
・薬剤による精神病反応
・血小板減少<25000/mm3以上100000/mm3未満>
・腎機能障害
上記にあてはまる方は、ガンシクロビルを使用する事が出来ない可能性があります。 ガンシクロビルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ジドブジン製剤
ジダノシン
イミペネム・シラスタチン
骨髄抑制を起こす可能性のある薬剤
腎障害を有する薬剤
ジアフェニルスルホン
ビンクリスチン硫酸塩
硫酸ビンブラスチン
ドキソルビシン塩酸塩
ヒドロキシカルバミド
フルシトシン
アムホテリシンB
イセチオン酸ペンタミジン
ヌクレオシドアナログ
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
シクロスポリン
プロベネシド
ミコフェノール酸モフェチル
免疫抑制剤
プレドニゾロン
タクロリムス水和物
上記を使用している方は、ガンシクロビルを使用する事が出来ない可能性があります。 ガンシクロビルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ガンシクロビルに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
デノシン点滴静注用500mg 添付文書【田辺三菱製薬株式会社】 |
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