セリチニブ

成分名

セリチニブ

適応症状

ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行
再発の非小細胞肺癌

簡易説明

・ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)融合遺伝子から作成される、タンパク質「チロシンキナーゼ活性」を妨害し無秩序な細胞増殖を抑えることで抗腫瘍の働きがあります。主にALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の治療に使用されます。また、がん細胞の増殖などに関わる特定の分子の情報伝達を妨害することで抗腫瘍作用をあらわす分子標的薬となっております。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10000円~
薬代1錠あたりの目安:1錠150mg 約6413.6円~
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 2019年11月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外ジェネリックあり)

関連製品(先発薬)

ジカディア錠150mg/カプセル150mg【製薬メーカー:ノバルティスファーマ】

関連製品(ジェネリック)

Zykadia150mg【製薬メーカー:Novartis】

効果・作用

・セリチニブは、チロシンキナーゼ阻害薬と呼ばれております。
・がん細胞の増殖にかかわる分子を直接的に作用する「分子標的薬」の一つとなっております。肺癌の一つである、非小細胞肺がんでは「EML4-ALK融合遺伝子変異」と呼ばれる、ALK遺伝子に変異を持つものが約5%存在することがわかっております。この遺伝子変異があると細胞増殖に関係している「チロシンキナーゼ」という酵素タンパク質の作用が異常に高まり、細胞の増殖命令が多く出され、がん細胞が増殖してしまいます。
・セリチニブは「チロシンキナーゼ」の働きを妨害することでがん細胞の増殖を阻止します。
・ALKは細胞の増殖を司るチロシンキナーゼの一種です。普段は休眠してますが、非小細胞肺癌の3〜5%ではALK 遺伝子と他の遺伝子の融合が見られ、ALK 遺伝子が恒常的に発現する事で細胞増殖シグナルが常にONになり、異常増殖が生じています。この様な癌をALK 陽性(ALK+)非小細胞肺癌と呼びます。ALK阻害剤はこのキナーゼを阻害して増殖を止め、アポトーシスを誘導します。

▼分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔ALK-TKI〕)▼
ザーコリ/アレセンサ/ジカディア/ローブレナ/アルンブリグ

使用方法

・成人は、450mgを1日1回、食後に経口投与すること。
※患者の状態により適宜減量すること。

「用法及び用量に関連する注意」
・副作用によって「休薬、減量、中止」する場合は、以下の基準を考慮してください。1日150mgの投与量で継続困難な時は、中止してください。
≪副作用に対する休薬、減量、中止の基準≫
副作用⇒間質性肺疾患
基準・Grade問わず/本剤の投与量調節・服用中止すること
副作用⇒肝機能障害
基準・①Grade1以下のAST増加または、ALT増加、かつGrade2の血中ビリルビン増加②Grade2もしくは、3のAST増加もしくは、ALT増加、かつGrade1以下の血中ビリルビン増加/本剤の投与量調節・AST増加、ALT増加そして、血中ビリルビンの増加が、Grade1以下に回復するまで休薬してください。服用を再開する際、7日間以内に改善した時は、休薬する前と同じ投与の量、7日間を超えて、軽快した際には、投与する量としては、150mgの減量することとします。
基準・①Grade1以下のAST増加ないしALT増加、かつGrade3の血中ビリルビン増加②Grade2以上のAST増加もしくはALT増加、かつ正常上限の1.5倍超、2倍以下の血中ビリルビン増加/本剤の投与量調節・AST増加、ALT増加かつ血中ビリルビン増加がGrade1以下に回復するまで薬をやすんでください。7日間以内に軽快した場合においては、投与量を150mg減量し、投与再開をしてください。7日間以内に良好にならない時は、投与を中止してください。
基準・①Grade4のAST増加もしくはALT増加、かつGrade1以下の血中ビリルビン増加/本剤の投与量調節・ASTが、増加そして、ALT増加がGrade 1以下に回復するまで薬の使用は控えてください。薬の再開時は、投与する量は、150mg減量としてください。
基準・①Grade4の血中ビリルビン増加②Grade2以上のAST増加ないし、ALT増加、かつ正常上限の2倍超の血中ビリルビン増加/本剤の投与量調節・投与は中止となります。
副作用⇒QT間隔延長
基準・①QTc500msec超が2回以上認められた場合/本剤の投与量調節・ベースラインまたは481msec未満に回復するまで服用は控えてください。服用の再開時は、投与する量を150mg減量してください。
基準・①QTc500msec超ないし、ベースラインからの「QTc延長60msec超」かつTorsade de pointes、多形性心室性頻脈もしくは重症不整脈の徴候・症状が認められた場合/本剤の投与量調節・薬の使用は中止となります。
副作用⇒徐脈
基準・①症候性で治療を要する重篤な場合/本剤の投与量調節・無症候性もしくは、「心拍数60bpm」よりも上に快復するまで薬は休みとなります。投与を再開するときの投与量は150mg減量とします。
基準・①生命の危険、緊急治療が必要な場合/本剤の投与量調節・中止してください。
副作用⇒悪心・嘔吐・下痢
基準・①Grade3以上②適切である制吐剤、止瀉剤を使用してるのにもかかわらず制御不能の場合/投与量調節・Grade 1以下に戻るまで薬の使用は控えてください。薬の使用の再開時は、投与する量を150mg減量でお願いします。
副作用⇒高血糖
基準・①適切な治療を行っても250mg/dLを超える高血糖が持続する場合/本剤の投与量調節・血糖コントロールが可能となるまで薬は控えてください。そして投与を再開する際には、投与量としては150mgの減量となります。
副作用⇒リパーゼ又はアミラーゼ増加
基準・①Grade3以上/本剤の投与量調節・Grade1以下に改善回復するまで休薬とする。使用再開する場合は、150mgで投与してください。

副作用

主な副作用
セリチニブには、副作用が起こる可能性があります。
セリチニブを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

下痢、腹痛、感染症、肺炎、口腔カンジダ症、胃腸炎、肺感染、鼻咽頭炎、貧血、食欲減退、低リン酸血症

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

QT間隔延長、間質性肺疾患、肝機能障害、ALT上昇、AST上昇、総ビリルビン上昇、徐脈、重度下痢、脱水、電解質異常、高血糖、糖尿病、膵炎、膵酵素上昇が持続

その他の副作用
γ-GTP増加、視覚障害、霧視、光視症、血中クレアチニン増加、視力障害、硝子体浮遊物、腎機能障害、眼調節障害、老視、心膜炎、悪心、嘔吐、食道障害、胃食道逆流性疾患、嚥下障害、消化不良、便秘、肝機能検査値異常、ALT増加、AST増加、血中ビリルビン増加、発疹、腎不全、疲労、体重減少、アミラーゼ増加、リパーゼ増加

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊婦/産婦
・過敏症

■セリチニブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ジカディアは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ジカディアの有効成分
セリチニブ
▼代表薬の添加物
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、無水ケイ酸、ポビドン、クロスカルメロースナトリウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール、タルク、青色二号アルミニウムレーキ

使用に注意が必要な方
・高齢者
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・QT間隔延長/重度肝機能障害/間質性肺疾患

上記にあてはまる方は、セリチニブを使用する事が出来ない可能性があります。
セリチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むもの

上記を使用している方は、セリチニブを使用する事が出来ない可能性があります。
セリチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
QTを延長する薬剤/アミオダロン/クラリスロマイシン/ドロペリドール/徐脈等を生じる可能性のある薬剤/β-遮断剤/非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤/クロニジン/CYP3A酵素阻害剤/ケトコナゾール/イトラコナゾール/リトナビル/サキナビル/CYP3A酵素誘導剤/リファンピシン類/カルバマゼピン/CYP3A酵素で代謝を受ける薬剤/ミダゾラム/フェンタニール/タクロリムス水和物/CYP2C9酵素により代謝される薬剤/ワルファリン/フェニトイン/ジクロフェナク/胃内pHを上昇させる薬剤/プロトンポンプ阻害剤/エソメプラゾール

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
量を間違えて多く飲んでしまったら?

すぐに主治医または看護師、薬剤師に連絡してください。副作用が強くあらわれる場合があります。

その日の体調などによって、飲むのをやめたり、量を変えても大丈夫?

自分の判断で飲むのをやめたり、量を変えたりしないでください。期待される効果が得られない可能性があります。必ず、医師の指示に従って服用してください。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。